園長から「植物だより」(2013年9月)

せいわようちえん・植物だより

植物の香り

 この夏、畑の草刈りをしていると夏草の青い香りが広がりました。その時、ふと幼少の頃、炎天下の空き地で遊んでいる時に、夏草の香りが風に乗って漂ってきたことを思い出しました。あの草の香りを「草いきれ」と言います。

草いきれ 鉄材錆びて 積まれけり  杉田久女

 この句いいですね。原風景がよみがえります。

 このように植物が出す香りは、「フィトンチッド」といい、ざっくり言うと、植物自身が自分で自分の身を守るために出す消毒液の香りなのです。これを元々、森や草原に生きていた動物・人が嗅ぐと精神の恒常性を保ちます。現在、文明環境にどっぷりと身を置いている人も、遺伝核の中に森や草原の香りが自分たちの安心のできる環境の香りであると思うことは受け継がれています。だから、これだけ文明環境が発達しても、芳香剤に「森の香り」なるものを好んだり、アロマや檜風呂の香りを楽しんだりするのですね。
五感が鋭敏な幼児にとっても、この記憶にまで残る植物の香りを体験することはとても大事です。あそびの中で、葉っぱをさわったり、ちぎったり、つぶしたりという触覚を伴う嗅覚の体験は、長期記憶にも残り、脳の発達を促す体験にも繋がります。これこそ、幼児期の心が大いに動く時期に経験すべきことなのですね。

 この秋、キンモクセイの花びらをお子さんと拾ってポプリづくりをしたり、ままごとをしたりしてみませんか!秋にもいい香りの植物、個性的な香りの植物がたくさんあります。ぜひ、いろいろと探してみてください!


◆香りの強い秋の植物
キンモクセイ、ギンモクセイ、ヒイラギ、ヒイラギモクセイ、キク、マリーゴールド、クサギ、ヘクソカズラ、イチョウ(銀杏・かぶれるので気をつけて)などなど 他にもたくさんあります。香りの強い植物を見つけたら わたくしまで報告にきてくださいね。楽しみにしています!!!


 

(植物大好き園長:いずはら だい)