私たちのゼミ・授業

[ 編集者:広報室       2015年1月13日 更新  ]

人間福祉学部 溝畑 潤 ゼミ(関学ジャーナル246号 2015年1月15日)

溝畑 潤准教授

溝畑 潤准教授

みぞはた・じゅん  人間福祉学部准教授。

1971年生まれ。日本体育大学卒業、大阪教育大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。University of Wales Institute Cardiff(PhD)中退。専門は発育発達学。国際ラグビーボードパネルレフェリー(2006年~09年)。

私の研究課題

 子どもの発育発達と運動能力との関係について研究しています。幼児から高校生までを対象とし、それぞれの成長過程における身体組成と運動能力との関係について検討しています。また、スポーツ種目の特性とそれに伴った長期育成法指導方法についても検討しています。スポーツ選手のポジションの適性や競技力向上を目的としたトレーニング方法にはどのような工夫や配慮が必要なのか、さまざまな視点から調査し、解明していきます。実際に幼稚園や教育現場、スポーツクラブなどに出向き、子どもたちと触れ合いながら測定をしています。

学生へのメッセージ

 私は幼少のころに腎炎を患い、ドクターから運動を制限された時期がありました。幼稚園の運動会も欠席しました。それが小学校高学年になってから始めたラグビーのおかげで元気になり、ドクターも驚くほど回復することができました。スポーツには人に感動や勇気を与えたり、元気にしたり、友達ができたり、素晴らしい要素があります。また、子どものころに運動をすることによって、社会における協調性やモラルのある大人に成長する効果があるといわれています。多くの学生さんがスポーツと関わる機会を持ってくれることを願っています。

ゼミ生からのメッセージ

大箸 潤さん(人間福祉学部4年生)

大箸 潤さん

大箸 潤さん

 溝畑ゼミでは「ユーススポーツ」をテーマに、子どもの運動能力の向上、精神的成長、プロを目指す子どもの指導など、おのおのがスポーツで関心のあることを研究しています。
 溝畑ゼミの特徴は実践教育です。関学初等部や、地域の幼稚園や小学校に行き、体の重心や足の指の筋肉を測る特殊な運動器具を使用して、定期的に児童らの能力をデータ化しています。同じ年齢でも運動能力にはっきりと差があり、生まれた月でも違いが見られます。生活環境や遊び方も影響しており、実際に得たデータの比較は発見の連続です。

初等部での調査

初等部での調査

 私の研究テーマは「サッカーの試合中における選手交代のテクニック」で、監督の選手交代の采配を研究しています。2014年W杯のグループリーグ敗退国の選手交代に注目し、シュート成功
率、ボール支配率、パス成功率などさまざまなデータを分析し、理想の選手交代を導き出します。試合の流れ、選手の表情、スタジアムの気候なども判断材料です。その結果を名監督が率いる数チームのデータと比較します。代表チームやプロクラブの選手起用と一口に言っても、ユース世代の選手の起用も勝敗に大きく関係します。この研究成果を指導者が実践できるようにつなげていきたいです。
 溝畑先生は「俺のことは、潤の頭文字をとって『J(ジェイ)』と呼んでくれ」など気さくで、いつも冗談を言います。元ラガーマンでハートは熱く、一人ひとりに真摯に向き合ってくれます。私が進路に悩んだ時期には、何度も時間を割いて相談に乗ってくれました。
 スポーツ研究は人があってこそで、研究の対象者を思いやることが大事だと感じています。卒業後は銀行に就職しますが、どんな時でも研究で学んだ思いやりを忘れず頑張りたいです。

文学部 桑原 圭裕 ゼミ(関学ジャーナル245号 2014年7月1日)

桑原 圭裕 助教

桑原 圭裕 助教

くわばら・よしひろ 文学部助教。

愛媛県出身。関学大大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(芸術学)。専門は映像学。2014年から現職。芸術論(映像、演劇)、舞台文化論を担当。

私の研究課題

 映像学の分野で、特にアニメーションを中心に研究しています。「アニメ」が世界的人気を獲得すると同時に、その表現からはアニメーションの本質である「動き」が失われていることを問題視しています。しかし、見方によれば動かないアニメが一般化した背景には、日本の文化的性質に根差した固有の感性や習慣が深く関係していると想定し、「アニメ」表現の特異性を考察しています。現在は、1960年代以降に乱立するアニメスタジオで、「動かさない表現」がさまざまな発展を遂げて日本特有の作画技法として確立されていくまでの推移を追跡しています。

学生へのメッセージ

 私がゼミ生に求めていることは二つあります。一つは、とにかく作品に触れること。芸術は難しい学問です。美術館に通い詰めても、映画や演劇を何百本と見ても、分からないことだらけです。それでも、作品とじかに接することでしか得られない感覚こそが研究の始まりだと思います。
 もう一つは、いつも他人のことを思いやり、困っている人に手を差し伸べてあげること。そうすれば、いつか自分が困難に直面したときに助けてくれる人が現れるはずです。ゼミや部活動で心から信頼できる友人ができれば、何よりも一生の財産になると思います。

ゼミ生からのメッセージ

増田 咲紀さん(文学部4年生)

