2022.01.06.
新年を迎えて 学長 村田 治

みなさま、明けましておめでとうございます。

2020年以来続く新型コロナウイルスの感染は、まだ予断を許さない状況にあります。本学では昨年もオンライン授業を併用しながら、「コロナ禍による退学者を1人も出さない」との方針のもと、奨学金の充実をはじめ、学生へのあらゆる支援策を講じてきました。また、兵庫医科大学様、上ヶ原病院様のご協力により、2回の大学拠点接種を実施し、学生・教職員をはじめ、西宮市民の方々を含め約12,000人にワクチン接種を行うことができました。今年の6月を目途に3回目の大学拠点接種の準備を進めているところです。

今年は、ポスト・コロナ、あるいはSociety5.0の時代について本格的な準備に取り掛かる年になると考えております。米国では1990年代に、わが国では2000年代初頭にIT革命が生じました。わが国の場合、人材育成や組織の変革に失敗したことが、業務や生産の効率化に繋がらなかった大きな要因と言われており、トランスフォーメーションこそが重要な要素であると考えます。

本学では昨年4月、神戸三田キャンパスを総合政策学部、理学部、工学部、生命環境学部、建築学部の5学部に再編しました。Society5.0の社会はイノベーションの時代と言われています。理学部においては、アントレプレナー養成のための授業等をすでに始めており、約200名の学生が受講しています。さらに、隣接地にインキュベーション機能を持った学生寮の建設も計画しており、神戸三田キャンパスは近い将来、Borderless Innovator を育成するキャンパスに生まれ変わります。

また、2019年に開講した「AI活用人材育成プログラム」をベースにAIを活用できる人材の育成に積極的に取り組んでおり、昨年はそのプログラムのうち3科目を完全e-learning 化し、全学で2,000人以上の学生が受講しています。これらの科目は社会人にも開放し、すでにいくつかの企業で利用されています。

就職に関しては、昨年3月の卒業生の就職率が、一学年の学生数5,000人以上の国公私立大学の中で1位となりました。他方、新卒一括採用の見直しについて昨年4月、採用と大学教育の未来に関する産学協議会2020年度報告書「ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進」が出されました。国、経団連、大学による2年にわたる議論を経てまとめられたもので、その中ではリカレント教育への言及があり、特に、大学院でのリカレント教育や大学院修了者の処遇についての踏み込んだ議論がなされています。今後は、こうした労働市場の変化にも注意を向ける必要があると考えております。わが国の大学にとりましては、大学院教育をいかに活性化するかが大きな課題になると予想されます。大学院教育の活性化については、大学院生への経済的支援、先生方の研究時間の確保や研究環境などいくつか慎重に議論しなければならない課題もあります。こうした課題について、本格的に議論していかねばならないと考えています。

本学では2022年度の授業について、対面授業を基本として実施する方針を決定しています。ただし、オンデマンドの方がカリキュラム上、より教育効果があると認められる授業についてはオンラインで実施する予定です。一方、新型コロナのオミクロン株対策として、現在、海外からの入国が制限されており、本学で学ぶ予定の留学生の皆さんも足止めされている状況が続いています。一日でも早くお迎えし、この美しいキャンパスで皆さんとともに学生生活を送れる日を心より願っています。2022年が、みなさまにとって素晴らしい1年となることを祈念して、新年冒頭のご挨拶といたします。