国連学生ボランティア活動日誌(2010年春学期)

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[ 編集者:広報室       2010年9月2日 更新  ]

関西学院大学は、アジアの大学では初めて、世界でも3校目に国連ボランティア計画(UNV)と協定を結び、情報格差、教育、環境、健康などの重要問題に取り組むために学生をボランティアとして途上国へ派遣しています。

2010年度春学期は6月から3人の学生が派遣されています。9月中旬まで現地で活動します。派遣者と業務は次のとおりとなっています。

○齋藤 尚哉さん(文学部3年生)
派遣国:ガーナ
活動内容:UNVガーナオフィスでウェブサイトの運営、ボランティアデータベースの作成等に従事する。

○荻野 良さん(総合政策学部3年生)
派遣国:ネパール
活動内容:UNVネパールオフィスでウェブサイトの運営、ICT関連業務等に携わる。

○忠村 佳代子さん(総合政策学部3年生)
派遣国:ドイツ
活動内容:ドイツのボンにあるUNCCD(国連砂漠化対処条約)の本部で砂漠化に対する啓発活動、ウェブサイト運営などに携わる。

このページでは現地からの生の声をお届けします。

【ネパールからの報告2】仕事を全力で頑張る

8月29日 荻野 良(総合政策学部3年生)

UNVスタッフとともに

UNVスタッフとともに

 私は現在、UNVという組織で働いている。そこでは主に、国連に属しているすべての組織で、ボランティアとして働いている方達のサポートやリクルートを行っている。特に毎年夏場になるとボランティアの退職と採用が極端に多くなり、先月も今月も本当に忙しかった。またネパールからInternational Volunteerとして、特にアフリカに派遣される方々が多く、彼らのインタビューや派遣の手続きなど迅速に行わなければならない仕事が常に山積みである。
 毎日事務所で忙しく仕事をこなすのは確かに疲れるが、その一方で刺激的であり、確実に将来社会に出る際の重要な糧になると確信している。私の主な仕事は、当初はNational Volunteerとしてネパール国内で働きたいネパール人の方々の個人情報を管理するためのデータベースを構築することであったが、人手があまりにも少なく(私を含めて3人)、またネパール人のスタッフが一人他の組織に異動になってしまったため、いろんな種類の仕事を並行して行わなければならなくなった。
 デンマーク人の上司は本当に穏やかな人で、私が「こんな仕事をたかが大学生の自分がしてもいいのか」と思うような仕事もさせてくれる。これのおかげかはわからないが、国連の内部事情を十二分に把握することができ、国連のイメージを良い意味でも悪い意味でも大きく変えることができた。
 正直言うと、二か月を過ぎたあたりから仕事を楽しむことができるようになった。それまでは毎日緊張の連続で、仕事に対して常に全力を尽くさなければならないと自分自身に余計なプレッシャーを与え、追い込み過ぎてしまっていた。あと一カ月しか残されていないが、以前のような仕事の姿勢で後悔しないよう全力で仕事を楽しみ、胸を張って日本に帰りたい。

【ドイツからの報告4】世界各国から集まった人々と過ごす日々

8月11日 忠村 佳代子(総合政策学部3年生)

社員食堂にて

社員食堂にて

 国連機関のインターンに来ていて恵まれているなと感じることは世界各国から集まった人々とのグローバルな環境に身をおけることです。その中でもインターン同士での集まりは私にとって大切な場所です。私の働くUNビルにはたくさんの国連機関が入っており、それぞれの機関に私と同じように学生がインターンに来ています。昼食は社員食堂に行って彼らと一緒に食べます。ほとんどの学生は大学院に通っており私よりも年上ですが、年齢関係なく仲良くさせてもらっています。世界中から集まった学生と情報交換できるのはとても刺激になります。なかにはこのインターンが4つ目というつわものも・・・。ちなみに彼女は5つ目のインターンもすでに応募済みだそうです。笑
また、日本に強い関心を示してくれるドイツ人の友達がおり、時間を見つけてはお互いの言語や文化を教えあったりしています。普段は英語を共通言語としてコミュニケーションをとっていますが、やはり互いの母国語を学ぶ楽しさは格別です。
 最近では仕事の後に中国から来たインターンの方とアジアンショップに買い物に行ったり、休日に近くの町へ出かけたりすることも多くなりました。仕事面でだけでなくプライベート面でも多くのことを吸収する毎日です。

【ドイツからの報告3】私の仕事内容

8月4日 忠村 佳代子(総合政策学部3年生)

