2020.03.10.
東日本大震災発生から9年を迎えて ― 祈りと思いを一つに ―(院長 舟木 讓)

 東日本大震災発生から9年を迎えるなか、今なお、2,500名を越える行方不明の方がおられ、懐かしい我が家に帰ることが許されていない方、教科書やランドセルが震災当時のまま散乱した状態で放置されている学校の存在、また、事故をおこした原子力発電所の処理も収束しない状況が継続しています。この厳しい現実を改めて認識・共有すること、そして、今なすべきこと、なしうることに思いをいたし、それを実行することが私たちひとりひとりに迫られております。

 世界各国で新型コロナウィルスの影響で様々な対応がなされる中、関西学院でも卒業式の中止、学校の臨時休校等々の緊急措置がとられ、2012年から毎年3月11日に実施していた東日本大震災を覚える礼拝の中止も余儀なくされました。礼拝の中では、毎回、地震発生時刻の14時46分に、犠牲になられた方々・未だ行方の分からない・愛する人を失われた方々・今なお自宅に戻れない方々・日常を取り戻すために日々労している方々・復興に向けて尽力されている方々などを覚えて、黙とうの時を共にしております。

 9年という年月によって、出来事が風化し、すでに「復興」がなされたと錯覚しがちでありますが、今この時にも、無くなることのない被災の痛みを背負いながら日々を過ごしておられる方々が存在し、私たちの隣人として日常を共にしている方もおられることに気づきたいと思います。
今年関西学院では、礼拝という形で一つ所に集まって、思いと祈りを共にすることはできませんが、3月11日14時46分には、それぞれができる形で、今も、痛みや孤独の中におられる方、また「復興」に向けて努力を続けておられる方等を覚え、ともに祈りを合わせましょう。

 
関西学院 院長  舟木 讓