国連学生ボランティア活動日誌(2012年春学期)

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[ 編集者:広報室       2012年8月22日 更新  ]

 関西学院大学は、アジアの大学では初めて、世界でも3校目に国連ボランティア計画(UNV)と協定を結び、情報格差、教育、環境、健康などの重要問題に取り組むために学生をボランティアとして途上国へ派遣しています。

2012年度春学期は2人の学生が派遣されています。派遣者と業務は次のとおりとなっています。

○亀崎 綾乃さん(総合政策学部3年生)
派遣国:サモア
活動内容:UNDPサモアオフィスでイベント・プロジェクト運営等に従事します。
○松本 健太郎さん(総合政策学部4年生)
派遣国:フィジー
活動内容:UNDP/UNVフィジーオフィスにてウェブサイト運営サポート、広報資料の作成等に取り組みます。

このページでは現地からの生の声をお届けします。

【サモアからの報告5】International Youth Day; CAREERS FORUM FOR YOUTH

8月22日 亀崎 綾乃さん(総合政策学部3年生)

活動風景

 先日8月17日に行われたNUS(National University Samoa)のオープンキャンパスと同時に、United Nations主催でキャリアフォーラムを開きました。このキャリアフォーラムはUNやサモア政府、民間企業などが、オープンキャンパスに参加している高校生、大学生を対象としてブースを設け、各々の機関、企業に関する情報を提示するというものでした。また、同時にシアタールームを貸し切ってパネルディスカッションを行いました。サモアの若者で興味深いキャリアを持っているパネリストを招き、キャリアについて語ってもらいました。

 このイベントにおいて私が従事したことは、アドボカシー用のポスター・フライヤー作成、イベント告知のためのラジオ局との交渉、UNブースの準備運営管理、パネルディスカッションの運営管理でした。ブースの運営管理に関しては、サモア50周年のときにUNのブースを設けた経験をもとに、今回は対象が若者に限られていることもあり、もっと興味深いもの、若者にUNをもっと身近に感じてもらえるように工夫をすることにしました。

 その結果、思いついたものが景品付きのくじ引きでした。UN WomenやUN Caresから景品を集めることができたため、このアイデアを実現することができました。UNのブースを訪れた若者にUNについての説明を行い、UNについてすこし知ってもらったうえでくじ引きをひいてもらいました。MDGについて知っている学生もいれば、UNの名前すら聞いたことがないという学生もいました。ブースは学生であふれ、お昼過ぎには山積み状態だったパンフレットもほとんどなくなってしまいました。くじ引きも、たくさんの人に楽しんでもらうことができました。
 また、パネルディスカッションも多くの学生に参加してもらうことができました。パネリストも環境啓蒙活動家の14歳の女の子や、フリーペーパーをサモアに広めた21歳の男性など全6名のパネリストにご協力いただき、有意義なパネルディスカッションを行うことができました。

 私の派遣期間も残り2週間となりました。最後まで吸収力を大にして、このインターンシップに従事したいと思います。

【サモアからの報告4】気候変動と観光プロジェクトにおけるウポル島西部の現地調査

8月4日 亀崎 綾乃さん(総合政策学部3年生)

砂浜でのひと時

砂浜でのひと時

 先日7月24日、25日にサイトビジットに同行させてもらいました。このサイトビジットは、UNDPとサモア観光局が共同で取り組んでいる気候変動が観光業に与えている被害からの回復をはかるプロジェクトの基礎となる文書(プロジェクトドキュメント)の発展のための、事前現地調査として行われました。

 一日目には、普段わたしが休日にインターンの友達とよく訪れるsouth coast areaとよばれるウポル島南部のビーチファレ(建物のことをサモア語でファレと言う。高床式の建物。)を一軒一軒訪ね、現地の方々からお話を伺いました。サモア南部にはきれいな青い海と白い砂浜が広がっており、サモアの観光名所の一つとなっている場所です。ほとんどのビーチファレが家族・親族で経営されています。そのためか、どこのビーチファレも観光客を温かく迎え入れてくれ、美しい海を前にゆったりとしたサモアンタイムを過ごせる場所となっています。