ドイツのオフィスにて

ドイツのオフィスにて

 今日は具体的な仕事の内容についてお話したいと思います。主な仕事はUNCCDの啓発活動とデータベースの構築です。
 啓発活動は、大きな仕事というよりも、細かな仕事をひとつひとつこなしていくという感じです。先日はUNCCDのロゴを変えるにあたりアンケートを実施しました。若い世代からの意見を参考にしたいという上司の要望で日本の友達にも協力してもらいました。この意見がまとめられ、企画書としてexecutive secretary(UNCCDのトップの方)に提出されました。
 また、最近はブースの出店を一人で担当する機会が多くなってきました。今週一週間はボン市内でClimate Change Conferenceという国際会議が開催されています。日本からも環境省をはじめ40人くらいが参加しているそうです。私の機関もこの会議のサイドイベントとしてブースを設け、さまざまな出版物を展示・配布しています。少しでも多くの人に興味を持ってもらえるように、積極的に笑顔で対応しています。昨日、アフリカから来た方にUNCCDのポスターを渡し「これ国に持って帰って飾るよ。」と言われたときには「このポスターがアフリカまで行くんじゃん!すごー!」と思わず心の中でガッツポーズしました。笑
 データベースの構築作業は、ユニットが各々に管理しているデータを一つにまとめる作業をしています。大きな壁となったのは、「エクセル」で管理されている各ユニットのデータを、そのまま「アクセス」のデータベースとして反映させる作業でした。出発前にアクセスの操作方法は一通り学習していましたが、その知識だけでは足らず、ドイツに来てからも勉強しました。今はやっと技術的な問題が解決した段階です。これからいよいよ作成作業に入ります。
 限られた期間の中での仕事はプレッシャーも多いですが、たくさんの経験をさせてもらえることに本当に感謝しています。あと、約1ヶ月。全力で頑張ります。

【ガーナからの報告6】大きな仕事がひと段落

7月30日 齋藤 尚哉(文学部3年生)

 私がガーナに来てから抱えてきた1つの大きな仕事がこの間ひと段落ついた。最初は世界中からやって来た錚々たる経歴と経験の持ち主である周りの国連職員の方々が全力を尽くしている環境の中で、西宮市にある大学からやって来た一介の学部生が役に立つ事が出来るかどうか心配する面もあったが、自身の成し遂げた仕事が上司や同僚に「ナオヤスゴイ!!(※ざっくり和訳してみた)」と評価されると感慨深いものがある。
 一段落終えたら美味しいものを食べようと日本にいる時から決めていた私は、一仕事終えたまさにその日にアクラ(ガーナの首都)にあるイタリア料理屋の「マンマミーア」に行きカルボナーラを食べた。今まで食べたどのカルボナーラよりも濃厚だと感じたのは仕事を終えた達成感からではなく、単にガーナのカルボナーラは「濃い」と言うだけの事であったが、この日が自分の中で大きなターニングポイントになった事には変わりは無いだろう。なにより日本にいる友人達が定期試験を終えて夏休みと言う一大イベントをむかえる中、アフリカのガーナで毎朝6時20分に起きて、皮靴とワイシャツで馬子にも衣装を着せ、舗装されていない道路にヒイヒイ言いながら国連事務所に通う毎日を送っていても、すごく楽しい。そんな充実した毎日を送る内に食欲が旺盛になってきた私は、これからジムへ行ってひとっ走りしなければならない。

【ガーナからの報告5】JICAの中間報告会で発表

7月23日 齋藤 尚哉(文学部3年生)

発表会にて

 UNV(国連ボランティア)で働いているからと言って毎日国連の事務所にいるわけではない。今日はUNVファミリーの一員として、JICAのJOCV(青年海外協力隊)の中間報告会で日頃から私が行っている事を発表した。何カ月もガーナの地域コミュニティに根付いて開発協力を行っているJOCVの方々の前で、ガーナに来てまだ1カ月しかたっていない僕がプレゼンテーションを行うのは恐れ多く緊張もしたが、「うんうん」とサポートの頷きをしてくれるJICA職員の方や積極的に質問をするJOVCの方などの助けもあり、なんとか無事に発表を終えられた。当たり前だが、ガーナで働いているのは国連ボランティアだけではない。すぐそばには国連開発計画やユネスコなど、様々な国連機関が軒を連ねている。日本人なのでJICAで働いている方と話す機会もある。こんな日常がだんだん当たり前になって行くのが少しもったいないと思いつつ、日本に帰国した際の自慢話を集めるのは悪くないだろう。

