教育学部 菅原伸康ゼミ

[ 編集者:広報室       2016年6月28日 更新  ]

 

体験を通して障がいを理解しながら効果的な学習方法を探る

菅原伸康 教授

 

 障がいのある子どもたちにとって効果的な学習方法とはどのようなものか、教える立場としてはどのような教育的アプローチが必要なのか―。特別支援教育における「知的障がい」「重複障がい」「学習障がい」をテーマに、教材や支援機器の開発、制作に取り組みながら、そんな課題を探る研究を進めています。
 障がいのある子どもは一般的に、黒板の文字や図を見ながら紙上の問題を解くのが苦手で、教える際にはブロックなどの教材を使い、手を動かしながら学習を進めることが大切です。このようなことも含め、学生たちには障がいとはどのようなものかを理解しながら、学習の進め方を学んでもらっています。
 盲ろう疑似体験もその一つ。人は得ている情報のうち96%を目と耳から取り入れており、それらの機能を奪われると簡単なコミュニケーションを取ることさえ非常に困難になります。目と耳の機能が完全に遮断された状態とはどのようなものかを実際に体験することで、何をすればいいのかを考えることができるのです。また、軍手を二重にはめて折り紙を折ったりする体験もしています。こちらは自閉症や発達障がいの子どもの指先の感覚を理解するためです。体験を通して気づくことは非常に多く、学生たちにはこうした経験を現場で生かしてもらいたいと強く願っています。
 私は現場にもよく行きます。教え子が教職などに就いてからの3年間は、彼らの授業を見に行くようにしており、気づいたことがあればアドバイスしています。教える際に強調するのは「易しい言葉で深い思想を伝える」ということ。実際に教師になったとき、難しい言葉で伝えるのではなく、誰もが分かる言葉で物事の深い部分を伝えてほしい。そんな願いを込めています。

障がいのある子の教材や教育支援機器を研究

井上 寧々さん(教育学部3年生)

 

 障がいのある子が「ことば、文字、数」を学ぶための学習教材や教育支援機器について研究しています。
 
 1、2年生の時に行った小学校での教育実習で、障がいのある子とどのように接すればいいのかが分からず、特別支援教育を研究されている菅原先生に相談に行きました。「その子は何をしている時が楽しそうだった?」と聞かれ、答えることができず情けなくなりました。特別支援教育について学びたいと思ったのはそれがきっかけで、菅原ゼミに入ることを決めました。先生から「障がいはその人自身にあるのではなく、二者間の関係がうまくいかないことにあるんだよ」と教わり、障がいについての考え方が変わりました。 今後は、現在研究している学習教材や教育支援機器を使って、障がいのある子とどのように接し、学習を進めていくべきかを学んでいきたいと思っています。