関学発ベンチャーが「Japan Venture Awards 2019」で中小企業庁長官賞/IBA修了生の竹延幸雄氏

[ 編集者:広報室  2019年2月12日 更新  ]

ダイバーシティ経営の推進への挑戦、実績で高評価

竹延幸雄さん

竹延幸雄さん

 経営戦略研究科(IBA)修了生で、塗装工事関連会社「KMユナイテッド」(京都市左京区)の創業者・取締役社長の竹延幸雄さんが、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)主催の「Japan Venture Awards 2019」において、中小企業庁長官賞を受賞されました。本学のビジネススクールでの学びで飛躍を続ける「関学発ベンチャー」。多様な人材を活用するダイバーシティ経営の推進による従来の雇用・育成形態からの脱却などに果敢に挑戦し、実績を挙げている点が評価されました。

 中小機構は経済産業省所管の独立行政法人。「Japan Venture Awards」は、創業概ね15 年以内で、高い志を持ちリスクを恐れず挑戦する優れた起業家を対象に、創業の優良モデルとして発掘・表彰する制度で、今年で18回目となります。新事業創出や市場開拓に果敢に挑む優れた起業家を発掘し、ロールモデルとして広く社会に周知を図るとともに、次世代を牽引する経営者の育成を図ることを目的としており、今回は184社の応募がありました。中小企業庁長官賞は経済産業大臣賞に次ぐものです。

若手女性職人が「太陽の塔」塗装現場で職長務める

国会の施政方針演説で安倍首相が取り組みを紹介

 竹延さんは1973年生まれ。早稲田大学卒業後、民間企業勤務を経て、2003年に義父が経営する老舗の建設塗装会社「竹延」に入社。建設不況のなかで、事業の再建に取り組みながら、職人の育成、技術の承継を体系的に進めていこうと、2013年に子会社としてKM ユナイテッドを起業しました。男性中心の業界で「女性が活躍できる塗装会社を」と考え、社内託児所などを整える一方、体への影響を考えてシンナーを使用しない水性塗料に変えるなど働きやすい環境、「やる気のある人」が活躍できる仕組みづくりに挑戦しています。そうした取り組みを続けながら2015年に「学び直し」として、関西学院大学大学院経営戦略研究科に入学。ビジネススクールで経営理論や経営の分析手法などを体系立てて学び、2017年に修了。関西学院大学のグローバル・アントレプレナーシップ教育センター客員研究員・ハッピーキャリアプログラムエグゼクティブパートナーを歴任しています。

 昨年改修された大阪万博のシンボル「太陽の塔」で、塗装現場の職長として仕切ったのはKMユナイテッドの29歳の女性職人でした。最近では、職人の技術を伝えるために熟練工の技を動画で学習できるアプリ「技ログ」を制作・公開し、人手不足が深刻になる中で作業員の稼働状況を把握しようとスマートフォンを利用する勤怠管理システム「コネキャリ」を開発し実用化しています。一方で、外国人の技能実習生や専門人材も雇用していく方針で、寮の整備も進めています。こうした一連の取り組みが評価され、今回の受賞につながりました。
 1月28日に開会した国会では、安倍首相の施政方針演説で、会社名こそ出なかったものの、「女性比率わずか3%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業があります。時短勤務の導入、託児所の設置などに積極的に取り組み、職人の3割は女性です。彼女たちが企画した健康に優しい塗料は、家庭用の人気商品となりました。女性でも使いやすい軽量の工具は、高齢の職人たちにも好んで使われるようになりました。この企業の売上げは、3年で2倍、急成長を遂げています」と紹介されました。

 今回の受賞について、竹延さんは「やってきたことが認められてうれしい。受賞したほかの方々はITや半導体、再生医療など今をときめく分野の人たち。その中にペンキ屋の社長を入れていただきました」と語っています。

中小機構 Japan Venture Awards 2019

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