【ネパールからの報告1】新たな生活

7月16日 荻野 良(総合政策学部3年生)

事務所近くの世界遺産PatanDurbarSquare

 私は今、毎朝徒歩で約30分かけてUN Office(国連の事務所)に通っている。ネパールの天気は雨季に入ったとはいえ、毎日30度は確実に超える。太陽が雲の合間から顔を出した時に現れる、ヒマラヤ山系の山々の壮大さは格別だ。
 国連ボランティア計画(UNV)の事務所では主にウェブサイトの仕事をする予定だったが、その他にもボランティアのリクルートなどの事務作業もさせてもらっている。やはり世界各国から優れた人材が集まる場所だけに、対立も相当多い。クレーム処理をするのもUNV事務所の仕事なので、メールでその内容を確認するのだが、「なんと理不尽な」と思うことも多い。ただこの特殊な環境で毎日を過ごしているのは、普通では経験できない貴重なものである。毎日をしっかり楽しませてもらっている。
体力的にハードな毎日を送っているが、この国は本当に住み心地が良い。毎朝ゲストハウスの1階にある食堂で朝食を食べるが、その時のネパール人の店員達の満天の笑みにいつも癒されている。UNV事務所のネパール人の同僚は、毎日楽天的な考えの重要性を私に説いているし、事務所内の警備員達の親切さにはいつも感心しきりっぱなしだ。
 もちろん良いことばかりではない。温暖な気候であり、また今は雨季のため非常に虫が多い。一日一度はゴキブリに遭遇するし、寝ている時に耳元で蚊が飛ぶため夜中に目が覚めてしまう。今日も再び夜中に蚊と格闘しなければならないと思うと、憂鬱になる。ただし、これも国連学生ボランティアの醍醐味なのだろう。

【ガーナからの報告4】

7月16日 齋藤 尚哉(文学部3年生)

ある土日

私のミッションは大まかに言えばウェブサイトの運営であるが、学部で哲学を専攻して部活はESSに所属している上に、テレビは叩けば直ると言う観念の持ち主である私がパソコンをいじっている姿に笑えてくる者もいることだろう。だが私は私のミッションを単なるウェブサイトの運営だとは思っていない。国連ボランティアはボランティアリズムの普及を通じた平和と開発への貢献を目的に設立された組織であるが、故に国連「学生」ボランティアである私も「いかにしてボランティアリズムを普及出来るか」と言う大局から物事を見ねばならない。なので私はウェブサイトを使っていかにボランティアリズムを普及出来るかと言う一点に集中しており、それに向けて自分の知恵と技術と時間を注いでいる。もちろんこれには多数の困難が付きまとうが、頭の中に出来あがった理想状態をウェブサイトを通じて自分の力で実現出来る楽しさは計り知れない。なにはともあれ、楽しい土日が間近の金曜日に備えて、木曜日である今日は早く帰る事にする。

【ドイツからの報告2】

7月12日 忠村 佳代子(総合政策学部3年生)

ドイツ

私たちの機関は6つのユニットから成り立っており、その中のARCEというユニットに配属されています。1人1部屋のオフィスで(写真はオフィスから見えるライン川です。)仕事内容も独立していて週に1回お互いの業務の進捗状況を報告するためのミーティングを行っています。今までは私はそのミーティングで自己紹介をする程度だったのですが、前回のミーティングは現状分析をした上で、新しい提案をプレゼンテーションしました。事前にレポートを作成し、図を用いてできるだけわかりやすいように工夫しました。今となってはあんなに大変だった関学の英語教育には本当に感謝しています!!笑。始めは私のことを認めてくれていなかった同僚が私の話に真剣に耳を傾け、質問をしてくれました。また、ユニットのトップの方からも「It’s clear!!」と誉められ、組織の中で自分が認められたと実感できた瞬間でした。今はやっと提案が私たちのユニット内で受け入れられた段階です。これからこの提案をもっと大きな組織の人たちに説得しなければなりません。不安もありますが、日に日に自分の仕事が回りに認められていくことにやりがいを感じる今日この頃です。

【ガーナからの報告3】海外との時差に苦労

7月7日 齋藤 尚哉(文学部3年生)

