【学長声明】関学大に集う学生・教職員のみなさんへ

[ 編集者:広報室  2011年4月11日 更新  ]

関学大に集う学生・教職員のみなさんへ

 すでに、4月1日付の学長声明で明らかにしましたように、関西学院では、阪神淡路大震災の際に、多数の学友・教職員や同窓の犠牲者を出しました。この時、日本の多くの皆様から温かいご支援をいただき今日があります。この体験を思い起こし、この度の被災者の方々には、教育研究機関として可能な限り救済支援を行いたいと思います。
 当時、関西学院は大変困難な状況ではありましたが、「関西学院大(西宮市)の『関西学院救援ボランティア委員会』に登録された学生の数は、大学が組織したものとしては、おそらく例を見ない」(1995年3月16日付『読売新聞』)とされるほど大規模な活動を展開しました。この委員会は、周辺避難所14か所に対して、昼夜3交代で学生を派遣し、物資の粗密を様々な形で解消する物資センターを立ち上げるなど、種々献身的な活動を展開しました。私は、学生の皆さんはじめ関学コミュニティの、すばらしい強烈なエネルギーを感じました。どうしてそのようなことが出来たのか。その要因の一つは、明らかに、この大学のミッション、つまり使命にありますし、それを体現している構成員のスピリットにあります。歴史を紐解けば、関東大震災の際にも関西から駆けつけ、かなりの規模の炊き出しなどの支援を行ったという記録も残っています。

 関西学院大学のみなさんは、良き伝統を踏まえ、今未曾有の困難に苦しんでいる東日本大震災の被災者の皆さんを支援する活動に、学生の立場を踏まえて参加して下さい。阪神淡路大震災の際も、本学を通じて、他大学から500名近いボランティアが被災地の支援のために駆けつけてくれました。私たちは、この時の支援に対して恩返しができる機会を、今、目の前にしています。
 その手段や方法は多様にあります。募金もあります。関西学院ヒューマンサービスセンター(関西学院救援ボランティア委員会の後身組織)が提唱している毎月1,000円宣言募金も、長い被災地の支援のための有力な一つの方法でしょうし、宗教活動委員会は卒業式・入学式等の機会に大規模な募金を呼び掛け、大きな成果をあげました。体育会の学生の皆さんも街頭募金で活躍してくれました。また、皆さんが、それぞれのクラブやサークルの得意な技を披露するチャリティイベントを開催して募金を集めることなども素晴らしい活動でしょう。
 すでに本学から、現地に入ってボランティア活動を展開している学生や教員がいます。足らない物資を運び、泥をかき出し、激励のメッセージを運び被災者の声なき声を聞き、活動してきました。国連ボランティアで活躍した学生たちが、今度は国内での活動にも動き出しました。関西でも救援物資の仕分けや避難者の受け入れ、避難者に対する支援活動なども行われています。復興に向けた長期的な制度提案も、本学の災害復興制度研究所が率先して行っています。
 人の役に立つことは、簡単ではありません。しばしば迷惑になる場合もあります。私たちは、常に、賢く、そして謙虚でなければなりません。“Mastery for Service”とは、奉仕のために練達することです。私たちの学びや研究活動には持続的に、かつ緊張感をもって励むことが必要です。とはいえ、躊躇して足踏みしているよりは、必要な情報を集めきちんと準備し、助けが必要な人々のために行動することが大切です。
 この未曾有の大災害にあって、関西学院大学に集う皆さんが、自らの条件の範囲のなかでできる形で、被災者の方々に対する支援を行って下さい。本学は、情報提供や制度面での整備など、様々な方法で、ボランティア活動を行おうとされている皆さんのお気持ちと活動を支援します。私たちの知恵と力を持ち寄り、私たちの関西学院コミュニティの伝統をさらに発展させ、今こそ私たちの“Mastery for Service”を実践しましょう。
 なお、今後関西学院大学は、関連する情報提供を行い、実施する制度面での整備などについて、その内容をホームページでお知らせします。

2011年4月11日
関西学院大学
学長 井上 琢智