「Our College Motto,“Mastery for Service”の新訳について

[ 編集者:総合企画部  2011年11月17日 更新 ]

 関西学院のスクールモットーである“Mastery for Service”は、C.J.L.ベーツ第4代院長が1912年に新設された高等学部で学部長に就任した直後から提唱し、その後、学院全体のスクールモットーとして定着したものです。それから100年近くの間、関西学院の建学の精神、キリスト教主義教育の象徴として、教職員、同窓生、学生が共有してきました。
 その長い歴史の中で、この句の意味を説明する際に用いられてきたのが、1915年、『商光』創刊号に掲載されたベーツ院長の講演論説「Our College Motto,“Mastery for Service”」です。掲載時は英語文だけで、日本語訳が公式に出されたのは、現存する資料においては『開校四十年記念関西学院史』(1929年)が初出であり、『関西学院七十年史』(1959年)において文末表現などを時代に合わせて変化させたものが掲載され、以後、原文とともに日本語訳の文章が学内の文書・資料に利用されてきました。

 しかし、この日本語訳は、初出の段階から原文における5つの重要な箇所の訳が省略されているほか、現在の学生・生徒にとってはやや難解な表現が少なからず含まれています。また、当時は関西学院が男子校であったことから呼びかけとして「Man」が多く使われていて、現代においてはジェンダーの観点から違和感を持つ構成員がいることや、省略された部分への理解不足から「職業差別がある」との誤解が生まれたことなどもあり、あまり利用されなくなって構成員が触れる機会が減ってしまっていました。

 本学は、この16年間で急速に規模を拡大し、上ヶ原1つだったキャンパスは7つに増え、大学も7学部から11学部1独立大学院2専門職大学院へ、学生・生徒数も1万7千人から2万6千人へ、教職員の数も倍近くに変化してきています。
 こうした状況の中で、ミッション展開推進委員会では、本学が共有すべき価値観を再認識するとともに、大学生、初等・中等教育の生徒、教職員、同窓生など広い意味での構成員が、スクールモットーの意味をより深く理解するための一助として、それを提唱されたベーツ第4代院長自身による講演論説「Our College Motto,“Mastery for Service”」全文の分かりやすい現代語訳(新訳)を作成することとしました。

 本事業は2011年になって作業が始まり、本学の歴史に精通した英語の専門家が複数の教員の協力を得て原案を作成し、その原案をさらに、歴史的な視点、キリスト教の視点、英語の視点などから学内で適任と思われる13人の専門の方々に見ていただいてご意見をお聴きしたうえで、ミッション展開推進委員会が作業グループを編成して委員会としての新訳案を完成させました。新訳案の作成にあたっては、歴史的な文書であることから翻訳の正確さを守りつつ、多くの構成員に分かりやすいものとなるよう最大限、努めました。
 その後、新訳案を学内に公開し、「パブリックコメント」の手法をとって教職員の方々のご意見をお聞きし、新基本構想推進委員会でも委員のご意見をお聞きして最終的に新訳が完成いたしました。
 もとより本学は、新基本構想においても、性別、人種、文化、宗教、民族、国家など多様性を尊重する<垣根のない学びと探究の共同体>をめざすことを宣言しております。
 改めて新訳作成にご尽力いただいた方々に深く感謝を申し上げますとともに、新訳完成を機会に多くの方々がベーツ先生の文書を日本語訳だけでなく英文でもじっくりと読んでいただき、私たちのスクールモットーについて理解を深めていただけたら幸いです。

2011年11月16日
ミッション展開推進委員会
(委員長 ルース・M・グルーベル)