学長定例記者会見報告(2016年9月開催分)

[ 編集者:広報室       2016年11月4日 更新  ]

関西学院大学は、下記のとおり学長定例記者会見を開催しましたので報告致します。

関西学院大学は、下記のとおり学長定例記者会見を開催しましたので報告致します。

■日 時:2016年9月27日(火)14時00分~15時00分
■場 所:大阪梅田キャンパス1405教室(大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階)

■日 時:2016年9月28日(水)14時00分~15時00分
■場 所:ステーションコンファレンス東京 402B会場(JR東京駅 日本橋口直結、八重洲北口改札徒歩2分)

■出席者:村田 治・学長、神余 隆博・副学長、マッケンジー・クラグストン・特別任期制教授(前駐日カナダ大使)、尾木義久・高大接続センター次長

 1)マッケンジー・クラグストン 特別任期制教授 就任について
 2)平成28年度文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業 関西学院大学(代表大学)採択について
 3)秋学期授業などについて

マッケンジー・クラグストン・特別任期制教授 就任について

左から村田治学長、マッケンジー・クラグストン教授、神余隆博副学長

左から村田治学長、マッケンジー・クラグストン教授、神余隆博副学長

(村田治・学長)
 クラグストン先生を9月に特別任期制教授としてお迎えしました。本学は「カナダ研究」を20年以上続けており、文科省の世界展開力事業として、本学が採択されたCCC(Cross Cultural College)プログラムも、カナダのクイーンズ、トロント、マウント・アリソンの3大学と提携してやっています。先生のご両親もトロント大学の出身で、お父様は本学の神学部の教員でしたので、先生は上ケ原キャンパスで幼少期を過ごされており、ご一家と本学も深いご縁がありました。歴史的な経緯がある本学とカナダとの関係が、先生との関係とも直接結びついているご縁もあって、カナダ大使をおやめになった時に就任をお願いしました。おそらくG7の国の中で、大使が日本の大学の教員に就任してくださるのは、クラグストン先生が初めてだと思います。

(マッケンジー・クラグストン・特別任期制教授)
 私は神戸生まれで、その直後から、関西学院の敷地内に住んでいました。少年時代の素晴らしい思い出や忘れられない経験があり、環境だけでなく、その価値観もカナダと同じようなものであって、非常に恵まれた素晴らしい大学と思っておりました。私は35年くらい日本に滞在しております。カナダに帰るよりも、日本に残って両国の関係に何らかの形で貢献したかったので、関西に移ることにしました。
関学のカナダの研究に関しては、日本全国の中にはいくつかすごい大学がありますけれども、カナダとのコネクションでは関学がおそらく第一だと思います。

(神余隆博・副学長)
 私も大使経験者ですので、関西学院大学にはG7の二つの国の大使経験者が揃います。今後はこれを活かしていきたい。まずは日本とカナダの間の学術、教育交流を進めていきます。先生にはカナダの3大学と行うCCCのカレッジ長として、CCCをさらに推進していただきます。授業は「カナダ研究セミナー」「カナダ研究入門」を担当していただき、10月11日の初回には「日本と私」「日本とカナダ」をテーマに話していただきます。来年度に開設される大学院の国連外交コースでも、大使経験者ですから外交についての授業をしていただき、卒業後に国連職員、外交官の道へ進む人材の育成に取り組んでいただきます。
 カナダとの関係は関西学院にとって重要で、毎年1000人くらい海外に留学する関学生のうち約400人はカナダに行きます。カナダの大学とのパートナーシップあるいは協定をもっと増やしたいと思っています。クラグストン先生はインドネシア大使もされ、アジア通でもあるので、インドネシアとの交流においても貢献していただきたいと思っております。


【質問】教員になられる抱負を改めてお願いします。

(クラグストン特別任期制教授)
 Mastery for Serviceがこの大学のモットーです。両親は宣教師でした。私が大学に入った時にはすでに、その価値観が強くありました。ビジネスマンでなく、外交官になったのは当然でした。関西学院大学では、私のこれまでの経験をもとに、日本とカナダの関係に貢献したい気持ちがあります。英語を学んだり、他の国のことを学んだり教えたり。グローバル人材としての世界市民を育て、支えていくことは、私にとって一つの大きなチャレンジで、素晴らしい機会になると思います。言葉の壁を乗り越え、世界で活躍する可能性と野心を持つ人材を育てたいと思います。

【質問】日本人の国連職員が少ないと言われていますが、どのような状況なのか、先生の経験がどのように生かされるのか教えください。

(クラグストン特別任期制教授)
 確かに国連の中の職員に日本人の数は少ない、今もそう言われています。日本人には豊かな国の中から外を見るのは危険が多いという印象が強いのかもしれないし、言葉の壁もあるからかもしれない。若い日本人にはもっと国際社会に貢献してほしいし、他の国に教えることはいっぱいあると思います。日本人の見方はカナダとちょっと似ているかもしれませんが、右翼でもなく左翼でもなくて、<ロジカル>だと思います。そういう目が非常に大切だと思います。

