理工学部 環境・応用化学科 橋本秀樹研究室

[ 編集者:広報室       2015年10月6日 更新  ]

 

 

光合成の初期過程のシステムを解明し太陽光発電への応用を目指す

橋本 秀樹 教授

橋本教授

橋本教授

「光合成」をテーマに研究しています。小・中学校で学ぶ光合成といえば、炭酸同化といって、植物が太陽の光を受けて二酸化炭素と水から炭水化物と酸素を生み出す反応のことですが、私たちが研究している光合成は、植物が光エネルギーをどのようにつかまえて利用しているのかということ。つまり、光合成の初期過程のシステムです。
 具体的には光合成初期過程で重要な役割を果たすカロテノイド色素分子の制御の解明に取り組んでいます。植物には、光エネルギーを集めたり、集めた光を使って発電したりする色素タンパク質があり、これを光合成細菌の培養によって取り出します。光を当てれば光合成が開始され、状態が変わるたびに光合成色素の色が変化するので、その様子を時間とともに追いかけていけば、光エネルギーがどういうふうに、どの色素を、どんな順番で、どんな速さで伝わっていくのかが分かるというわけです。原理を知るだけでなく、遺伝子改変や色素タンパク質合成などを行い、どう変化するかを確かめることもします。
 将来、化石燃料が不足するかもしれず、太陽光発電の利用が広がっていますが、効率が悪く、まだ太陽光の一部しか活用できていません。しかし、エネルギー効率が100%に近いといわれている植物の光合成の仕組みが解明できれば、太陽光発電にも応用することができ、エネルギー問題の解決に大きく寄与することができるのです。
 現在、人工光合成と触媒開発についても研究を進めており、化石燃料に代わる「次世代燃料」を見つけ、エネルギー問題の解決に貢献したいと考えています。
 私は関学大を卒業後、英国グラスゴー大での勤務などを経て、今年4月に母校に戻ってきました。学生時代に通ったチャペルアワーに、今は学生と毎回参加しています。学生には、しっかり勉強してもらいますが、研究者である前にまず人であれ、と常々言っています。関学大には人として大切なことを学ぶ機会が多くあるので、ぜひ人として成長してほしいと思っています。

カロテノイド色素など自ら培養した細菌を研究

瀬戸 翔太さん(化学科4年生)、行平 奈央さん(化学科4年生)

瀬戸さん

瀬戸さん

 光合成の初期過程に興味があり、橋本研究室を選びました。光合成細菌などのカロテノイド色素
が研究対象で、物理や化学など取り扱う幅は多岐にわたります。勉強時間は格段に増え忙しくなり
ましたが、自分で培養した細菌を研究することは非常に面白く、とても充実した毎日を送っています。
 研究室では、世界に一台しかない貴重な装置を含め多くの装置があり、それを扱えるのも魅力の
一つです。今は、操作技術の習得にも取り組んでいます。

行平さん

行平さん

 橋本先生は多趣味で行動力があり、知識がとにかく豊富で大変尊敬しています。また、海外の大
学や研究所とのネットワークも多く、私たちも視野が広がります。橋本研究室で研究を重ね、将来
は、エネルギー問題の解決につながる研究に関わるのが希望です。

※環境・応用化学科は2015年度の新設のため、研究室に配属されている4年生は化学科に所属したまま、環境・応用化学科の橋本研究室へ配属されています。