オープンセミナー(公開講座)
2026年度 後期オープンセミナー
関西学院大学のオープンセミナーは、広く学外の一般市民の皆様を対象として、毎年春と秋に実施されている無料公開講座です。この歴史あるセミナーは、全国の大学の公開講座の中でも古くから開講しており、1970年にまでさかのぼります。大学の開放的な視点から、広く市民の皆様を迎え入れ、共に学ぶことを目的として、生涯学習プログラムの先駆けとしてスタートしました。
現在は、前期と後期ごとに「西宮上ケ原キャンパス講座」と「神戸三田キャンパス講座」として開催されており、多くの市民の方々にご受講いただいています。2026年度も昨年度に引き続き、全面対面講座として開催されます。ひとつのシリーズにつき3回の講座(テーマ)が実施され、テーマについてご理解をより深めていただくため、原則3回ともご受講いただくことを推奨しております。
定員になり次第、受付を終了いたしますのでお早めにお申込みください。
※チラシはクリックすると拡大します。
西宮上ケ原キャンパス講座 [西宮市、宝塚市教育委員会 後援]
シリーズ名:戦争と平和―世界と日本の歴史から考える
□定員400名 ※定員になり次第締め切ります(先着順)
| 開催日時 | テーマ・講師 | 場所 |
| 10月17日(土) 10:00~12:00 |
日清・日露戦争と日本社会―『庶民』と『軍国』 講師:高島 千代(法学部教授) |
関西学院大学 西宮上ケ原キャンパス [B号館] |
| 10月24日(土) 10:00~12:00 |
国連の成立、平和構築の変遷、日本の関わり 講師:望月 康恵(法学部教授) |
|
| 12月5日(土) 10:00~12:00 |
文化財略奪と法―ウィーン世紀末芸術の行方 講師:齋藤 民徒(法学部教授) |
■10月17日(土)
日清・日露戦争と日本社会―『庶民』と『軍国』 講師:高島 千代
講義概要
ロシアのウクライナ侵攻は、19世紀的な戦争の再来だといわれています。それでは19世紀の戦争とはどのような戦争だったのでしょうか。また、戦争に際して、「普通の人びと」はどのように関わったのでしょうか。本講座では、現在進行中の戦争を念頭におきつつ、明治以降、はじめて日本社会全体を巻き込んで行われた二つの戦争、日清戦争と日露戦争に注目し、日本に「軍国社会」が形成される過程を、「庶民」の視点から再検証してみます。
参考文献
- 大濱徹也『庶民のみた日清・日露戦争―帝国への歩み』(2003年・刀水書房)
- 羽賀祥二『軍国の文化―日清戦争・ナショナリズム・地域社会』上・下巻(名古屋大学出版会・2023年)など。
高島 千代(たかしま ちよ)
関西学院大学法学部教授
1999年名古屋大学大学院で博士(法学)を取得。主要な研究テーマは明治10年代の自由民権運動。主な著書に高島千代・田崎公司『自由民権〈激化〉の時代―運動・地域・語り』(日本経済評論社・2014年)、大阪民衆史研究会『立憲政体改革の急務 島田邦二郎史料集成―淡路島の「自由民権」と憲法構想』(2018年・大阪民衆史研究会)、秩父事件研究顕彰協議会『最新・秩父事件―生きる自由を求めて』(オンデマンド出版・2024年)など。
■10月24日(土)
国連の成立、平和構築の変遷、日本の関わり 講師:望月 康恵
講義概要
2022年のロシアによるウクライナ侵攻や、2026年のアメリカとイスラエルによるイランへの攻撃など、国際社会では大国が実力行使に踏み切る事例が相次いでいます。まるで「万人の万人に対する闘争」のように、各国が自国の安全を確保するために競い合う状況が広がっていると言えるでしょう。
こうした世界情勢は、国連が十分に機能していないことを示しているのでしょうか。そもそも国連にはどのような役割があるのでしょうか。
第二次世界大戦後に設立された国連は、2025年に創設80周年を迎えました。また、2026年は日本の国連加盟70周年にあたります。この節目の年に、現代における国連の役割、そして日本と国連の関わりについて、あらためて考えてみたいと思います。
参考文献
- 望月康恵「国連の安全保障理事会の「機能」の再検討ーウクライナ情勢を事例としてー」『法と政治』第73巻3号 2022年 61-90頁
- 望月康恵「国際社会の秩序構想における国連とマルティラテラリズム」『国連研究 国連と秩序構想』第26号 2025年 41-64頁
- 潘 亮 『日本の国連外交』名古屋大学出版会 2024年
望月 康恵(もちづき やすえ)
関西学院大学法学部教授
専門は国際機構論、国際法 国際基督教大学大学院行政学研究科博士課程修了(学術博士)単著『移行期正義―国際社会における正義の追及』(法律文化社 2012年)、共著『新国際人権入門 SDGs時代における展開』(法律文化社 2021年)