 一方、この場所は2009年に起こったサモア沖地震による津波の被害が最も大きかった地域に当たります。そのため、津波による被害と気候変動による被害とを受けている地域です。ビーチファレの経営者は口をそろえて、津波後のビーチの目に見える変化を語ってくれました。砂面が上昇して、ファレの底床をあげる必要が出てきたこと。白い砂浜は以前に比べて砂面が荒くなってきていること。以前駐車場として使っていた土地が津波にのまれ、それ以来車を止めるスペースが確保できていないこと。さまざまな問題が存在していました。また、津波による被害後、新しく作られたビーチファレが見られる一方、無残にもファレの跡地だけが残っている場所や、屋根がないファレなどが点々と見られる現状にありました。

 普段休日によく訪れていた場所でしたが、津波や気候変動による被害について詳しくお話を伺う機会はなかったため、とてもいい勉強になりました。また、先ほど記述した中でも、砂面の上昇は特に深刻な問題であり、上昇するたびにビーチファレの床面を取り外し、底上げしなければいけません。これにかかるコストや労力も想像に難くありません。このプロジェクトが少しでもこの現状を改善させ、サモアの観光業が発達し観光客にとっても現地の人々にとってもより過ごしやすい場所になるよう、わたしが貢献できることはほんの少しのことかもしれませんが、精一杯取り組みたいと思います。

【フィジーからの報告2】国連で働くということ

6月28日 松本健太郎(総合政策学部4回生)

NGOとのミーティング

NGOとのミーティング

 みなさんが想像する国連とはどういうものでしょうか。各国の代表を集めて世界について議論している。現場の最前線で平和構築と開発援助に尽力している。確かにニューヨークの国連本部では各国の代表が議論を交わし、アフリカの難民キャンプでは国際公務員がNGOの職員とともに人道支援を行っています。しかし実際の国連はいわゆる『お役所』です。職務内容にもよりますが、政府・関係機関との協議、チーム内でのミーティング、報告書などの作成といった事務所内で完結する仕事がほとんどで、なかなかフィールド(現場)に出る機会がありません。私も派遣されてから一度もフィールドに出ていないので、少し物足りない気もします。それでも多種な様な人種が集まる事務所での業務はとても刺激的です。学部生ではまずできない「国連の中」を知ることができる、同時に開発途上国での生活経験も積める、というのがこの国連学生ボランティアプログラムの特徴なのではないでしょうか。

【サモアからの報告3】アジア太平洋人間開発報告書のイベント運営にあたって

6月26日 亀崎 綾乃さん(総合政策学部3年生)

笑顔を見せる

笑顔を見せる

 先日、サモアではUNDP主催のアジア太平洋人間開発報告書のイベントが行われました。
 わたしとイタリア人のインターン、フランス人のインターン、合わせて3人がイベントの準備・運営・進行を任されました。このイベントは、サモアの主要機関からのゲストだけでなく、タイからは気候変動のスペシャリストが招かれ、当日はクック諸島やフィジーなど他の太平洋諸国ともテレビ電話を通しての参加があり、イベントが終わるまで手に汗を握るほど緊張と不安でいっぱいでしたが、イベントはとても充実したものとなり、終わった時は達成感でいっぱいでした。
 この仕事を通して最も大変だったことは、電話やメールでのゲストの出欠確認、リマインドを行うことでした。わたしが連絡を取らなければいけなかったゲストの方々が各省庁のCEOをはじめ、多忙な方々が多く彼らの秘書と連絡をとることさえも一苦労でした。他にも、連絡先の電話番号が使えなくなっていたり、事前に招待状が送られていなかったり、当日5日前にイベントの時間が変更したりなど、さまざまなハプニングが起こりました。
 こんな中、わたしを支えてくれたモチベーションは“使命感”でした。普段は、自分が所属している部署から仕事をもらい従事することがほとんどなのですが、今回は違う部署から頼まれた仕事だったこともあり、少しずつですが、自分の部署だけでなくオフィスの方々から信頼を得られているのかな、と思うとすごくやる気になりました。また、自分ひとりでなく、チームとしてこのイベント運営に関わったことで同僚とコミュニケーションを取りながら働くことの大切さと楽しさを学ぶことができました。

