商学部 石淵 順也ゼミ

[ 編集者:広報室       2018年4月4日 更新  ]

消費者の感情を科学する

 

 

 「問題を認識し、解決のための選択肢を探す。選択肢から解決策を選び実行する。成否の評価を行い、次回に生かす」。この説明はビジネスの一般論の話だと思われがちですが、これは多くのマーケティングの教科書に書かれている消費者の購買意思決定プロセスの説明です。私たちはこの流れを目標に購買することはありますが、実際にこのような硬いプロセスだけで、モノやサービスを購買していると考える人は少ないでしょう。

 

 

 私の専門は、マーケティング論の中でも消費者行動における感情の働きの研究です。消費者は多様で不確実な環境に柔軟に適応するため、購買や消費場面で感情を上手に使っています。私たちの多くは購買や消費を人生の最重要事項と捉えず、一つの購買に割ける時間や労力も限られています。関心が低く資源も少ない中、現況が大まかに自分にとってポジティブかネガティブかという感情の情報は、意思決定を方向づける有用な情報です。

 例えば、消費者は今自分に良い状況だと感じればポジティブになり、周囲に目を向け拡散的思考を高めます。実際、店舗内で楽しさを感じる時、消費者は想起購買などの創造的購買を行うことが分かってきました。感情に注目することで、より人間らしい消費者行動の理論の構築を目指しています。

 学生には目に見えない世界を考える力を持ってほしいと思っています。マーケティングの知識も重要ですが、消費者の心の中や経済動向など目に見えない世界が、どのような仕組みで動いているのかを考える力はより重要です。社会科学の学びで培われるこの力は、社会と自分の未来を開拓するために役立つと考えています。

"座学"と"実践"でマーケティングの過程を学ぶ

小川 将史さん 2018年商学部卒

 

 

 研究テーマは「マーケティングリサーチによる新製品開発と戦略策定」。ゴール・目的は、商品開発ではなく、企業の事例研究などの“座学”と、産学連携プロジェクトによる“実践”を通して、一連のマーケティングのプロセスを学ぶことです。
 
3年次には商品開発コンテストに出場し、アイデアを形にする難しさを学び、4年次には企業と連携し、実際に売り出す商品を考えます。調査・分析によりターゲットを選定、そこに刺さるコンセプトを考案するなど、3年次に培った学びが生きます。グループワークの時間が多いですが、オン・オフを切り替えて楽しく研究に取り組んでいます。
 
 ゼミの特徴は縦のつながりの強さ。合同ゼミなどを通して先輩から後輩に知識が受け継がれます。後輩には、今後も心優しい先生と共に、精度の高い研究を続けてほしいと思います