国連学生ボランティア活動日誌(2008年秋学期)

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[ 編集者:広報室       2008年11月18日 更新  ]

関西学院大学は、アジアの大学では初めて、世界でも3校目に国連ボランティア計画(UNV)と協定を結び、情報格差、教育、環境、健康などの重要問題に取り組むために学生を途上国へ派遣しています。

2008年度秋学期は10月から4人の学生がキルギスへ赴任しています。3月中旬まで現地で活動します。派遣者と業務は次のとおりとなっています。

○中平 東さん(法学部4年生)
 キルギスのNGOでスタッフに写真の編集、ExcelやPowerPointのトレーニングに携わる。
○塚本 美香さん(法学部4年生)
 キルギスのNGOでマーケティングの知識を生かし、当該NGOの立ち上げサポートを行う。
○木下 杏子さん(総合政策学部2年生)
Kyrgyz Economic Universityで、学生とスタッフに対する初級・中級英語教育、ウェブサイト作成に携わる。
○後藤 隼人さん(総合政策学部4年生)
キルギスのNGOで、ウェブサイトの更新や駐キルギス日本大使館との連絡をサポートする。

このページでは現地からの生の声をお届けします。

【ニュース】キルギスでの活動がUNV Newsletterで紹介されました。

2008年度の国連学生ボランティアの活動が、UNVのニュースレター(6月2日発行号)で紹介されました。
詳細は下記PDFをご覧ください。

UNV Newsletter

PDFファイル [ 899.46KB ]

【ニュース】キルギスの現状を伝える写真展開催~国連学生ボランティアの中平東さん(09年3月法卒)

キルギスの老夫婦:中平さん撮影

 国連学生ボランティアとしてキルギスに派遣されていた中平東さん(09年3月法学部卒)の撮影した写真24点が4月中旬にドイツ・ボンにある国連ボランティア計画(UNV)本部で展示される。
 中平さんは、昨年の秋から約5ヶ月間、キルギスのNGOが企画したプロジェクトに参加。貧困のなかにある高齢者の実態を調査し、その過酷な生活状況を伝える写真展の開催を任された。キルギスの高齢者は、ほとんどがわずかな年金で暮らしており、その大半は、寒さをしのぐための燃料費に消える。このため、毎日、お茶とパンだけの暮らしが続いている。中平さんは、その過酷な生活のなかで懸命に生きる高齢者の姿を、写真を通じて社会に発信することで、高齢者に対する社会保障制度の改善につなげたいと写真展の開催に奔走。国連ボランティア計画やJICAの協力も得て、3月にはキルギスで写真展を成功させた。取り組みは現地の新聞で取り上げられ、大きな反響を呼んだ。
 帰国後、国連ボランティア計画本部でも写真展開催が決定した。中平さんは「高齢者の貧困問題は、子供の貧困にも密接に関っている。写真を通して多くの人にキルギスの現状を知ってもらい、支援の輪が広がれば」と期待している。国連ボランティア東京事務所も今後、写真展開催を検討している。

なお、中平さんの活動は、国連ボランティア計画ホームページでも紹介されています。⇒http://www.unv.org/en/news-resources/news/doc/giving-a-face-to.html

派遣期間も残り2ヶ月となりました

1月12日 後藤 隼人(総合政策学部4年生)

現地でのNew Year Party

キルギス共和国のNGO「Save the Children Federation Inc」に派遣されています、総合政策学部の後藤です。時の経つのは早いもので、私の派遣期間も残り約2か月となってしまいました。まだまだ仕事は残っていますが、これまでに私が関わった、または現在も関わっている仕事について説明したいと思います。

まず、ウェブサイトの作成です。私が働いているNGOはKyrgyz Republicに設立されてから間もないこともあり、様々な国際機関(European Commission, World Bank, UNICEF, DFIDなど)と共同でプロジェクトをこなしてきました。しかし、国内広報をほぼしておらず、その認知度は低いままとなっています。国内の状況を国民へ知らせ、彼ら・彼女らの危機感を募らせることも、問題解決へのアプローチの一つと成り得ます。その為の広報方法の一つとして、ウェブサイトを利用しようと考えています。
次に、データベースの作成です。これは「European Commission」というプロジェクトの為に作成しています。このプロジェクトは、孤児や家庭の経済上教育を受けられない子供達の為に学校を建設し、子供が本来持っている教育を受ける権利の獲得を促そうとするもので、「Every Child」というイギリスのNGOとも共同で行っています。私の作ったデータベースは、その学校に通学している子供達の情報から、学校のある州の情報や州内に無数に存在するコミュニティの情報などを一括管理する為に使われています。それまでは大量の資料での管理でしたので、このデータベースによって仕事効率が良くなることが期待できます。

最後に、まだ具体化はしていませんが、JICAと共同でプロジェクトを行おうと考えています。残り2ヶ月ですが、どういう形にしろ、私が出来る範囲で「Save the Children」に、そして子供達に貢献できれば幸いです。

日本について紹介する

11月26日 木下 杏子(総合政策学部2年生)

