保健だより(2014年2月)

インフルエンザ治療薬の使い分け

2014年2月3日

 今年もインフルエンザが流行してきました。そこで、今回はインフルエンザ治療薬について簡単に解説します。現在日本で一般的に使われているインフルエンザ治療薬は4種類あり、それぞれに特徴があります。効果、効能について、薬によってそれほど大きな差はないと思います。どれも100%効く物ではない事を理解してください。

まず共通した注意点は次の通りです。

薬の使用開始後48時間は、こどもさんの状態を十分に観察しておくこと。たとえ解熱していても、異常行動の可能性は残っている。
熱が出た翌日から5日間および熱が下がった翌日から3日間(小学生以上は2日間)は出席停止になる。イナビルやラピアクタを使い翌日に熱が下がっていても、熱が出た翌日から5日間は絶対に家にいなくてはならない。

◆タミフル
内服薬、広く使われており知名度は一番。
内服薬なので、服用法に問題が生じない。
10歳代には原則使用できない。とても広く使われているがために、最近耐性ウイルスの存在が報告されている。

◆リレンザ
吸入薬、タミフルの次に発売された。
B型に対してはタミフルより効果が少し高い。耐性ウイルスはあまり報告されていない。
吸入薬なので、5才以上でないとうまく吸えないかもしれない。喘息がある場合は発作を誘発する事がある。

◆イナビル
吸入薬、1回吸入で完了。
1回で済むので簡単。耐性ウイルスもあまり報告されていない。
その1回を失敗して熱が下がらなくても、他の薬は使えない。喘息がある場合は発作を誘発する事がある。

◆ラピアクタ
点滴薬、1回点滴で終了。
点滴なので内服や吸入ができないような全身状態の悪化している患者さんにはとても有効。
熱が下がるまでの時間は他の薬とそれほど差がない。乱用するとタミフルと同じように耐性ウイルスの増加が予想される。他の3剤がどうしても使えない時に使う薬剤であって、積極的には外来使用を推奨しないとの見解が日本小児科学会から出されている。

これでインフルエンザ治療薬の大まかな内容はわかっていただけたでしょうか?万が一インフルエンザにかかっても、慌てる必要はありません。夜間に急に熱が出た場合、一晩はカゼと同じような対応(十分なる水分摂取、38.5℃以上熱があって眠れない時は解熱剤を使用)をして、朝まで様子を見ても大丈夫です。
そして、一番大事なのは予防です。まずは予防接種を受けておき、この時期はいつもにもまして手洗いとうがいを励行しておきましょう。外出時のマスクはとても有効な予防法です。また、十分な栄養と規則正しい食事も大事ですね!

 

芦田 乃介 (関西学院 聖和幼稚園園医)