オフィスにて

今までの活動報告を読んだ方は「ガーナって楽しい事だらけなんだなあ」と思うかもしれないが、もちろん楽しさの陰に隠れた苦労もある。とは言っても料理の出来ない僕にとっては安く外食の出来るガーナは天国だし、道に迷ったら一緒に「迷ってくれる」ガーナ人の親切さも僕のガーナ生活を豊かにしてくれている。それでも乗り越えられない壁は海外との時差である。仕事の都合上、ボンやフィリピンで働いている国連職員とメールでやりとりをするのだが、メールの送受信の度に時差の計算をしなければいけないだけでなく、本当にそのメールに返信してくれるのかどうかを確認するためにまたメールを送らなければならない。早く連絡が欲しい時は電話をかけるのだが、バカンスで出勤していないと言われる事も多々ある。その点同僚のナナ(写真左)は優秀で、電話をかければすぐにオフィスまで駆けつけてくれる。3メートルしかオフィスが離れていないとは、何てありがたい事なのか。

【ガーナからの報告2】国連のミーティングに参加

7月1日 齋藤尚哉(文学部3年生)

会議にて

 今日は国連で大陸単位でアフリカを担当している重要な方が来ると言うので、国連ガーナ事務所はどこか朝から落ち着きがなかった。ガーナ人の上司が「ちょうどいいわ。ついでにあなたも自己紹介すべきね!」と言うので私はもっと落ち着きがなかったのだが、それでも国連のミーティングとはどのようなものか気になって参加してみた。日頃働いている国連事務所にいる人たちが一堂を介して1つの部屋におり、ガーナの平和レベルがアフリカで3位になったとか、ミレニアム開発目標について話し合っているさまを見ると、どこか自分のやっている業務が霞んで見える。同僚もすごい人が多い。政府の支援を受けてインターンとして働いている者や3~4ヶ国語を喋れる者がいる。このプログラムに参加して一番楽しいのは、そうしたテレビの「この人天才です」特集でしか見た事ないような人に「今度夕飯行こうよ!」と言える環境にいられる事である。夕飯の相手はいつまでも尽きない。

【ドイツからの報告1】気分はすっかり国際公務員

7月1日 忠村 佳代子(総合政策学部3年生)

世界砂漠化防止の日イベントにて

 ドイツに来て約2週間が経ちました。私は今UNCCD(国連砂漠対処条約)という機関の本部にインターンをしに来ています。写真入りのIDカードをもらい気分はすっかり国際公務員です。派遣先はドイツですが、スペイン、フランス、インド、エジプト、ガーナなど世界各国から集まった職員の方たちと一緒にお仕事をさせてもらっています。使用言語はもちろん英語。しかし、英語といっても国によってなまりもさまざま。コミュニケーションをとるのに苦労することもありますが、こんな多様な英語に触れられるチャンスは二度とない!と積極的に頑張っています。
 写真は世界砂漠化防止の日(6月17日)に行われた市民を対象にして行われたイベントでの一コマです。当日は私たちの想像をはるかに超える大盛況で、講演会では会場に入りきれなかった人々が、外のモニターで熱心に聞く姿も見られました。
 通常はライン川が一望できるオフィスで朝の9時から夕方の6時まで業務にあたっています。主な仕事はデータベースの構築で、フランス人の上司と話し合いをしながら、作業をすすめています。2ヶ月半という短い期間で結果を出すことは決して簡単ではありませんが、少しでも貢献したいと高ぶる気持ちでいっぱいです。

【ガーナからの報告1】ガーナでの活動がスタート

6月26日 齋藤尚哉(文学部3年生)

ガーナオフィスにて

ガーナに来て3日も経てば徐々にガーナにも慣れてきて、ランチをイタリアやノルウェー出身の同僚と食べたり、ガーナ人の国連職員とミーティングを重ねたり、ガーナで働いている日本人の方とパブでワールドカップを見たりと、どうにもガーナに来るまでに抱いていた不安は嘘のようである。上司はガーナ人女性で、大きな声と体でテキパキと指示を出すその様に最初は緊張していたものの、笑顔で僕に話しかけてくれる気さくさや爆笑を誘うジョークなどはまさに圧巻そのものであり、そんな彼女のパワフルさが僕の緊張を少し吹き飛ばしてくれた。僕の職務はガーナの国連ボランティアのWEBマネジメントを行う事で、(今日は金曜日だが)月曜日までに計画表を作らないといけない。国連では金曜日は2時半で業務時間が終わる。帰宅して行く同僚達を尻目に、僕は事務所で仕事を続けている。