日本文化を紹介

  11月の終わりに私が英語を教えている大学で、生徒や先生に日本の文化を紹介する機会がありました。そこで私はみんなにもっと日本のことについて知ってもらおうと思い、約1時間程度のプレゼンテーションをしました。プレゼンテーションを始める前に、みんなに日本についてのイメージを聞いたところ、「マンガ」、「すしバー」と「先進国」といったキーワードしかなく、キルギスではあまり日本の文化などが知られていないことに驚きました。
  
  私は、日本の基本情報、日本のシンボルの富士山、そして歴史を紹介しながら広島原爆ドームなど、日本について広く浅く簡単な英語で発表しました。また、たくさんの日本食の写真をスライドにのせ、テーブルマナーを一部、さらに、花見や、夏祭、そしてひな祭りなどといった日本の行事についても幅広く紹介しました。日本から持ってきた浴衣の着付けを披露したり、折り紙で鶴を折ったりと、参加してくれた生徒達との交流も深め、楽しく日本の文化を体験してもらえたのではないかと思います。参加した生徒は、ほとんどが折り紙を折るのが初めてだったのですが、不慣れな手つきでも上手に楽しく折り紙を折っていた姿がとても印象てきでした。

 私はこのプレゼンテーションを通して、日本についての理解を深めてもらえたのはもちろん、生徒、先生や私の同僚との距離が縮まったと感じています。そして私自身も日本の文化や、日本の魅力を再確認でき、とても勉強になりました。また、人々が日本の文化について興味を持ってくれる喜び、そしてそれを伝える難しさと楽しさを学べることができ、私にとってもとても良い経験になったと思います。またこのような機会を設け、もっとたくさんの生徒と先生に日本について興味を持ってもらい、魅力を伝えていきたいと思います。

「ズドラーストヴィチェ!!こんにちは」

11月20日 木下 杏子(総合政策学部2年生)

英語の授業にて

  2008年度国連学生ボランティア秋学期の派遣で、キルギス共和国の首都、ビシュケクにあるKyrgyz Economical  Universityで、生徒と先生に英語を教えています。毎日午前と午後に英語の授業があり、主に初級と中級の大学生、そして大学の先生に英語で英語を教えています。学校のカリキュラムに含まれない授業なのですが、生徒のみなさんはとても真面目で、一生懸命英語を勉強している姿がとても印象的です。また、日本についてもとても興味があり、よく日本のことについて質問をしてくれます。授業の準備などの忙しい日々にも慣れ楽しく授業をしているのですが、やはり英語で英語を教えるのは思っていたより難しく、苦労が絶えません。特に初級の先生の授業は大変で試行錯誤の連続です。
  初級の先生はほとんど英語を勉強したことがありません。幸い、キルギスで話されているロシア語のアルファベットが英語に似ているため、多くの人はアルファベットを知っていました。しかし、私の授業は、先生にとって想像以上に難しく、どう説明してもロシア語の通訳が必要でした。しかし、せっかくの機会なのでもっと英語に触れてほしいと思い、通訳なしで授業をすることにしました。わかりやすい絵などを使って説明したり、発音記号を載せたり、いろんな工夫をしてわかりやすい授業になるよう努力しています。また、先生のペースに合わせて、ゆっくり何度も復習したりして辛抱強く教えるよう心がけています。
  先生達はとても積極的で、一生懸命ノートをとったり、勉強した英語を口に出し何度も練習したりして英語を身につけています。私の授業を受けている先生のほとんどは毎回欠かさず授業に出席し、一生懸命英語を勉強しています。私はいつもそんな先生達の英語に対する熱意に感心しています。短期で語学を取得するのは難しいことですが、先生達の要望に応えられるように、これからもいろんな工夫をして、わかりやすい授業ができるようベストを尽くしていきたいと思います。

データベース作り、学校訪問を通して仕事の重要性を再認識

11月14日 後藤 隼人(総合政策学部4年生)

現地NGOスタッフと

 キルギス共和国と聞いても馴染みが薄いかもしれませんが、「その昔、キルギス人と日本人は同じ民族で、肉好きがキルギスに残り、魚好きが日本へ渡った」なんて話が存在するほど、その風貌はとてもよく似ています。また、様々な民族が混在する国でもあり、その多彩な文化を楽しみながら日々を過ごしています。
 
 さて、私の所属しているNGO「Save the Children Federation Inc」では、その名の通り子供に関する活動、特にその人権の保護や教育を受ける機会の提供を行っています。私はそのなかで「データベースの構築」「ウェブサイトの構築」「日本大使館と当組織によるプロジェクトの補佐」の3つの仕事に関わっています。今現在、私の仕事の中心はデータベースの構築にあるのですが、それも今日で一段落つき、とりあえずホッとしています。自分が作成したデータベースによって当組織のスタッフの仕事効率が上がり、そのことでプロジェクトがより効果的に作用し、結果として少しでも多くの子供たちが学習する機会を持てれば幸いです。
 また、先日は地方へ行って当組織が関わっている学校(boarding school)へ赴き、その現状を調査するフィールドワークにも参加しました。これはウェブサイト作りのための情報収集も兼ねていたのですが、首都Bishkekにいるだけでは見ることのできないこの国の現状を垣間見ることができ、自分の携わっている仕事の重要性、責任を再確認できました。ボランティアという身ですが、何の為に派遣されたのかをしっかり意識して、これからも仕事に励もうと思います。