園長から「植物だより」(2012年2月)

せいわようちえん・植物だより

有毒植物・キョウチクトウについて

 12月にナンテンの毒について少しふれました。これが思いのほか、皆さんからの反響が大きくて驚きました(この「植物だより」を読んでくださる方がおられることに喜びを感じています)。「ナンテンって食べられると思っていました」「きれいな実なのに毒があるのですね」「ナンテンの毒のことは知っていました」などなど、そして、「子どもにはふれさせないようにします」と言われたケースもありましたので、もう一度有毒植物についてふれておきます。

 幼少の頃、ある日、近所の空き地に生えていたキョウチクトウの木の枝を折って遊びに使っていました。キョウチクトウは、枝がまっすぐ伸び、葉っぱも肉厚で魅力的だったもので、ついつい折って遊んでいたのですが、この時、近所のおじさんが大きな声で「おい!そのキョウチクトウの木はさわったらあかん!」と怒られました。「これにはすごい毒があるんや!」ときつく言われたので、恐怖を感じたことを記憶しています。帰宅後、祖母にキョウチクトウを折って怒られたことを話すと祖母は、キョウチクトウの毒について次のような話をしてくれました。

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 昔、お百姓さんがお昼のお弁当を食べようと思ったら“あれっお箸を忘れた!”と、困り果てた時に目に入ったのがキョウチクトウの木。「あっお箸みたいな枝があるぞ」と、お百姓さんはポキポキとキョウチクトウの枝を折り、お箸代わりに使ってお弁当を食べました。すると、そのお百姓さんはキョウチクトウの毒でたちまち亡くなってしまいました(おそらく創作・伝承の話)。
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 祖母は、この話をしてキョウチクトウにはふれてはいけないよ、と教えてくれました。この体験を通して私は、植物から遠ざかったのではなく、「これには毒があるんや!」「なんでも(植物の)なめたらいけないな」と思うようになりました。だからより植物に深く親しめるようになったのです。
 昔は、こんな知識を伝えてくれる人が地域にたくさんいました。昨今、日本中で有毒植物の誤食による事件が多発しています(山菜採りなどで)。各県のホームページなどには、その警告の情報も流されているほどです。まさに、人は自然の一員として幼少期の五感が鋭敏な時期に自然にふれ、そして、大人から子どもに「生きる力」に繋がる知識が伝達されるべきなのですが、近年、このようなことに価値がおかれず、逆に「生きる力」を減退させてしまっているのです。だから、折にふれ、本園ではこのようなことも子どもたちに伝えています。

 日本には、有毒植物が2000種類ほどありますが、命にかかわるような強い毒がある植物は数えられるほどです。ぜひ、子どもたちも有毒植物のことを知って、植物・自然に親しみ、「生きる力」に繋げてほしいなと願っています。

追記、キョウチクトウは、夏に白、赤、桃色のきれいな花が咲き観賞するには楽しい樹木です。公害に強く、また、水、肥料をあまりやらなくても枯れず、非常に強い植物としてよく公園、教育施設にも植えられています(本園にはありません)。身近にあるだけに気をつけなくてはなりませんね。幼児が葉っぱをかじったり、食べたりすることで心臓麻痺や呼吸困難を起こします。樹液が目に入ると失明することもあります。だから、これらの知識を知っておくことが大切ですね。

 さて、ここで問題です。
 次の中、有毒植物はどれでしょう?

①アサガオ ②ヒマワリ ③ヒヤシンス ④ヒガンバナ ⑤チューリップ

答えは、出原に訊ねてみてください。
 

(植物大好き園長:いずはら だい)