増田 咲紀さん

増田 咲紀さん

 桑原ゼミでは「演劇・映像」をテーマに、映画、特殊メーク、バレエなど各自が関心のあることを幅広く研究しています。
 授業は各回の担当者が研究分野を発表し、全員で議論します。私は「映画の長回し」について研究しています。長回しとはカメラの切り替えがなく、1カットの秒数が長いシーンのことです。現在は長回しがどのような映画やシーンでよく使われているのか、どんな効果があるのかなどを調べるため、さまざまな作品におけるカット数や1カットの秒数などのデータを収集しています。根気のいる作業ですが、幼い時から映画の長回しシーンがなぜか好きだったので、楽しく研究しています。私の考える長回しはヒューマン系やシリアス系の映画に多く、シーンではクライマックスに多い傾向が分かりました。まだまだ追究の余地がありますね。

   ゼミの風景

   ゼミの風景

 桑原ゼミの特徴は、みんなが好きな分野を自由かつ徹底的に研究していることです。他の人の発表を聞いて、自分の知らない知識や考えを吸収できています。桑原ゼミは、各自が専門分野に特化した「オタク」の集団ですね(笑)。また、劇場や美術館など学外に出ていくことも特徴の一つです。5月にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行き、映画のロケ地が再現されている場所で研究しました。
 桑原先生は、どんな分野の研究でも的確に指導してくれる知識が豊富な先生です。とにかく自由で、私たちの「やりたい」という自主性を引き出してくれます。さまざまな分野の大学院生を授業に連れてきて、先輩から刺激を受ける良い機会も与えてくれます。
また、親近感があり、プライベートな話でも盛り上がっていますね。
 ゼミでの活動や大学院生と触れることで、研究の醍醐味を実感しています。将来は大学院に進み、研究をさらに深めていきたいです。

教育学部藤井 恭子 ゼミ(関学ジャーナル244号 2014年5月15日)

藤井恭子准教授

藤井恭子准教授

ふじい・きょうこ 教育学部准教授。


1972年生まれ。筑波大学大学院心理学研究科博士課程修了、博士(心理学)。専門は生涯発達心理学で、特に青年期の対人関係、アイデンティティーの発達について研究。愛知教育大学で11年間教員養成に携わった後、2013年4月から現職。

私の研究課題

 生涯発達の中でも、特に青年期を対象として、友人との適度な心理的距離をめぐって生じる「ヤマアラシ・ジレンマ」と呼ばれる心理現象を、多変量解析を用いて分析してきました。もとはショーペンハウエルという哲学者の寓話から生まれた言葉ですが、現代では実際に他者と傷つけ合ったり寂しい思いをしたりする以前に、すでに個人の中に適度な距離が設定されていることが分かりました。そのため、「近づきたいが近づき過ぎたくない、離れたいが離れ過ぎたくない」という、よりセンシティブな心理現象として体験されているようです。最近では、この現象について、女性の友人関係の中での生涯発達を明らかにしています。

学生へのメッセージ

 「学ぶ」ということは、一片の知識を身につけることではなく、皆さんの中で何かが「変わる」ことです。その変化は劇的な瞬間であることもあれば、長い年月を経て熟成されて現れることもあります。そして、生涯発達全体から言えば、青年期はいわば人生の重心です。自分の意志で生き方を決めていこうという試みは、明るさやエネルギーばかりでなく、暗さや悩みももたらすことでしょう。ただし、その葛藤に向き合った分だけ、足腰の強いアイデンティティーをつかめるようになるはずです。人間の一生とはどんなものなのか、いかにして成熟へと向かうのか、その歩みの道標として生涯発達心理学を学んでいただきたいと思います。

ゼミ生からのメッセージ

松村 朋季さん(教育学部4年生)

松村 朋季さん

松村 朋季さん

 藤井ゼミでは発達心理学をテーマに、教育や心理に関して幅広く研究しています。
 
 3年生の春学期は、各自が興味を持った論文について調べて発表しました。私は「親が作る食事が子どもの精神的な成長にどう影響するか」を発表。手作りの料理を一緒に食べることが子どもの感性を育てることに大きく貢献していることが分かりました。秋学期は、心理学の調査・分析方法を学びました。これまで漠然とイメージしてきた人の心理を、数値化して正しく導き出せるので楽しいです。 
 4年生では卒論の執筆に取り組みます。私のテーマは「小学校における道徳教育の実践的検討」です。実際に教育現場に行き、道徳の授業中の子どもの反応や子どもが道徳の授業を実生活でどう生かしているかなどを調査・分析しています。

サロン・ド・キョウコの様子

サロン・ド・キョウコの様子

 藤井先生は学生の成長を第一に考え、優しさと厳しさを巧みに使いこなす憧れの教育者です。卒論を人生の礎にしなさいという意味の「研究は人生だ」や、読み手が分かりやすい論文に仕上げなさいという意味の「論文はラブレターだ」など、ゼミ生の記憶に刻まれるさまざまなフレーズを言ってくれます。やる気に火をつけるのがうまいですね。
 ゼミの魅力の一つは、藤井先生が主催する勉強会です。その名も「サロン・ド・キョウコ」。春休み中に週1回集まり、教育や心理学に関するテーマを討論しました。教育時事など幅広い知識が身につくだけでなく、自分なりの教育観が明確になりました。また、何気ない話題で藤井先生とゼミ生が語り尽くす「しっぽり会」という交流会もあります。みんな藤井先生の世界観に引き込まれています。
 将来は、道徳に力を入れ、授業で児童を引きつけることのできる小学校教諭になりたいです。

過去の同コーナーは下記リンクよりご覧ください。

2011年度~2013年度

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