■12月5日(土)
文化財略奪と法―ウィーン世紀末芸術の行方 講師:齋藤 民徒
講義概要
古来、戦争や探検に伴う文化財の「略奪」や「持ち去り」が繰り返されてきました。日本においても、古くは豊臣秀吉の朝鮮出兵に伴うさまざまな文化財の「渡来」、近代にあってはアイヌ民族の遺骨や埋葬品が研究名目で持ち去られた歴史などがあり、今日になってようやく返還に向けた動きが進んでいます。
国際社会では、20世紀に入って戦争が違法化され、とりわけ第二次世界大戦後には、こうした文化財略奪を防ぐ国際的なルールが徐々に整備されてきました。戦時中の文化財略奪を禁じる「ハーグ条約」(1954年)や、不法な輸出入を禁じる「ユネスコ条約」(1970年)などです。これらルール作りの背景には、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによる組織的な美術品略奪という歴史的な悲劇がありました。
本講座では、映画にもなったクリムトの名画『黄金のアデーレ』の返還をめぐるドラマチックな事例などにもふれながら、戦争で奪われた文化財の権利をめぐる複雑な法的課題を読み解きます。「奪われた歴史」を法は取り戻すことができるのか。過去の過ちだけでなく、現在進行中の紛争も含め、みなさんと一緒に考えたいと思います。
参考文献
- 五十嵐 彰『文化財返還問題を考える:負の遺産を清算するために』(岩波ブックレット NO. 1011、2019年)
- リン・H・ニコラス(高橋早苗訳)『ヨーロッパの略奪:ナチス・ドイツ占領下における美術品の運命』(白水社、2020年)
- ジェニファー・ルシュー(広野和美訳)『ナチスから美術品を守ったスパイ:学芸員ローズ・ヴァランの生涯』(原書房、2024年)
- 福田 直子『略奪美術品の行方:ナチスの略奪からウクライナ侵攻まで 』(集英社新書、2026年)
齋藤 民徒(さいとう たみとも)
関西学院大学法学部教授
東京大学大学院博士課程単位取得、司法修習終了(第50期)。専門は国際法、国際人権法。共編著『アクティブラーニング国際人権法』(法律文化社 2025年)、論文「菊と桜は『国内の花』か:“national”の訳語に見る主権尊重と人権保障のせめぎあい」『法と政治』77巻2号など。
西宮上ケ原キャンパスへのアクセス
住所:西宮市上ケ原一番町1-155
電車の場合:阪急神戸線「西宮北口駅」で今津線に乗り換え「甲東園駅」下車、徒歩12分またはバス5分。
「仁川駅」下車、徒歩12分。
神戸三田キャンパス講座 [三田市 共催]
シリーズ名:経済学の最前線―社会保障、家族、交通―
□定員180名 ※定員になり次第締め切ります(先着順)
| 開催日時 | テーマ・講師 | 場所 |
| 10月3日(土) 10:40~12:40 |
誰のための社会保障制度か? ~コロナ禍そしてその後から考える~ 講師:安岡 匡也(経済学部教授) |
三田キッピ―モール6F 三田市まちづくり協働センター 多目的ホール |
| 10月31日(土) 10:40~12:40 |
経済学で考える家族関係 講師:小川 禎友(経済学部教授) |
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| 11月28日(土) 10:40~12:40 |
交通経済学の理論と実証 講師:吉田 雄一朗(経済学部教授) |
■10月3日(土)
誰のための社会保障制度か?~コロナ禍そしてその後から考える~ 講師:安岡 匡也
講義概要
あれほど社会に混乱を与えたコロナウイルス感染拡大の問題は2026年現在において「コロナ」についてほとんど聞くことが無くなってしまいました。本当に「コロナ」は既に過去の問題なのでしょうか。コロナウイルスに感染しコロナ後遺症となった方、コロナワクチン接種によって長期の体調不良に苦しむ方がおられます。このような方々にスポットをあて、どのような支援が必要なのかをお伝えしたいと思います。
参考文献
- 厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
- 厚生労働省HP「予防接種健康被害救済制度について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html
安岡 匡也(やすおか まさや)
関西学院大学経済学部教授
2001年名古屋市立大学経済学部を卒業後、2006年神戸大学大学院経済学研究科で博士(経済学)を取得。主な著書に『経済学で考える社会保障制度第2版』(単著・2021年、中央経済社)、 “Fertility, Education and Macroeconomics: The Case of Japan”(共著・2025年、Springer)など。
