国際学部 丸楠恭一ゼミ

[ 編集者:広報室       2015年10月6日 更新  ]

 

 

近現代日本の歴史的特殊性を踏まえ三つの柱で現代社会を描き出す

丸楠恭一 教授

丸楠教授

丸楠教授

 世界の中の日本のありよう」をテーマに、政治学と社会学の境界領域を三つの柱で研究しています。
 一つ目は世界から見た現代日本の価値観や文化などの特質。二つ目は政治的決定の諸場面における言葉の創出と交換過程です。世論やメディア上で、「国際貢献」や「構造改革」などの用語が多用された時期の分析と合わせて考察しています。
 三つ目は政治的コミュニケーションと非政治的コミュニケーションとの関連性です。日本では、自らの行動が政治家や政策に影響を与えられるという個人の信念である「政治的有効性感覚」に乏しく、無力感を持った若者が多い傾向にあります。とはいえ政治に全く無関心なわけではなく、WEBやSNSで社会的に発信できる術も、小さな力の結集が生む影響力も知っています。
 例えば動画シェアリングサービスのニコニコ動画。ここでは娯楽コンテンツを楽しめる一方、政治コンテンツも共存し、影響を与えています。なぜ、一見相反する分野が同じサービス内にあるのか。これは政治をあえて正反対と思われる分野と連動させることで関心層を広げ、気軽な情報発信により交流が活発化していくという構図が生まれるからです。政治コンテンツを娯楽と同様に消費することは賛否両論ありますが、現実で起こっている以上、研究する価値があります。18歳への選挙権年齢の引き下げも絡み面白い課題です。
 社会は二度と同じことが起こりませんが、一定の法則のもとに似た現象が起こります。この微妙なバランスを取りながら、仮説を立てる作業は職人芸的な面白さがあります。それには先を読むカンの蓄積が重要。このカンを得るには知識のストック、特に歴史の知識が大切です。学生には、「しっかり乱読」して幅広い知識を身につけてほしいと思っています。

高等教育について時代背景や今後の展開を調査

泉谷 智紀さん(国際学部4年生)

 

 

 丸楠ゼミでは「戦後日本のユニークさ」を踏まえて、日本らしさとは何かを追究しています。ゼミでは毎回、戦後以降に出版された日本論と呼ばれる文献群や、現代日本社会に関する新書等で述べられている概念や考え方を議論しています。また卒論執筆のため、途上国支援、SNS、アイドルなど各自が関心のある分野を調べています。
 私は「高等教育」について研究。教養部を持つ大学が減少していく一方、昨今「国際」とつく学部を持つ大学が急増しました。理由の一つに、日本政府の考えるグローバル人材の施策が影響していると考えられます。今後も日本の大学改革を中心に、時代背景、現在の傾向、今後の展開などを調べていきます。
 ゼミは全員で17人。みんな国際教育プログラムの経験があり、多様な経験を共有できています。丸楠先生も18 人目のゼミ生として議論に参加。18 人がうるさいくらい意見を出し合える雰囲気が魅力です。