【サモアからの報告2】サモア独立50周年

6月4日 亀崎 綾乃さん(総合政策学部3年生)

現地の人々と一緒に撮影

現地の人々と一緒に撮影

 6月1日はサモアの独立50周年記念日でした。サモアの首都アピアでは、様々な行事が行われ、いつになく多くの観光客や地元の人であふれていました。
 
 わたしはこのサモア50周年記念イベントにおいて、UNのマーチングへの参加とインフォメーションブースの運営を行いました。インフォメーションブースの運営に当たっては、UNVのインフォメーションパネルの作成、ブースの打ち合わせ、当日の準備や運営をお手伝いさせていただきました。当日は、老若男女、国内外問わず、多くの方々に来ていただき、UN機関やそれぞれの機関の活動内容を地元の人々に知っていただくよい機会になったと思います。

 この仕事を通して、自主的に仕事を見つけて取り組むことへの責任感と、オフィスを離れ地元の方々と接しながら働く面白さを学ぶことができました。個人的にも、このサモア独立50周年という記念すべき時期に滞在することができ、サモアの歴史に触れるよい経験となりました。

【フィジーからの報告1】業務内容

5月31日 松本健太郎(総合政策学部4回生)

活動中の松本さん

活動中の松本さん

 フィジーに到着してそろそろ2ヶ月が経とうとしています。生活が充実しているほど時間は速く流れると言われていますが、日本で感じるよりさらに速い時間の流れの中で、日々業務にいそしんでいます。

 私はUNDP Fiji Multi Country OfficeのUNV Field Unitに派遣されています。UNV(国連ボランティア計画)はUNDP(国連開発計画)の下部組織にあたり、国連ボランティアの派遣やボランティアリズムの啓発活動を通して世界の開発や平和構築に貢献することを目的としている国連組織です。

 主な業務内容は、2ヶ月に一度発行されるUNV Pacific Newsletterの作成、ソーシャルメディアを使ったボランティア同士のネットワークの構築、そしていくつかの予備調査です。ニュースレターの作成やソーシャルメディアの管理はこれまでに経験があったのですが、本格的な予備調査(Feasibility Study)はこれが初めてです。今は太平洋州におけるボランティアリズムの実態調査を行っています。UNDP Fiji Multi Country Officeが太平洋諸島15ヵ国のうち10ヵ国をカバーしていることもあり、調査範囲も広大です。とにかく関係機関の活動をインターネットで調べたり、出版物を読んだり、直接インタビューしたりしてその結果をまとめるというプロセスを繰り返していますが、専門的な英語の運用能力も含めて、なかなか大変な仕事です。

【サモアからの報告1】新たな挑戦

4月26日 亀崎 綾乃さん(総合政策学部3年生)

現地の人々と

現地の人々と

 サモアに派遣されて早くも1か月が経とうとしています。最初のほうに比べると、異国の地の生活にも慣れ、上司の方々をはじめ周囲に支えられながら、毎日充実した日々を過ごしています。

 私の派遣先であるUNDP Samoa Multi-Country Officeは太平洋諸国の4か国を管轄しており、みな忙しく、活気にあふれるオフィスです。わたしはその中でも特に忙しい、環境・気候変動・災害リスク削減の部署で働かせていただいています。最初のほうは本当に何をやればよいのかわからず、ただただ自分の無力さを痛感させられ、悔しい思いをしていました。

 今は、自分の部署が運営している5つのプロジェクトの資料の収集・整理を行っています。また、先日はUNV主催のSamoa National Volunteer Committee Meetingの準備・運営も携わらせていただきました。この会議はサモアでボランティア活動を行っている他団体にもご参加いただき、事前に出欠の電話やメール、資料の準備、当日はUNVに関する現状報告のスピーチも担当させていただきました。

 ここで得た失敗や達成感は、これからの活動につながる自信につなげることができたと思います。具体的にわたしが心がけていることは、壁にぶつかっても、とりあえずやり抜くことです。わたしは周りよりできないことが多い分、人より多くの壁にぶつかります。それでも挑戦してみること。今の自分が持っている可能性以上のことに挑戦することで、やりきった後には自分の可能性が広がっています。この姿勢が、前へ進む一歩となると考えています。