単一分子振動分光研究センター

[ 編集者:研究推進社会連携機構       2015年7月10日   更新  ]

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業:2009年度〜2013年度

本プロジェクトの目的は、表面増強ラマン散乱(Surface-enhanced Raman Scattering; SERS)のメカニズムを明らかにすること、また、それに基づいて超高感度生体分光分析法を創案することにあります。本研究は、近年レーザー光源、光検出器などの進歩により、目覚ましい発展を遂げつつある光物理化学を中心とし、物理化学、ナノサイエンス、生命科学、分光学、分析化学といった多分野にまたがる学際的研究といえます。また、本プロジェクトの研究で注目されるもう1つの点は、基礎研究(表面増強ラマン散乱のメカニズム解明)から応用研究(生体物質の超高感度分析)までを含んでおり、境界領域の発展にも貢献できる可能性を秘めているということです。

母体となる組織

単一分子振動分光研究センター

研究プロジェクト名

表面増強ラマン散乱のメカニズム解明とそれに基づく超高感度生体分光分析

代表者

尾崎 幸洋(理工学研究科 教授)

研究者

玉井 尚登(理工学研究科 教授)
田辺 陽 (理工学研究科 教授)
小笠原一禎(理工学研究科 教授)
金子 忠昭(理工学研究科 教授)
佐藤 英俊(理工学研究科 准教授)
坂上 潔 (理工学研究科 准教授)
羽村 季之(理工学研究科 准教授)
山田 淳 (九州大学大学院 工学研究院 教授)
伊藤 民武((独)産業技術総合研究所 健康工学研究センター 研究員)
Zhong-Qun Tian(中国Xiamen大学 化学科 教授)
Kim Kwan (韓国 ソウル大学 化学科 教授)
Martin Moskovits(米国 カリフォルニア大学 化学科 教授)

研究目的・特色

 

最近、表面増強ラマン散乱分光法が非常な注目を集めている。その理由は3つある。1つ目は、表面増強ラマン散乱(Surface-enhanced Raman Scattering; SERS)を用いると単一分子からも振動スペクトルの測定が可能なこと。2つ目は、超高感度な分析法を構築する事が期待できること。3つ目は、ナノサイエンス・ナノテクノロジーの強力な評価手法になりうることである。本研究の目的は、このSERSのメカニズムを明らかにすることと、それに基づいて超高感度生体分光分析法を創案することである。本研究の意義は、単一分子から振動スペクトル測定が可能であるという基礎研究において極めて重要な現象の解明に貢献できるということと、これまでにない選択性に優れた非破壊の超高感度生体分光分析システムを構築することにある。

期待される効果

1)SERSのメカニズムが解明されることにより、単一分子のスペクトル測定が容易になり、それによって単一分子の構造やダイナミクス等を研究する新しい手法が発展する可能性がある。

2)SERSを用いたクリーンな超高感度生体分光分析が可能となり、これまでに無い新しいタイプの生体分光分析法が出現し、生命科学分野において用いられる可能性がある。

3)SERS法はナノテクノロジーにおけるナノマテリアルの構造物性評価法、イメージング法として極めて有力であるが、本研究の進歩により、それが実際に使える可能性が出てくる。