園長から「植物だより」(2014年1月)

せいわようちえん・植物だより

踏んでみる

 本園の砂場前にあるままごとができる円形のデッキは、ヒマラヤスギの幹を囲んでつくっています。このデッキは、子どもたちがヒマラヤスギの良い香りを感じながら、ゆったりと遊べたらと数年前につくりました。そして、今年このヒマラヤスギに大きな松かさがたくさん付き、落下するようになりました。ヒマラヤスギの松かさは、我々がよく目にするまつぼっくりとは違い、松かさの上部だけが先に落下し、下部(一片一片が種になっています)は少しずつ崩れ落ちてきます。上部はまるでバラの花のような形をしているので「シダー・ローズ」と呼ばれ、木の実愛好家などには珍重されています。下部の種の一片一片は硬く、デッキなどの硬い部分に落ちていると踏むだけで“パリパリ”と音をたてて割れていきます。この感触がじつに気持ちいいのです。

この「踏む」という行為も、もちろん五感をつかい、脳を発達させる・心を大いに動かす体験になります。

皆さんも幼少の頃に、木の実・木の葉・木の枝を踏んづけていい音がした!、気持ち良かった!などという経験はないでしょうか?
今、幼稚園の園庭にあるユリノキの葉っぱが落葉して乾燥しています。この葉っぱも踏むと“クシャ”という音がして葉が粉々になります(お茶のような香りがします)。クスノキの実も黒く実って落ちる頃で、踏むと“プチプチ”と音がしてこれもいい感触です。
昔は、霜柱を“ザクザク”と音をたてて踏みしめたり、稲刈り後の切株を踏んで遊んだり・・・踏む経験が身近な自然環境の中で存分にできました。ところが、現在このようなことは、大切な体験として教育(一般の幼児教育・学校教育)のプログラムには組み込まれていません。また、子どもたちがこのような体験ができる環境もありません。
しかし、聖和幼稚園では、これらの心を動かす体験として大事にしていきたいと存じます。ご家庭でも自然環境の中で、「踏む」ことで「気持ちいいね!」「いい音がする!」「いい香りがする!」・・・という体験を探してみてはいかがでしょうか。


 

(植物大好き園長:いずはら だい)