UNITeS活動日誌(2007年度 春学期)

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[ 編集者:広報室       2006年8月10日 更新  ]

国連情報技術サービス(UNITeS)活動日誌 2007年度春学期

 関西学院大学は、アジアの大学では初めて、世界でも3校目に国連ボランティア計画(UNV)と協定を結び、国連が開発途上国で展開している「国連情報技術サービス(UNITeS)」に学生を派遣しています。

 2007年度春学期は5月から3人の学生がモンゴル、ベトナムへ赴任します。9月中旬まで現地で先進国と途上国の情報格差(デジタルデバイド)を解消するために活動します。派遣者と業務は次のとおりとなっています。

○高橋真理さん(総合政策学部2年生)
 ベトナム商工会議所で、ITトレーナーとして、ITによる地元企業の効率化を目指す。
○荒木文菜さん(総合政策学部3年生)、奥山愛子(同)
 モンゴルの通商産業省で、リサーチアシスタントとして、データベース作りに携わる。

このページでは現地からの生の声をお届けします。

仕事も大詰めを迎えました

9月4日 荒木文菜(総合政策学部3年生)

 先週、モニタリングビジットとしてモンゴルに来られた先生方と共に、セレンゲ県のShaamar村へ行ってきました。セレンゲ県Shaamar村には、一村一品運動商品の一つである“Bee Honey”を生産しているコミュニティがあります。この“Bee Honey”は、養蜂から商品のパッケージングまで全て手作業、化学薬品を使用せずに生産されている商品で、100%天然のオーガニック ハチミツです。社会主義から市場経済への移行で一度は衰退してしまったハチミツ産業を復活させ、コミュニティの経済発展に役立てるため、コミュニティの人々とEnterprise Mongolia Projectが協力して、マーケティング、パッケージングの改善を行っています。味や希少価値の高さに加え、最近のオーガニック食品、エコプロダクトブームがこのハチミツの世界進出の大きなチャンスとなっており、プロジェクトでは、日本への輸出も目標の一つとしています。日本人のプロジェクトメンバーとして、ハチミツに対する日本人のニーズや好み、食べ方などを紹介、情報を提供することで少しでもプロジェクトに役立てればと思います。
 残りの派遣期間も2週間ほどになりました。私が担当しているWebsite、データベース作成の作業もいよいよ大詰めです。今まで積み上げてきたものを、しっかりと形にして、多くの事を学ばせてくれたモンゴルとプロジェクトに残して帰りたいと思います。

ベトナムに来て2ヶ月が経ちました

8月7日 高橋真理(総合政策学部2年生)

ベトナムにて

 ベトナムに来て早2ヶ月が経ち、気候にも仕事にも慣れてきました。
ベトナムは、驚くほど急成長しているのを肌で感じます。たしかに、いまだ加工されていない屠殺された豚がバイクで運ばれていたり、鶏を片手に持っている人の姿を見たり、日本企業の看板や製品もベトナムの至るところでみかけることができ、海外からの多くの資本がベトナムに投資されているのを実感します。急成長とともにベトナムの時代がくるのではないでしょうか。
 ひとつ余談ですが、ベトナムの方が相手の年齢を知りたいときには、直接その人の年齢を聞かず、その人の生まれた年を聞きます。それは、相手の年上なのか年下なのかによって、呼称がかわることによるのだと思いますが、なんだか不思議な感じでした。
 仕事は現在、会社のセキュリティー強化の一環として、ネットワーク資源の共有設定を行っています。社内にあるコンピュータが一部の共有資源にアクセスできたり、できないようにしたりする設定です。以前に、サーバーに関するマニュアルを作成したので、それをもとに設定を行っているところです。マニュアルや調べた情報通りにいかないこともたくさんあり、しばしば悪戦苦闘しています。しかし、先生方や仲間たちのサポートのおかげで、直面した課題のひとつひとつを丁寧に見ていき、少しずつ問題の解決へと向かうことができています。残された一日一日を大切にしていきたいと思っています。

ナーダムのお祭り

7月17日 荒木文菜(総合政策学部3年生)

