法学部 塚田幸光 ゼミ

[ 編集者:広報室       2018年1月17日 更新  ]

アメリカ映画に隠された政治学をクロスメディア的視点で分析する

塚田ゼミの様子

 専門は表象文化論、映画学で、「文化とは何か」を大きなテーマに研究しています。特に関心があるのは、アメリカ映画が映し出す政治学で、クロスメディア的視点を持って分析することを大切にしています。

 例えば、あるテクストを論じる場合、その作品だけで論じることはできません。コンテクスト、つまり歴史や文化、社会的背景が必要なのはもちろんのこと、同時代の雑誌や絵画、映画、文学といった他のメディアからの情報も取捨選択して意見を組み立てていくことが大切です。

塚田 幸光 教授

塚田 幸光 教授

 製作過程で多くの人が関わる映画の場合、クロスメディア的分析がより重要となります。映画会社やスポンサー会社、製作スタッフや演者など、多数の「声」を引き受けて作る映画とは、「複合芸術」の別名です。ですので、一つの映画を見るにしても、さまざまな視点から見ないことには「なぜこの映画ができたのか」を語ることはできません。映画は「時代を映す鏡」と言われますが、それは直接的に映さない「メタファーとしての鏡」です。そこに隠された真意、作り手側の多様な政治学を読み取ることが大切です。

 ゼミでは、学生に対して「これをやりなさい」と強要することはありません。3年生のうちは自分の興味を追求し、みんなの前で複数回発表してもらいます。一夜漬けではなく、深く学ぶことで、自分の研究をしっかりと他人に伝えられるようになってほしいと思っています。同時に、ディベートも何度か開きます。「資本主義は必要か」「軍事力は必要か」などをテーマに、肯定派と否定派に分かれて話し合います。双方の意見について考えることで、視点を変えて物事を見る力が身に付くと考えています。学生たちには、何か知識を学ぶというよりも、考え方や物の見方を養ってほしいと思っています。

水引 佑紀さん 法学部4年生

映画が扱うテーマや時代について研究・発表

水引 佑紀さん

水引 佑紀さん

 2年生の時に受講した「表象文化論」が面白く、塚田ゼミを選びました。先生が用意した映画から好きなものを選び、その映画が扱っているテーマや時代について研究して発表します。一番印象的だったのは、3年生の時に見た「命の食べ方」という食料生産の現場を撮影したドキュメンタリー映画です。人が淡々と動物を処理する様子が描かれ、食に関して改めて考えるきっかけになりました。その後、食肉工場の歴史やそこで働く人への差別、食品ロスの国内外の現状や対策について調査。フランスがスーパーの食品廃棄を禁止する法律を作ったことを例に出して授業で発表しました。

 映画は、麻薬、難民、戦争などさまざまなテーマを扱うため、好奇心が広がってニュースの見方も変わってきました。先生からは「映画を100本見なさい」と言われているので、少しでも多くの映画を見て、知識や関心を深めていきたいと考えています。