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厚生労働省
植田 博信(うえだ ひろのぶ)さん

[ 編集者:神戸三田キャンパス   2008年11月11日 更新  ]

数理科学を活かしてこの国の福祉を支えたい。

今まで証明されていなかった定理を発見し、証明できたときの充実感。

 

 「人」と「数学」をこよなく愛する行政官。それが、私の理想です。現在、公的年金制度をどう運営していくべきかという問題に対して企画立案したり、巨大なシステムを用いて将来にわたる保険料収入や給付費のシミュレーションを行い、年金財政を検証する重要な仕事を担当しています。給付や負担の将来推計は科学的根拠に基づく必要があり、関学で学んだ数理科学の知識が活かされています。実は、当初は公務員の仕事の中に数理科学を活かせる場があるとは知りませんでした。数理科学の出身者というと、情報系企業や研究職など就職先が限られている印象がありますが、保険や金融、社会保障政策など、近年活躍の場は確実に広がっています。
 私が携わっている仕事には、科学的な分析をもとに冷静に議論することが必要ですが、一方で、血の通った制度にするには、国民生活の現状を広い視野で捉えることが大切です。必要なのは、Cool Head(冷静な頭脳)とWarm Heart(温かい心情)。そのベースとなっているのが、関学で養った「論理的思考力」と「人間と社会への広い理解」なのです。

 

 関学では、篠原彌一研究室で「結び目理論」を研究。これは、その名のとおり、ひもの結び目の絡まり方を図形と捉えて分類の仕方などを研究する幾何学の一分野。この結び目理論で、ある1つの事柄について考え抜いた結果、それが定理として証明できた瞬間を今でも鮮明に覚えています。その瞬間は、このことについて一番詳しいのは自分だと思えること、その充実感こそ数学の醍醐味だと思いましたね。
 また、大学で学ぶ数学では、これまで「あたりまえ」と思ってきたことについても厳密な証明が求められ、説明に苦労する場面がありました。しかし、この経験から、公務員として仕事をする上で、世の中の制度や慣習の「あたりまえ」をあらためて考え直してみることの大切さを教えてもらったように感じています。

社会が求めるのは、経験の豊かさ。関学には、挑戦できるチャンスも多い。

 

 元来いろいろなことに興味を持つ性格の私は、専門以外にも幅広く学びました。教員免許も取得し、「キリスト教学」では数千年にわたる欧米諸国の精神にふれました。また、外国語は力を入れてマスターした分野。私が大学生の頃はまだ理系独自の英語プログラムはありませんでしたが、現在はネイティブの先生がより実践的な科学技術英語を教えてくれると聞き、うらやましい限りです。英語は、できればできるほど、社会で困らないですから。私自身、海外と日本の年金制度を比較するときなど、英語の文献を読む機会も多く、大学時代にもっと勉強しておけば良かったなと思うことがあります。

 

 最後に、ひと足早く社会に出た先輩としてメッセージを贈りたいと思います。理系の学生は自分の研究だけに没頭してしまいがちになる面がありますが、大学4年間は広い範囲にわたって興味を持ち、いろいろな経験をしてほしいということ。私自身がどんな後輩と一緒に仕事をしたいかと考えると、やはり人間としての奥行きや柔軟性がある人です。その点、関学は、学びはもちろん、留学プログラム、クラブやサークルなど、自分がやる気になればなんでも挑戦できるチャンスがあります。関学で学生時代にしかできない経験をたくさん積んで欲しいですね。

1998年 理学部(現理工学部)物理学科卒業

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