ナーダムのお祭りにて

 7月11日から13日はモンゴル最大のお祭である“ナーダム”がありました。このナーダムの日を含めて5日間が休みになり、モンゴル人は旅行に出かけたり、夏の家で過ごしたり、ナーダムを観戦したりと日本のゴールデンウィークのような印象を受けました。
 ナーダムは、競馬・モンゴル相撲・弓術の3つの伝統的な競技からなるお祭りです。私は、ホストファミリーと奥山さんと共に競馬の会場へ足を運びました。草原に集まるたくさんの車や人々の数、モンゴルの伝統的な服装であるデール姿の人の様子から、ナーダムがモンゴル人にとっていかに大切で楽しみなお祭りであるかを実感することができました。ナーダムの競馬は、6歳から12歳までの子どもが馬に乗り、25キロ程のコースを駆け抜けます。観客は、モンゴル名物ホーショール(揚げ餃子)を食べながら、ゴールの付近で馬が到着するのを待ちます。やがて、何も無い草原の遥か彼方に砂埃を立てながら走ってくる馬の姿を見つけると、大歓声で会場は大盛り上がりです。乗っている子どもと一体になって、ものすごい速さで駆け抜けていく馬の姿はとても迫力がありました。ホストファミリーの知り合いの馬が優勝し、ゲルでのお祝いの様子も少し見学することができました。知人であるかどうかには関わらず、ゲルを訪れた人には食べ物や飲み物を振舞い、共に喜びを分かち合おうとするゲルの人々の優しさや暖かさを感じました。
 今週は、仕事から少し離れ、ナーダムというお祭りを通して、モンゴルの文化に触れた一週間でした。

Dadalガイドブックの作成

7月9日 奥山愛子(総合政策学部3年生)

dadalへの道

Enterprise Mongolia Project (EMP)で行っているOVOPのひとつにCommunity-based Tourismという観光業をプロダクトにした政策があります。前回EMPスタッフと訪れたDadalもその対象となっており、日本からのモンゴル観光客にもDadalを訪れてもらうチャンスを作るため、私は日本語版のDadalガイドブックを作成することになりました。
 私がOVOPプロジェクトの視察同行でDadalを訪れた際は、滞在期間が短く、調査するには不十分でした。そのため、これまでにモンゴルで活動していた過去のUNITeS生と連絡を取って写真のデータや現地の情報などのやりとりをしました。モンゴルをあまり知らない日本人でもこの国を少しでも知ってもらえるよう、モンゴルの基本情報や写真を載せるよう工夫もしています。
 Dadalガイドブックを作成していく中で、日本の観光業とモンゴルの観光業には大きな違いがあるということがわかってきました。モンゴルの情報伝達が未発達で、道路が整備されていないために、地方で行われている観光やその魅力が観光客に十分に知られていないということ。地方の観光業を発達させるには、まずその土地の良さをモンゴルを訪れる人々に知ってもらうことが必要だと思います。現在作成しているDadalガイドブックが、Dadalの観光業の発展に少しでも役に立てればと考えています。

ベトナムでの活動

7月5日 高橋真理(総合政策学部2年生)

ベトナムにて

私は現在、ベトナムのハイフォンというところで、VCCI(Vietnam Chamber Of Commerce)という機関から派遣され、一つの会社のエンタープライズ業務に携わっています。ハイフォンはハノイの東約100kmに位置する都市で、シーフードが美味しく、またいたるところでライチが売られています。ベトナムに来て、驚いたのはベトナム人がみんな親切であるということです。みんな気さくに話しかけてくれるので、すぐに生活に馴染むことができました。しかし、気をつけなければいけないのは、交通です。ハイフォンではそれほど車が普及していなく、ほとんどの人はバイクに乗ります。そのため、バイクがぶつかっているところもときどき見かけます。さらに、ほとんどの人がヘルメットと着用しないため、大変危険です。町をあるけば、バイクタクシーに声をかけられるのは常です。
今、携わっている仕事の内容は新しいサーバーを会社に導入するため、準備段階として実験的にWindows Server 2003というオペレーションシステム(OS)をインストールし、設定することです。また、そのサーバーをインストールするためのマニュアルを作成しています。事前研修で、オペレーションシステム(OS)をコンピュータにインストールすることは学んだのですが、サーバーの場合、ただインストールするだけではなく、設定も行わなければいけないため、戸惑う部分も多くあり、試行錯誤しながら毎日を過ごしています。しかし、一つの会社のネットワーク構築に、はじめから携われる機会は大変貴重な経験であると思います。会社と自分自身が成長しているのを肌で感じられる良い時間であるとともに、毎日が勉強です。

