園長から「植物だより」(2014年10月)

せいわようちえん・植物だより

~どんぐり~

 宮澤賢治著の「どんぐりと山猫」の話はお好きですか?わたくしは、幼少の頃、母の語りでこの話を聴き、大好きになりました。宮澤賢治の話は、異国情緒を感じさせてくれたり、荒唐無稽な展開にドキドキされられたりと深く心に残っています。「セロ弾きのゴーシュ」「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」「よだかの星」・・・。
 特に、「どんぐりと山猫」を思い返すと、秋の草原に滑稽などんぐりたちが出てくるユニークな情景が頭に浮かびあがります。

 さて、その「どんぐり」といえば、日本には21種類の樹種があるのをご存知ですか?「どんぐり」とは、総称で木の名前ではありません。ブナ科の木の実で、「団栗」(どんぐり)とあて字されており、丸い栗に似ているブナ科の木の実を意味しております。聖和幼稚園にもクヌギ、アベマキ、カシワ、ウバメガシ、ミズナラ、コナラ、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシ、スダジイ、ツブラジイ、マテバシイ、シリブカガシ、ツクバネガシの14種が植わっています。移植してから15年以上経つのでどの「どんぐり」の木も、なり年(数年に一回どんぐりをたくさん落とす年)を持ち、毎年秋に子どもたちを喜ばせてくれています。もしゃもしゃ帽子(正式には殻斗・かくと)のクヌギやカシワ。細長くてきれいな縞模様のコナラ。調理して食べたら美味しいマテバシイ。おしりがへこんでいるシリブカガシ。などなど、個性豊かな「どんぐり」たちが今年の秋の庭にも落ちることでしょう。

 この夏、雲梯のある庭に草が繁茂しました。去年から畑で抜いた草を園庭に撒いていたので、草の種がこぼれ落ちたからのようです。なにか、この情景が、「どんぐりと山猫」の草原のようにも見えます。子どもたちが、ここで「どんぐり」を拾い集めて遊ぶその光景は、物語のように楽しく、魅力的な世界を展開することでしょう。お母様、お父様もぜひ、子どもたちと共に「どんぐり」の世界を楽しんでみてください。

(植物大好き園長:いずはら だい)
 
≪2012年度9月植物だより より≫


***【どんぐり】つづき***

 今年もすでにマテバシイやクヌギのどんぐりが落ち始め、子どもたちが喜んで拾い集めています。もしや洗濯の際にお子さんのポケットに「あら!どんぐりが!」というようなことはないでしょうか?そんなときは、ぜひ、お子さんに共感して声をかけてあげてください。「おかあさんも小さい頃にどんぐりをよく拾ったな」「わあ、おもしろい形のどんぐりがあるね!」「こんどみんなで(家族で)どんぐり拾いにいこうか!」などと。

 どんぐりを拾い集めて喜ぶこんな時期・人生で一番心の動く時期・幼少期ならではのことですよね。存分に拾って持って帰らせてあげてください。もし「どういうこと?!また、どんぐりがポケットに入ってたわよ!」と叱ったり、保護者の方が目を向けてくれなかったら、ここで子どもたちの好奇心・探究心の芽も摘まれてしまうことになりかねません。拾い集めてきたどんぐりを、大事にかごや箱に入れておくだけで、子どもは、またどんぐりをさわって遊びだしたり、形の違いに気づいて分類しだしたりします。ときにクヌギやコナラのどんぐりなどは、中からゾウムシ(頭部がゾウの鼻のような形をしている虫)の幼虫が出てきたりすることもあります。これこそ命にふれるチャンス、好奇心・探究心が育つチャンス。一緒にどんぐりを観察ケースに入れ、ゾウムシが幼虫から成虫に育つのを観察されてみるのはいかがですか!!昨今、幼稚園や保育園でも拾ってきたどんぐりを煮沸したり、洗剤で洗うなどしてこの幼虫が出てくる前に殺してしまうことも普通にあるようです。残念です。これでは、命の教育にはなりません。

このように周りにいる大人の対応で、子どもの好奇心・探究心の芽が摘まれたり、命を感じる機会が失われていることがあります。
どうです!この秋、お子さんといろいろなどんぐりを探してみませんか!ゾウムシの育て方も掲示板に貼っておきます(笑)。ぜひとも挑戦してみてください。うれしい報告をお持ちいたしております。
 
(植物大好き園長:いずはら だい)