2021.11.08.
2021年(令和3年)司法試験の結果について
9月7日、本年5月に実施された司法試験の合格発表がありました。関学ロースクールは、合格率29.4%(10名)で、昨年に比べて合格者数は同数でしたが、合格率では増加を見せ、ここ5年間では最も高い合格率となりました。本年の司法試験は、昨年と同様、新型コロナウイルス感染症の影響により、予定された日時での実施が危ぶまれましたが、受験会場の変更等はあったものの、日程については予定通りに実施されました。このような状況下で、さまざまな制約の中での学修を強いられたにもかかわらず、見事に合格を勝ち取られた本学ロースクールの修了生の方々に敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げます。
今回合格された方々のうち、修了後1年目で合格した者の割合が合格者全体の70%(7名)であった点をまず指摘させていただきたいと思います。厳しいロースクールでの学修を経て、その勢いを維持しつつ司法試験に望まれた方々の合格率が最も高いという点は、ロースクール制度という面からは、ある意味非常に健全な姿であろうと思います。そして、このことは、ロースクールの中で一生懸命に勉学に励み、優秀な成績で修了すれば、その先に司法試験の合格が見えてくるということの証左でもあります。さらに、本学法学部出身者が6名合格された点、その中で司法特修コースを早期卒業された方が2名合格されたことも、特筆すべきことと思います(いわゆる3+2の方の合格率は100%です)。
私たちは、昨年度に引き続き、コロナ禍においても、原則として対面での授業を実施し、かつハイフレックス型(対面+オンライン)での入試説明会や入学前教育を実施し、また未修1年次の基礎的学力の定着を図るための諸施策を講じています。さらに、学生のグループ学修に対する支援やライティング能力の向上等のための個別指導の強化など、修了生の力も借りながら、教員一丸となって教育方法・内容の改善を図っています。また、西宮北口キャンパスへの移転に伴い、これまで以上に多くの入学者を受け入れるとともに、法曹コース制度の定着に向けて、より優秀な学生を確保するための入試制度の改革等の取り組みを積極的に推進しています。そして、関西学院のスクール・モットーである“Mastery for Service”を体現するすぐれた法曹を多く輩出することができるよう、今後とも力を尽くしてまいりたいと考えています。
関学ロースクールに今後とも温かいご支援・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2021年9月8日
関西学院大学大学院 司法研究科長 野田輝久