平成28年度文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業 関西学院大学(代表大学)採択について

尾木義久・高大接続センター次長

尾木義久・高大接続センター次長

(村田学長)
 高大接続改革委託事業に本学の企画提案事業が採択されました。事業名称は「主体性等をより適切に評価する面接や書類審査等 教科・科目によらない評価手法の調査研究」。その代表校に本学が選ばれました。大阪大学、大阪教育大学、神戸大学、早稲田大学、同志社大学、立命館大学、関西大学が、現時点でのメンバーです。この委託事業は5件の入試改革から構成されていまして、人文社会分野の地理歴史科・公民科と国語科、理数分野、情報分野、主体性等の分野があり、主体性等の分野で関西学院大学が中心となります。
 選定では二つの条件があり、一つは高校との密接な連携、もう一つは、コンソーシアムを作っていることです。それぞれの大学が、どういった形で主体性等を測定する入試を取り入れていくかということを調査研究し、試験的に実施しながら進めていくことが求められています。
本学はSGU(スーパーグローバル大学創成支援事業)に採択され、高校もSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されています。SGUや高大接続は、大学改革の柱と考えています。そのためには、3つのポリシーに従って、小中高でどのような能力をつけた生徒を入学させるのか、そのために高大接続をしっかり行うことになります。これは、教育改革の大きな流れのコーナーストーンになるはずです。今回選ばれたことで、関西学院大学は大学として評価してもらっていると思っています。


【質問】
主体性の評価手法についてですが、いわゆるAOや推薦入試ではなく、一般入試の方で主体性を大学として測っていくということでしょうか。

(村田学長)
 一般入試で主体性をというと難しいのですが、例えば、トータルの配点の何割かに、高等学校の調査書の記述を取り入れる配点にしていくというのがあります。しかし、高等学校からの調査書というのは、評価があいまいになる部分があって、使いづらいということが言われています。調査書の改善あるいは、客観的な仕様としての調査書に加え、先生方の記述をどうするかということも含めて、調査をしながら、文科省に提言していくことを考えています。

(尾木義久・高大接続センター次長)
 学習指導要領改訂にあたり、特別活動とか校外活動をもっと評価していこうという動きが出ています。調査書での成績の評定については高校によってばらつきがどうしても出てしまうところがありますが、特別活動、校外活動については、先生が把握して調査書に入れることができれば、主体性をもって多様な人々と共同して学ぶ態度として評価できるのではと考えています。このコンソーシアムでも、そういったことを考えていくことにしています。

(村田学長)
 まさに委託事業、研究事業ですので、これから各大学と一緒に考えて、より良い方法を見出して、文科省に提案をしていくというのが仕事です。いま、申し上げたことは関西学院大学として、こんなことを現時点で、アイデアとして持っているということです。

秋学期授業などについて

村田治・学長

村田治・学長

(村田学長)
 まず「IPO、アントレプレナー100人創出プロジェクト」というのがあります。本学の出身のいわゆるベンチャー企業家、アントレプレナー7名を中心に、東京で月一回程度、研究会を開いています。その成果として、秋学期から総合コース「イノベーションと起業家精神」という授業を始めます。本学出身の7名に授業に来ていただき、学生に刺激を与えていただきます。起業家を育てていく上ではファンドが必要なので、同時にファンドについてもこの7人の方々に相談中です。学生を真摯に育てていただきたいと考えています。
 また、村尾信尚・教授による「福島から原発を考える授業」をスタートさせます。約10年前から本学では「平和学」構築を模索し、以来、平和学広島演習を続けており、毎年8月6日には学生が広島で研修し、授業を受けております。同時に、歴代学長は毎年、広島平和記念式典に招かれています。広島との関係、原発の問題、平和学の問題をずっと考えてきたわけですが、3.11の東日本大震災がおこり、福島の原発の問題が出てきました。同じ原子力の脅威ということで、村尾教授自身がこの問題に関心を持っておられ、ニュース番組で自身も防護服を着て福島原発に入っています。私から村尾先生にお願いしたもので、学生が福島に実際に行き、フィールドワークで経験を積んでいく授業です。


【質問】アントレプレナー100人創出プロジェクトについてですが、講義を開講することで、これ以降、何か具体的な案がありましたら教えてください。

(村田学長)
 まずは授業を始め、やってみないとわからないですが、学生の中で起業をするという人が出てくると私は予想しています。講師7人の方々も、ほとんどが大学時代に起業家を目指し、そこでの失敗を糧に、自分の力にして起業された方ばかりです。少し濃密な話ができる時間もつくり、懇親の場があって、「具体的に」話が出てくることに期待しております。アントレプレナーの方々からもそういうことを前提にやりたいと言ってもらっています。

【質問】ファンドも考えているという話がありましたが、学生時代の起業に対するファンドというのも想定していますか?

(村田学長)
 本学の学生とOBがこれから起業をしていくときのファンド、あるいはノウハウといったものです。これをうまく継承する、あるいは教えていくという意味で立ち上げていますので、ファンドに関しましては、学生のみならず、卒業生が起業していくためのファンドと考えております。