国連学生ボランティア活動日誌(2008年春学期)

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[ 編集者:広報室       2008年6月2日 更新  ]

関西学院大学は、アジアの大学では初めて、世界でも3校目に国連ボランティア計画(UNV)と協定を結び、情報格差、教育、環境、健康などの重要問題に取り組むために学生を途上国へ派遣しています。

2008年度春学期は5月から2人の学生がキルギスへ赴任しています。9月中旬まで現地で活動します。派遣者と業務は次のとおりとなっています。

○樋口祥子さん(法学部3年生)
 キルギスのNGOでウェブサイトの作成やネットワーク構築のため、スタッフトレーニングを含めたサポートをする。
○芦田明美さん(総合政策学部3年生)
 キルギスのNGOで糖尿病に苦しむ人々や子供たちに英語・日本語の外国語教育を行う。

このページでは現地からの生の声をお届けします。

【UNVのWEBサイトからも活動についてご覧いただけます】
樋口祥子さん(法学部3年生):http://www.unv.org/en/volunteer-voices/doc/you-opened-my-eyes.html
芦田明美さん(総合政策学部3年生):http://www.unv.org/en/volunteer-voices/doc/mounting-the-language-barrier.html

日本文化を紹介

9月4日 芦田明美(総合政策学部3年生)

日本文化を紹介

 帰国もあと数週間後となり、日頃の感謝の気持ちを込めて職場に日本家庭料理を作って持って行きました。日本料理は私の英語トレーニングの中での日本文化紹介でも反応が良く、巻き寿司とコロッケを作りました。コロッケは、もともとはフランス料理から来ていますが、今や日本の家庭では一般的なおかずにもなっています。
 日本文化を紹介するにあたって、大切なことに気がつきました。日本料理は海外でも人気のあるものですが、日本人がおいしいと思うものが必ず受け入られるわけではありません。その国によってやはり好まれる味は異なるものです。これまでもお昼に日本料理を作って持っていったことはあるのですが、なかなか食べてもらえないものもありました。その点、今回持っていったコロッケはとても反応が良く好んで食べてもらえました。ロシア料理にコロッケに似た作り方をする料理があるそうで、抵抗なく食べることが出来たようです。お寿司自体は代表的な日本料理として知られているので、なじみのない味でも食べてもらうことが出来ました。
 何かの役に立てばと日本から持参していた浴衣も披露しました。それもとても喜んでもらえました。帯はどうやって結んでいるのか、着物とはどう違うのかなどたくさんの質問を受け、答えるのが大変なほどでした。
 このように私たちを通して、日本に興味を持ってもらえたことがとても嬉しかったです。私たちの関わった人々の記憶にいつまでも残るよう、最後までこちらでの活動に精一杯力を注ぎたいと思います。



トレーニングの成果

9月3日 樋口祥子(法学部3年生)

トレーニングにて

 Allianceのウェブサイトの構築が一段落ついた8月の頭から、スタッフを対象にサイト更新を目的としたトレーニングを開始しました。トレーニングはWWWに関する基礎知識共有から、サイトの更新に必要な実践的なスキルの習得までを目的に、計10課を用意し、週に2課のペースで進めています。
 対象のスタッフは私の上司でもあり、ウェブサイト作成の作業から彼女とすべて一緒に仕事を進めてきました。トレーニングが始まってからは2人きりでじっくり話をする時間がさらに多く取れるようになったため、相談や報告が十分にできるようになり、仕事が全体的にスムーズに進むようになりました。
 先日トレーニング内で、HTMLを使ったシンプルな自己紹介ページの作成を行いました。その翌日、彼女に呼ばれデスクに行ってみると、パソコンのディスプレイにはグレードアップした自己紹介ページが表示されていました。前日に教えたものから明らかに質が上がっていたため、驚いてどうしたのかと尋ねると、彼女は私のトレーニングのレジュメと参考ウェブサイト等を見てページを作り直してみたと言うのです。彼女の好奇心、向上心、そして応用力に感激すると共に、私のモチベーションも上がった出来事でした。
帰国まで残すところ半月となりました。Allianceのスタッフの皆さんにとって、私が日本から来た「助っ人」としてではなく、Allianceの活動を支えるプロジェクトに携わった「メンバーの一員」として、心に残るような仕事ができたらと思います。

