理工学部人間システム工学科 中後大輔研究室

[ 編集者:広報室       2016年1月14日 更新  ]

 

人が日常生活で感じる不便を見定め役立つロボット技術を研究

中後 大輔 准教授

 

 「人を支援するサービスロボティクス」をテーマに研究しています。人を知る(人・動作のモデリング)、人と接する(ロボット・ユビキタスシステム)、人が使う(サービスロボティクス)がキーワード。ロボット技術を最優先させ、それを人の生活に役立てるのではなく、人が日常生活で不便に感じていることを見定めて、ロボット技術を役立てる研究をしています。つまり、技術あっての人ではなく、人があっての技術です。
 例えば「褥瘡軽減動作支援装置」。日常的に長時間車椅子を使用する場合、仙骨付近に体重が集中するため褥瘡(床ずれ)ができます。日本では、車椅子は持ち運びのしやすさを重視したものが広く普及しているため、長時間の使用に適していません。褥瘡のリスクを低減させるためには30分ごとにお尻を動かすことが効果的とされています。そこで私たちは、空気圧を使ってお尻と背中をサポートする力を変えることができる装置を考案しました。さらに、使用者個人の体格や座り方を考えて、体力が少ない使用者でも健康な人のように「自然」にお尻を動かし、座る姿勢を整えるシステム技術を作っています。使用者や福祉関係者へのリスニングや心理学など分野横断的に物事を考え、研究を進めています。
 私は、人に寄り添う技術が真価を発揮するためには、個々の技術を磨くだけではなく、複数の技術がシステムとして機能することが大事だと考えています。そのため、システム感覚に優れた研究者・技術者を育成したいと考えています。「水飲み場へは連れて行くけれど、水を飲む方法は自分で考える」これが私の教育方針です。研究の主役は学生。学生には自分を高める意志を持ってほしいです。

車椅子の人が操縦できる移動ロボットを

小林 司さん(理工学研究科M2年生)

 

 中後研究室を選んだ理由は、介護よりのロボットを研究することで世の中に役立つからです。
 高齢化社会では、日常環境下において人とロボットの共存が予想されます。障害物に応じて形態を切り替えてスムーズに車椅子を移動させる技術が今後、求められるでしょう。そうした世の中の動きと祖父が電動車椅子を使用していることから、車椅子に乗っている人が操縦できる一人乗り移動ロボット「パーソナルモビリティロボット」を研究しています。研究で一番大変なのは“研究の方向性”を見極めることです。どこに新規性・独自性を見いだすか、それらが本当に世の中の役に立つシステムなのかを常に考えています。
 研究に迷った時、中後先生は学生の自主性を重んじながらも適切なアドバイスをくれます。自分のビジョンが明確で、世の中に役立つものを作りたいと思う人にはおすすめの研究室です。