園長から「植物だより」(2012年3月)

せいわようちえん・植物だより

薬になる植物

 先月、植物だよりにて「有毒植物」について書きました。身近なところにある毒の植物も、正しい知識を持って扱えば、愛おしい植物、親しめる植物になります。また、これら有毒植物の多くは、薬としても活用されてきました(昔は特に)。たとえば、毒の植物として有名な「彼岸花・ヒガンバナ」は、かつて去痰(きょたん)薬として用いたり、根の部分(鱗茎)はすりおろして布で包み冷湿布として用いたようです。前回、詳説した強毒・キョウチクトウも昔は心臓病の薬として利用されていました。
 他にも聖和幼稚園にある植物で薬として用いられている植物は、クマザサ(口内炎、胃炎)、イチョウ(咳、夜尿症)、ショウブ(鎮痛、咳、食欲不振)、ツユクサ(湿疹、かぶれ)、ノビル(食欲不振、虫さされ)、ヤブラン(咳)、ヤマノイモ(疲労回復)、ドクダミ(皮膚炎、高血圧、利尿)、ヤマモモ(打ち身、下痢、湿疹)、ヤマグワ(冷え性、不眠症)、イチジク(便秘、神経痛、いぼ)、イノコズチ(虫さされ)、アケビ(むくみ)、ナンテン(咳、かぶれ)、コブシ(鼻炎、花粉症)、ニッケイ(食欲不振)、クロモジ(皮膚病、リウマチ)、ゲッケイジュ(神経痛)、ナズナ(解熱、目の充血)、アジサイ(解熱)、ノイバラ(にきび、腫れもの)、アンズ(咳、たん)、ウメ(整腸、解熱)、モモ(あせも、湿疹)、ユスラウメ(疲労回復、滋養)、ソメイヨシノ(腫れもの、咳)、ビワ(打ち身、捻挫、健胃)、ボケ(暑気あたり)、カリン(喉の痛み)、アカツメクサ(風邪、おでき)、フジ(便秘)、キンカン(風邪、解熱、咳)、センダン(整腸、しもやけ)、アカメガシワ(腫れもの、あせも)、トチノキ(止血)、ノブドウ(関節炎)、ヤブガラシ(虫さされ)、ムクゲ(胃腸炎)、アオギリ(咳、口内炎)、ジンチョウゲ(喉の痛み)、アオキ(やけど)、カキ(高血圧)、ネズミモチ(虚弱体質)、キンモクセイ(健胃)、レンギョウ(解毒)、クチナシ(消炎)、ヘクソカズラ(あかぎれ)、オオバコ(咳、利尿)、オナモミ(あせも、ただれ、蓄膿症)、フジバカマ(肩こり)、シオン(咳)、ハハコグサ(むくみ)、ツワブキ(おでき、健胃)、ヨモギ(歯痛、あせも、神経痛)、タンポポ(健胃)、ザクロ(歯痛)などなど・・・。
 ざっとこんな感じで、身近にこんなに薬になる植物があります。そして、これらの中に有毒植物も多く含まれますが、人は自然・植物に親しんだ歴史の中で「生きる力」に繋げる術を巧みに見出してきたのでしょう。自然環境から身を遠ざけてきた現在、これらの「生きる力」に繋がることから離れてきたかもしれません。だからこそ、子どもたちには、幼少期に自然にふれ、「生きる力」の源泉を育んでほしいと願うばかりです。「あっタンポポ、これ薬にもなるんだって!」と子どもたちと身近な植物にふれてみてください。ぜひぜひ!

(植物大好き園長:いずはら だい)