学長声明「東日本大震災の被災者支援に向けて:関西学院大学の取り組み」

[ 編集者:広報室  2011年4月1日 更新  ]

 「たとえ、預言する賜物を持ち、あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。」
(コリントの信徒への手紙 第13章第2節)

 3月11日に発生した東日本大震災によって犠牲になられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。避難先等において、苦難の中におられる多くの被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。この災害によって、今なおご家族の行方を探し求めておられる方々のご心痛は、筆舌に尽くし難いものがあると思います。一刻も早い再会が果たされますよう、祈念申し上げます。
 関西学院大学は、1995年1月17日、阪神淡路大震災を経験しました。学生15名、教職員8名、そして30名を越える同窓の尊い命が奪われました。長期にわたるライフラインや交通網の寸断は、安否確認、避難学生への支援、そして学業の遂行を阻みました。私たちは、各方面から頂戴した多大の援助に支えられながら混迷と悲しみの淵から力をあわせ、再起を図るべく逆境に立ち向かい、今日の復興を果たしてきました。
 未曾有の災害ともいうべき東日本大震災に遭遇して、今、関西学院大学は、阪神淡路大震災によって犠牲となった本学関係者のたましいの声を胸に抱きつつ、私たちが震災を乗り越えてきた歩みと蓄積した知見を総動員して被災者支援に動き出しています。
 いかに崇高な智恵と方法を身につけようとも、私的な名誉や利益のために使われるのであれば、それは無に等しい。キリスト教主義という建学の精神にもとづくスクール・モットー“Mastery for Service”(奉仕のための練達)は、東日本大震災によって亡くなられた方々の無念を思い、被災者の苦難に寄り添い、被災者とともに歩む道程を指し示す光であるという思いを新たにしています。
 すでに学内では、関西学院大学災害復興制度研究所による発信、関西学院大学ヒューマンサービスセンターを含む各学生団体と教職員有志による支援委員会の設置と募金活動など、被災者支援の動きを活発化させています。また、被災された在学生、そして2011年度新入生に対しても、学費減免措置などの支援策を随時実行に移しています。学生、教職員のすべての関西学院大学の構成員が一致団結して支援活動に取り組み、被災者一人ひとりに生きる希望を再び抱いていただけるよう、可能な限り手を尽くしたいと思います。


2011年4月1日
関西学院大学学長 井上 琢智