キルギスの文化

8月14日 芦田明美(総合政策学部3年生)

歴史博物館にて

 先日、ビシュケクの中心部に位置する歴史博物館に行って来ました。歴史博物館は3階建てになっており、各フロアでいろいろな展示物を見ることが出来ました。キルギスの歴史や物産品を展示している3階では、ユルタ(モンゴルのゲルに似た家)やキルギスの伝統衣装などを実際に見ることができ、その鮮やかな色使いに感動しました。ソ連の歴史を説明している2階の壁や天井には革命を表す絵が描かれ、たくさんのブロンズ像も見ることができました。芸術作品の完成度は高く、時間を忘れて見入ってしまうほどでした。博物館内だけでなく、街中を歩いていてもブロンズ像をよく見かけます。普段あまり感じることのない社会主義の名残を強く感じることができました。
 また、各国からの贈り物が展示してあるフロアで日本の雛人形が飾ってあるのを見つけました。その雛人形を現地の人たちが食い入るように見つめている場面に遭遇し、自国の文化に興味を持ってもらえていると思うととても嬉しく感じました。
 キルギスでの滞在が残り約一ヶ月になった今、この国のことを今まで以上にもっと知りたいと思うようになりました。仕事でベストを尽くすのはもちろんのことですが、こういった異文化にも触れ、いろんなことを知って帰国したいと思っています。

イシククル地方での休暇

7月30日 樋口祥子さん(法学部3年生)

伝統料理を囲んで

  私たちの生活するビシュケクより車で4時間ほど北東へ行った所にイシククルと呼ばれる大きな塩湖があります。先日DAKのスタッフの皆さんの旅行へご一緒させていただき、避暑地として有名なそのイシククル地方で休暇を過ごしました。
  キルギス語でイシクは「熱い」、クルは「湖」。氷点下の寒さになる冬でもこの湖が凍らないことがその名の由来です。イシククルは山岳地の湖としては世界2位の大きさ、またその純度も世界2位といわれています。沖縄の海のような鮮やかで透き通った水色をした湖にはヨットが浮かび、湖のほとり(ビーチ)では、国内だけでなくタジキスタン等周辺国からも観光客が集まり海水浴・日光浴を楽しんでいました。
  旅行中、この地方に住むDAKの代表の方の親戚のお宅へ招待され、伝統的なスタイルで夕食をいただく機会がありました。キルギスでは、一面に絨毯が敷かれた部屋の中心(床)に食べ物を広げ、それを囲むように人が座り食事をします。メイン料理として、古来キルギス人が手で掴んで食べていたことがその名に由来する「ビシュバルマク(五本の指)」をいただきました。ビシュバルマクは羊の肉とパスタで作られています。現地の伝統料理は脂っこい物が多いですがとても気にいりました。(今回おいしいおいしいと食べたその肉がまさにその日に殺された羊のものだと聞いたときにはさすがにショックを受けましたが…。)キルギスの人々の暮らしを体感でき、充実した休暇となりました。

英語トレーニングが始まりました!

