理工学部物理学科 松浦周二研究室

[ 編集者:広報室       2016年10月17日 更新  ]

 

宇宙初期の謎を解明するためロケットに搭載する観測器を開発

松浦周二 教授

 

 宇宙初期に存在している星の光を観測する研究をしています。全ての物事に始まりがあるように、138億年前にビッグバンから誕生したと考えられている宇宙にも、最初に輝いた星があります。最初に生まれた星やブラックホールは紫外線で輝いていたと考えられ、宇宙空間を伝わる
その紫外線の波が宇宙の拡大とともに伸びたことで、現在はその輝きを赤外線として観測されるとみなされています。私はこの赤外線を観測することで、初期の宇宙の謎を探求しています。
 しかし、地上から赤外線を望遠鏡で観測することはできません。そこで私たちの研究室ではロケットに搭載するための観測器を開発しています。現在は関西学院大学だけではなく、主に米国・カリフォルニア工科大学を中心とした研究者や学生たちと一緒に観測器を開発中です。また、韓国宇宙天文科学研究所(KASI)と国立台湾大学付置の天文学研究所(ASIAA)の研究者たちの協力も得ながら、国際的なプロジェクトとして研究を進めています。2017年ごろの完成を目指し、アメリカ航空宇宙局(NASA)から打ち上げるロケットに搭載します。
 私は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から昨年4月、関西学院大学理工学部に着任しました。研究室を持ち自分の研究を後進に伝える現在の環境に喜びを感じています。一般的な天文学は既製の望遠鏡を使って観測しますが、私の研究室では望遠鏡(観測器)をつくることからスタートします。学生たちと一緒に自分たちが開発した望遠鏡で宇宙初期の謎に挑んでいきたいと思っています。

天文学分野最高峰の研究者や学生と共同研究

児島 智哉さん理工学研究科M1年生

 

 松浦研究室ではCIBER2(Cosmic Infrared Backgroud ExpeRiment)というロケット実験のプロジェクトを進めています。ロケットに望遠鏡を搭載し宇宙を観測するものです。私はこのCIBER2の構造をコンピューターを使って設計しています。
 このプロジェクトを国内外の研究者や学生たちと一緒に進める中で、週1回、カリフォルニア工科大学の教授や学生とWeb会議をしています。天文学分野の最高峰である同大の研究者や大学
院生らと英語で語り合うことは、英語力、研究力を高めなくてはならないので大変ですが、同じ目標に向かう同志であることに刺激を受け、向学心にもつながるので非常に良い経験となっています。
 この経験ができるのも松浦研究室の醍醐味。今後も宇宙という未知の世界を少しでも解明で
きるよう、先生たちと力を合わせて研究に邁進します。