応用心理科学研究センター
K.G.
2021.02.19[研究活動・イベント]

第44回KG CAPS研究会 大隅尚広 先生 (人間環境大学)

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講演者: 大隅尚広 先生(人間環境大学)

日 時: 2021年2月19日(金)10:00~12:00

場 所: オンライン(参加者にはZoomのURLをメールでご案内いたします)

講演タイトル:サイコパスは恐れを知らない人なのか

要旨: 犯罪のリスク要因としてサイコパシーと呼ばれるパーソナリティ障害が挙げられる。サイコパシーの犯罪者における再犯率は高く,適切なプログラムを用いた臨床的対応が必要になると言われている。そのようなプログラムを開発するためには,サイコパシーにおける行動や認知機能の特徴を実証的根拠に基づいて把握していく必要がある。サイコパシーの問題の中核に関する議論の中には「防御システム(恐怖)の機能低下」と「暴力抑制システムの機能低下」という2つの仮説がある。前者では,脅威を予期させる信号に鈍感であるために,罰の対象となる規範逸脱行動を抑制できないと説明される。後者では,他者のディストレスを知らせる信号(たとえば恐怖の顔表情)に鈍感であるために,他者が苦しむ行動を繰り返すと説明される。これらは互いに排他的ではないが,表情認知に関する研究は暴力抑制システムの問題を支持する一方で,防御システムの問題については否定的な見方を提供する。たとえば,サイコパシーは恐怖の顔表情の認識に問題を呈するが,他者からの攻撃(罰)を予期させる怒り表情の認識については問題が見られない。このような背景をふまえ,本発表ではこれら2つの仮説について精査するために,罰せられる可能性に対する応答性,怒り表情の意味処理,恐怖表情の検出に関して,サイコパシーのアナログ研究の成果を報告する。