園長から「植物だより」(2012年1月)

せいわようちえん・植物だより

お正月の植物

 近年、お正月の飾りもあまり見られなくなりました。聖和幼稚園は、キリスト教の幼稚園なので「しめなわ」などのお飾りをしませんが、年末、近隣の門構えに門松が置かれたり、注連縄の飾りを見ると情緒を感じます。お正月の「十飾り」とは、①ゆずり葉、②橙、③裏白、④ところ、⑤熨斗(のし)、⑥炭、
⑦昆布、⑧串柿、⑨蝦(えび)、⑩かち栗のことをいいます。植物と密接な文化を有してきた日本は、このようにお正月の飾りの中にも多くの植物を用いています。
「ゆずり葉」は、新しい葉が生長してから古い葉が落ちるということから、子孫への繋がりを大切にという願いが込められています。「橙」(だいだい)は、代々の繁栄を意味します。シダ植物の「裏白」(うらじろ)は、うしろ暗いところなく育つことや、シダの葉が双方にバランスよく育つことより父・母相生・長生きを願っています。「ところ」(野老)は、ヤマイモ科の根茎なのですが、その根が老人の髭に似ていることから長寿を願っています。「炭」は、住み良い地になるようにとの願いです。「昆布」は、文字通り「よろこ(ん)ぶ」。「串柿」は、宝をかき寄せるの意味です。「かち栗」は、欲を制して自分に克つことを願っています。
お正月の植物一つをとっても、日本の文化の中に生きる人・家族・命を大切にする祈り、願いが込められています。昨今、このような文化の継承はなされなくなってきましたが、人・家族・命を大切にする心はしっかりと受け継ぎたいと思います。

追記、他にも「ハボタン」→愛を包む。「フクジュソウ」→福を呼ぶ。松、竹、梅にナンテンなど・・・。お正月に飾られる植物を子どもたちと探して、昔の人がどのような願い、祈りを込めたのかを調べてみるのもいいですね。
 

(植物大好き園長:いずはら だい)