■10月31日(土)
経済学で考える家族関係 講師:小川 禎友
講義概要
経済学とは、人間の行動を分析する学問です。数学を用いて人間の行動を説明するモデルを構築します。そして、そのモデルから導かれる結論が現実をどの程度説明できているかを、データを用いた実証分析によって検証します。経済学では、個人の主観や感情、個人的な経験だけで結論を導くことはありません。また、単なる相関関係ではなく、因果関係を明らかにすることを目指します。したがって、経済学の研究成果は高い説得力を持ちます。
経済学の分析対象は、人間の行動に関わるあらゆる現象です。家族を経済学で分析するのかと驚かれるかもしれませんが、「家族の経済学」は欧米では経済学の主要な研究分野の一つとなっています。本講演では、家族の経済学で明らかになったいくつかの興味深い研究成果を、皆様にわかりやすくご紹介いたします。
参考文献
- Divorce and Loss of Marital Gains from the Division of Labor: Evidence from a Pension Reform in Japan, https://www.esri.cao.go.jp/en/esri/archive/e_dis/2026/e_dis405-e.html
- Optimal Nonlinear Income Taxation for Noncooperative Couples,https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=6707700
小川 禎友(おがわ よしとも)
関西学院大学経済学部教授
同志社大学経済学部卒業
大阪大学大学院経済学研究科修士課程修了
大阪大学大学院経済学研究科博士課程修了・同博士取得
研究分野は、財政、公共経済学、家族の経済学、貿易政策
主要論文:
・Optimal Taxation in an Endogenous Fertility Model with Non-Cooperative Behavior, Review of Economics of the Household (2024).
・Optimal Indirect Tax Design in an Open Economy, International Tax and Public Finance (2020).
■11月28日(土)
交通経済学の理論と実証 講師:吉田 雄一朗
講義概要
交通経済学の理論と実証分析を通して、身近な交通問題を考えます。
前半では、交通渋滞を例に、「一人ひとりの行動が他の人にも影響を与える」という外部性の考え方を紹介します。交通渋滞は、私たちが日常では気づきにくい外部性の代表例であり、交通経済学を用いて、どのように対処すべきかを解説します。
後半では、「相関は因果ではない」という考え方を出発点に、交通政策の効果をデータからどのように明らかにするのかを紹介します。アメリカの高速道路建設の因果効果や、JRの地域分割民営化が新幹線の速度に与えた影響など、実際の研究事例を通して、因果推論の考え方と実証分析の面白さをお話しします。
参考文献
- モーリング,H.著,藤岡明房・萩原清子監訳(1987)『交通経済学』勁草書房.
- 伊藤 公一朗(2017)『データ分析の力―因果関係に迫る思考法』光文社(光文社新書).
吉田 雄一朗(よしだ ゆういちろう)
関西学院大学経済学部教授
2001年に米国ボストンカレッジ大学院経済学研究科博士課程を修了した後、ブリティッシュコロンビア大学の客員研究員、2001年9月から国際大学国際関係学研究科の専任講師、2005年4月より政策研究大学院大学、2013年より広島大学での勤務を経て、2024年4月から、関西学院大学経済学部で勤務しています。これまで、主に交通•都市•環境•天然資源•開発•経済発展といった、社会科学の分野における諸問題に関して、理論と実証の両面から研究を進めてきました。
三田KIPPY MALL(キッピ―モール)へのアクセス
住所:三田市駅前町2番1号
電車の場合:JR福知山線「三田駅」または神戸電鉄三田線・公園都市線「三田駅」徒歩1分
車の場合:中国自動車道・六甲北有料道路神戸三田ICより約10分
お問い合わせ
教務機構 共通教育センター
西宮上ケ原キャンパス(G号館1階)
〒662-8501 兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155
TEL: 0798-54-6180
