理工学部生命医化学 藤博幸研究室

[ 編集者:広報室       2016年6月28日 更新  ]

 

タンパク質やDNAの進化をたどってその機能や構造を探る

藤 博幸 教授

 

 専門分野はバイオインフォマティクスと分子進化です。私たちの体を構成しているタンパク質や遺伝情報の実体であるDNAなどの生体高分子の構造や機能を調べるための研究を行っています。しかし、試験管を使った実験ではなく、コンピュータを使ったデータ解析により研究を行っています。
 タンパク質は20種類のアミノ酸がひも状につながってできた分子で、DNAは4種類の塩基がつながってできた分子です。タンパク質もDNAも言い換えるとアルファベットから組み立てられた文字の列と見なすことができます。これらの文字をいろいろな生物で比べることで、生物の進化の歴史をたどれると同時に、生体高分子の機能や構造の情報が得られます。このような研究は基礎研究としてだけ有効ではなく、医薬などの応用研究にも役立てることができます。
 私は昨年4月、関西学院大学に着任しました。理工学部の学生たちは非常にまじめで熱心に研究に取り組んでいます。研究室配属までは学んだことのなかった計算によるアプローチを、苦労しながらも真摯に勉強している姿からは、逆に私自身が学ぶところも多いです。
 私が学生に求めることは「常にずれていくこと」。最先端の研究について、教員でも分からないことがあります。常識にとらわれていない学生のほうがアイデアを生み出しやすい。私の指導を全て受け入れるのではなく、自分が興味を持った事柄に着手し、研究を発展させてくれることを願っています。

全ゲノム重複によるコピー遺伝子を解析する

梶山 兵庫さん(理工学研究科M1年生)

 

 私はゲノムを調べています。ゲノムとはDNAの遺伝情報のことを指します。脊椎動物成立の過程で、ゲノム全体が二度倍化したと考えられており、この現象を「全ゲノム重複」といいます。私は、ゲノム中のどの遺伝子の空間的な近接性の情報を利用して、遺伝子の近接性が全ゲノム重複の過程で保存しているかを、コンピュータを使って調べています。ゲノムのデータは膨大なので解析には時間を要しますが、進化の新たな描像が得られると期待しています。
 藤先生は自然科学分野だけではなく、あらゆる分野の知識に長けており、多角的に多くを学ぶことができるため、人間として成長することができます。藤研究室ではコンピュータを使用することが必須です。コンピュータが得意な人はもちろんですが、得意でなくても試行錯誤しながら楽しく取り組むことができる人にはお薦めです。