経済学部 本郷 亮ゼミ

[ 編集者:広報室       2016年5月11日 更新  ]

 

歴史的な背景を踏まえつつ各時代の経済理論の意義を明らかに

本郷 亮 教授

 

 専門は19世紀後半以後の経済学史です。社会問題、社会・政治思想など各時代の諸々の背景も踏まえつつ、経済理論の史的展開を研究しています。
 例えば20世紀前半に話を限定すれば、人類初の国家総力戦となった第1次世界大戦が起こったり、社会主義国家のソビエト連邦が誕生しました。先進諸国では、貧富の差の拡大や、選挙権拡大による政治の大衆化も進み、人々の社会常識や思想が変容する中で、各国の政策も急激に変化しました。世界恐慌およびその後の国際政治・経済の激動もありました。これらの事柄は全て、当時の経済理論と密接に関連しているのです。このように歴史的背景を踏まえつつ、各時代の主要な経済理論の意義を明らかにするのが私の研究です。
 これまで特に英国・ケンブリッジ学派のA・C・ピグーを研究してきました。ケンブリッジ大学に赴き、図書館の片隅で、手書きの講義ノートや手紙など、誰も手をつけていないピグー関係資料を調査したりすることもあります。例えば、若い時期のピグーの写真は、おそらく世界で初めて私が発見、公表したものでしょう。
 最近では、江戸後期から昭和までの日本経済思想・経済学が、世界から注目されています。明治維新以来、列強の植民地になることなく、わが国は独自の発展を遂げてきました。これほどにたくましく発展した非欧米の国はまれです。その秘密は江戸時代にあると思いますが、とにかくそのような研究の成果を英語で発信することが大事です。また20世紀の超大国である米国の独特の経済思想・経済学にも強い関心があります。
 ゼミ生には、自分の殻を破る斬新なことにチャレンジするように常に強調しています。チャレンジの内容は何でもよいのですが、できるだけ、人を驚かせたり、人間的興味を引くような「オリジナリティーの高い」事柄を勧めています。そうした挑戦も、学問研究(卒論研究等)も、実は根っこは同じと信じるからです。

先行研究のほとんどない計量経済学史に挑む

高橋 周作さん(経済学部3年生)

 

 本郷ゼミでは二つのグループに分かれて、「計量経済学史」と「江戸時代後期から昭和までの日本の経済学者」について研究しています。
 私は「計量経済学史」に所属。計量経済学史の先行研究は世界的にもほとんどないため、「独自性のある研究になるはずだ」と挑戦を決めました。
 研究は、文献を基に計量経済学の代表的な学者を一人ずつ調べていきます。それから学者同士の関わりや学説を結び付けるのですが、参考文献が希少のため困難の連続です。ゼミ生で話し合ったり、本郷先生からアドバイスをもらったりしながら研究を進めています。その成果は、経済学部が開催している、ディベートと研究発表の大会「インターゼミナール大会」で発表しようと考えています。
 本郷先生は知識が豊富で学ぶことが多く、常に学生の主体性を重視してくれます。ゼミ生の仲は良く、みんな一生懸命研究しています。