園長から「植物だより」(2012年9月)

せいわようちえん・植物だより

ススキ

 「中秋の名月」、芒(ススキ)や萩(ハギ)など秋の七草を飾るという、じつに情緒のある文化を持っています。日本は、その風土より四季折々、植物が身近に感じられ、植物を大切にした文化が受け継がれてきました。ところが、この数十年で、文明環境に重きが置かれた生活様式の中で、人は自然・植物から遠ざかるようになりました。まさにこのことが顕著なのは、子どもたちの遊びの中で植物にふれる経験が激減したことです。保護者の皆様は、幼少の頃、日常的に、自主的に、自由に木の実や草花をちぎったり、つぶしたりする遊びをしませんでしたか?
 しかし、今の子どもたちは、このような経験が十分にできる環境と機会を与えられていません。だから、感性を豊かにすること、科学性の芽を育むこと、脳を発達させること・・・生きる力に繋がる育ちの減退が見られるようになってきたのです。
 先日、大学の学生に「ススキの矢飛ばし」という遊びを教えました。すると、そこにいた大半の学生がススキで手を切ったのです。もちろん、ススキの葉で手が切れるという経験がないこの学生たちには、前知識としてさわり方のレクチャーをしたのですが、それでも切ってしまうのです。つまり、五感が一番鋭敏な幼少期にこれらの自然・植物にふれていないことで、このような小さな危険回避能力すらも育っていないのです。

 ぜひ、子どもたちに五感を大いに使う自然・植物あそびをさせてあげたいですね。生きる力の源泉が育まれますように。

ちなみに秋の七草は、①「女郎花」(オミナエシ)、②「尾花」(オバナ・ススキのこと)、③「桔梗」(キキョウ)、④「撫子」(ナデシコ)、⑤「藤袴」(フジバカマ)、⑥「葛」(クズ)、⑦「萩」(ハギ)。春の七草とちがい、直接食に繋がるものは少ないのですが、どんな花か探してみるのもおもしろいです。そして、これらにふれて遊びもご家族でぜひ!この秋に!
 

(植物大好き園長:いずはら だい)