データベースの作成に取り組む

6月26日 荒木文菜(総合政策学部3年生)

オフィスにて

モンゴルに来て1ヶ月が経ちました。モンゴルの気候や生活にもすっかり慣れ、ホストファミリーのモンゴル語も少しずつですが理解ができるようになってきています。
先日、Monthly meetingがあり、UNV(国連ボランティア計画)のProgram Officerと私の所属しているプロジェクトであるEnterprise Mongolia ProjectのProject Managerにこの1ヶ月間の業務内容、進行状況などを報告し、フィードバックを受ける機会がありました。UNITeS生に任せられている仕事は、観光地として発展を目指している“Daldal”のガイドブック作成と、零細企業や地方の人々にビジネスを発展させるために必要な情報を提供するデータベースの作成です。私は主にデータベース関連の仕事を担当していますが、いつも本当に勉強になることばかりです。仕事のプランを考えることやタイムマネージメント、相手の要望を引き出し、的確なアイディアを出す“コンサルティング”の難しさを実感したほか、データベースにおいては、慣れない技術を使うなど、試行錯誤の毎日ですが、プロジェクトメンバーや日本の先生方に支えられながら少しずつ前進しています。週末は、モンゴルで活躍されている日本人の方にお会いしたり、草原に乗馬を習いに出かけたりとモンゴルの生活や自然を満喫しており、仕事の日も休みの日も充実しています。

一村一品運動で使う商品の調査開始!

5月31日 荒木文菜(総合政策学部3年生) 

Hyalganatへの道のり

  現地に着いて1週間が過ぎました。私は奥山さんとともに、モンゴルの零細企業や一村一品運動を支援するEnterprise Mongolia Projectに参加しています。
ここでの仕事は、零細企業や一村一品運動に関して情報を提供するデータベースを作成することですが、配属されて1週間は、モンゴルやプロジェクト、一村一品運動についてよく知るために、地方へ出かけることになりました。
  第1回目は、滞在している首都Ulaanbaatarから片道約500km、車で6時間のHyalganatという小さな村へ出かけました。Hyalganatへはとても長い道のりでしたが、羊の群れやどこまでも続く草原、広くて青い空を見ることができ、車や人が多いUlaanbaatarで暮らしている私は、イメージしていたモンゴルの景色にようやく出会え、とても嬉しく思いました。今回の目的は、一村一品運動の商品として挙げられているものが、商品に適しているかどうかを調査すること。Hyalganatで生産されている“Yellow Rice”(粟)が対象でした。私たち日本人にとっては、それほど珍しいものではなく、昔もお米の代わりに使われていた粟。これからプロジェクトで扱っていくうえで、日本において健康志向から雑穀米が注目されていることや、大阪名物粟おこしのようにお土産になっていることなどを伝えて、日本のアイディアとモンゴルの文化が融合した商品を開発できれば素敵です。

ダダルへの視察

6月11日 奥山愛子(総合政策学部3年生)

Three Lakes

  私の住むウランバートルから車で焼く10時間の所にダダルという小さな町があります。ここはチンギスハーン生誕の地と言われ、私が働いているEnterprise Mongolia Project (EMP)のOVOP (一村一品) Tourismの対象になっています。今回はそのEMPスタッフのダダル視察に同行し、プロジェクトがうまく進められているか、これからどのようなサポートが必要かなどを見に行きました。
  ダダルへの道中、本来なら6月には緑の草原が広がっているはずの場所でも、今年はまだ雨が降っていない地域があり一面の茶色が広がっていました。EMPオフィスのあるウランバートルでも気温が40度を超えることがあり、モンゴルでもこれまでにない異常気象が起こっているようでした。
ダダルは町全体、コミュニティーベースでTourism Projectに取り組んでいます。私はEMPスタッフと共にプロジェクトに関する観光スポットの管理状態を確認したほか、家々を回り、現地の方との話し合いの場に参加しました。観光スポットのひとつであるThree Lakesでは、以前より水質汚染が進み、水量も減少していました。EMPスタッフの方は、モンゴルの人々は湖にゴミを捨てるなど、環境に対する意識が低いことが原因のひとつかもしれないとおっしゃっていました。
私はまだモンゴル語を理解することができませんが、ダダル現地の方とEMPスタッフが熱心に話し合うのをみて、プロジェクトに関わる人々と話し合うことが重要であり大切であることを実感しています。