7月10日 芦田明美(総合政策学部3年生)

英語トレーニングに参加している子供達と

 6月末から、私の所属しているNGOの病院スタッフ、糖尿病の子ども達への英語トレーニングが始まりました。各クラス週1、2回の授業で毎日楽しくレッスンをしています。日に日に参加者が増し、にぎやかなクラスとなってうれしい限りです。
 楽しく英語に触れるというのがこのトレーニングの一番の目的のため、いろいろな視覚教材を準備し、日常会話に必要な単語や文法の授業をクラスのレベル別に提供しています。スタッフの方々は知らない言葉や文法が出てくると、積極的に理解しようとし、覚えたことは早速会話の中で使ってくれます。大人も子どももとても好奇心旺盛で、一度耳にした言葉はすぐ覚えて使うので、その上達ぶりには驚いています。
 私が日本人なので、日本にも興味を持ってくれているようで、日本語の挨拶や文化をよく質問されます。そこで、日本人である私だからできることは何か考えた結果、英語トレーニングの中で日本の文化も伝えようと思いました。今は日々のトレーニングを提供しながら、英語だけでなく異文化にも興味をもってもらうためのトレーニングを考案中です。
 トレーニングの準備は悩むことも多く大変ですが、授業中の皆さんの楽しそうな笑顔を見ると苦労も吹き飛んでしまいます。私自身楽しみながら毎日仕事が出来ています。
もうすぐ次のトレーニングの時間です。それでは今日も楽しい授業ができるよう、頑張りたいと思います。

ウェブサイトづくりに携わる

6月16日 樋口祥子(法学部3年生)

オフィスにて

私はAlliance “For the Budget Transparency”という政府や地方自治体予算の透明性を訴える組織のオフィスに勤務しています。同組織は17のNGOから構成されており、芦田さんが所属するDAKもその中の1つです。私に与えられた仕事はこの組織のウェブサイト(英語バージョン)を作成し、スタッフを対象にその管理方法やウェブの基本的な知識伝達を含めたトレーニングを行うことです。
派遣されてから1カ月の間、前半は組織の上司やスタッフへの聞き取り調査、分析を行い、業務計画を立てることに時間を費やしました。現在はその計画に沿ってWebsite制作とトレーニング教材制作を同時並行で行っています。
初めの2週間は忙しい上司をつかまえて話をすることがなかなかできず、業務計画が立たないことで先が見えないままとても不安な思いで過ごしました。しかし粘り強く聞き取りを行っていくうちに、適切なタイミングで適切な質問をすることで欲しい答えが得られることが分かり、またそのタイミングを見つけるために相手を観察しながら仕事をするコツをつかみました。その結果、現在は業務を充実させることができ、私自身楽しんで仕事を進められています。
私の派遣は4か月と期間は限られていますが、引き続き上司・スタッフとしっかりコミュニケーションを取りながらキルギスの発展に貢献できるよう最善を尽くしたいと思います。

トレーニングへの下準備

6月2日 芦田明美(総合政策学部3年生)

現地にて

 現在、キルギスでは人口約550万人のうち、糖尿病を患っている方が24722人いるとされています。私の所属しているNGO団体、DAK(Diabetes Association of Kyrgyzstan)では、そういった糖尿病患者さんたちのサポートをしています。毎日多くの患者さんたちが訪れ、スタッフであるドクターやナースの方々はとても忙しそうです。そんなスタッフの方々や糖尿病患者の子どもたちを対象に英語トレーニングを実施するというのが今回の私の仕事です。この英語トレーニングは前回のUNITeSボランティアによる前例があり、今回のトレーニングへのスタッフの方々の期待を毎日ひしひしと感じています。
 現在は主に現場の上司と話し合いながら、トレーニング実施への下準備をしているところです。英語の分かるスタッフが2名しかいないこと、また会話はお互いに第二言語であることなどから、意思疎通がうまくいかないこともありました。しかし話し合いを続けるなかで、一つの打開策を見つけました。それは話をする時は、大事なことはメモを使って示し、話す前には要点をメモに箇条書きして見せるというもの。そうすることによってお互いの行き違いが少なくなり、うまく話し合いができるようになりました。
今後は子どもたちへの英語トレーニングも実施予定。DAKの優先項目の中にもある糖尿病の子供達へのサポートにはスタッフの大きな期待もあります。 満足してもらえるトレーニングが提供できるよう頑張りたいと思います。