錯体分子素子研究センター

[ 編集者:研究推進社会連携機構       2015年7月10日   更新  ]

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業:2010年度~2014年度

錯体分子素子研究センターは、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業のオープン・リサーチ・センター整備事業採択(平成16年度~20年度)に伴い、本理工学研究科に設置された同研究センターを母体としている。本研究センターでは、無機化合物と有機化合物の複合体である金属錯体を錯体分子素子として捉え、磁気・分光・液晶・吸着などの金属錯体に特有の機能性を追究して来たが、戦略的研究基盤を構築するにあたり、錯体分子が持つ磁気特性に焦点を当て、これまでのメンバーに加えて金属錯体の磁性理論や有機合成に強い新たなメンバーが参画し、研究推進のパワーアップを図っている。

母体となる組織

錯体分子素子研究センター

研究プロジェクト名

新規分子磁性化合物の探索

代表者

御厨 正博(理工学研究科 教授)

研究者

矢ヶ崎 篤(理工学研究科 教授)
山田 英俊(理工学研究科 教授)
壷井 基裕(理工学研究科 准教授)
田辺 陽 (理工学研究科 教授)
小笠原一禎(理工学研究科 教授)
羽村 季之(理工学研究科 准教授)
勝村 成雄(理工学研究科 教授)
半田 真 (島根大学 総合理工学部 教授)
安里 英治(琉球大学 理学部 教授)
崎山 博史(山形大学 理学部 准教授)
小寺 孝範(花王株式会社 主任研究員)
Dominique Luneau(フランス リヨン大学 教授)

研究目的・特色

本プロジェクトでは、化学者の立場から磁性材料として有望な新規化合物を見出すために、広い視野で新しい分子磁性化合物を探索し、新規磁性材料化合物を提言することを目的とする。これまで磁性材料と言えば磁鉄鉱関連の鉄酸化物や希土類合金等が知られて来たが、近年、磁性分子を三次元空間に配列・集積化することにより鉄酸化物等と同様の磁力を持つ分子磁性化合物を作り出す試みがなされている。分子磁性化合物は分子設計による磁気特性の制御が可能であるため、光スイッチング等の新機能を組み込むことができる等、従来の磁性材料にはない魅力的な利点が期待されているが、極低温でしか磁石として振る舞わない等の多くの課題も残されており、そのような問題点を克服した新規分子磁性化合物の開発が望まれる。本研究では無機化学から有機化学に至るまで広範囲の合成化学者が参加、結集することによってこれらの課題解決へ向けたブレークスルーとなるような分子磁性化合物の発見を目指し、化学の発展に寄与したい。

期待される効果

本研究の遂行により新規分子磁性化合物が次々と合成され、従来の分子磁性化合物が克服できなかった磁気転移温度の向上等磁性材料への問題点克服の糸口が見出されることや学術的に価値のある新規化合物の創出が期待される。また、理論的にも興味がもたれるスピングラス現象等の新しい基礎的情報やスイッチング機能を有する磁性材料、超高密度磁気メモリー材料、量子コンピューターデバイス等の応用的方面へ向けた成果も期待される。

 

ルテニウム二核をベースとした鎖状錯体の単結晶。磁気特性と液晶性を合わせ持つ。

 

錯体分子は、磁石に似たような保持力を示し、分子素子としての可能性を持っている。

 

スピン平衡現象は、錯体分子に特徴的な磁気特性のひとつであり、磁気スイッチングなどの応用が期待される。