環境順応型ネットワーク研究センター

[ 編集者:研究推進社会連携機構       2015年7月10日   更新  ]

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業:2010年度~2014年度

本プロジェクトの目的は、通信が寸断されるような劣通信環境でも動作する情報通信ネットワーク基盤に関する研究を行います。
現在の情報通信ネットワークは広帯域・高機能化を目指しして技術革新が行われていますが、震災時などの劣通信環境においてはその機能がほとんど発揮できないことが予想されます。本研究では複数の通信端末が自律分散的に通信を行うアドホックネットワークを基盤として、物理層から応用層に至る総合的な通信方式の開発とその評価を行います。本研究の成果は、既存のネットワーク基盤が十分に整備されていない中山間地域や発展途上国での簡易通信基盤、動植物の生態調査、IT農業、分散型監視カメラ、マルチロボットなどへの応用が期待されます。

母体となる組織

環境順応型ネットワーク研究センター

研究プロジェクト名

劣通信環境下でのアドホック情報通信ネットワーク基盤に関する研究

代表者

北村 泰彦(理工学研究科 教授)

研究者

多賀 登喜雄(理工学研究科 教授)
巳波 弘佳 (理工学研究科 准教授)
井坂 元彦 (理工学研究科 准教授)
岡田 孝  (理工学研究科 教授)
石浦 菜岐佐(理工学研究科 教授)
高橋 和子 (理工学研究科 教授)
早藤 貴範 (理工学研究科 教授)
西谷 滋人 (理工学研究科 教授)

研究目的・特色

現在の情報通信ネットワークは広帯域・高機能化を目指して、技術革新が行われている。その一方で、震災などの災害時にはネットワークが寸断されたり、輻輳するなど、平常時に想定されている高度な機能がほとんど発揮できないことが予想される。本プロジェクトでは、災害時などの劣通信環境下においても機能する新たなアドホック情報通信ネットワーク基盤に関する研究として、物理層から応用層に至る総合的な通信方式の開発とその評価を行う。物理層では劣通信環境下でも最低限の通信を行うために必要なアドホック無線通信網の構成法、データリンク層では通信データの消失に対処する高信頼符号化手法、ネットワーク・トランスポート層では断続的な通信に対処するデータ蓄積交換方式の研究を行う。応用層では、劣通信環境下であっても必要な情報を、利用者の間で安全に効率よく交換するためのセキュリティを考慮した自律分散的情報配送機構を研究する。アドホック無線通信網プロトタイプの開発とともに、災害時のシミュレーション実験を通して、本ネットワーク基盤の有効性を実証する。

期待される効果

本研究は、従来の高速通信ネットワークの利用が困難な状況下でも機能する劣環境情報通信ネットワーク基盤の開発を研究の目標としている。本研究成果の主な応用分野は震災などの災害時における情報通信ネットワークである。災害時には、人々は道路網等の寸断などにより物理的に孤立するだけでなく、通信網の寸断などにより必要な情報が行き渡らず、さらに不安や危険が増加するという問題がある。本研究の成果により、電池などの低電力で動作する無線通信装置をネットワーク化することが可能になり、被災地における人々の情報交換を支援できることが期待される。このような劣環境ネットワーク基盤は震災時だけでなく、既存のネットワーク基盤が十分に整備されていない、中山間地域や発展途上国の簡易通信基盤としても機能する。また一種のセンサネットワークとして、動植物の生態調査、IT農業、分散型監視カメラ、マルチロボット等にも応用することができる。本研究は広帯域・高性能ネットワークを目指す従来のアプローチと異なり、先導的な研究成果を生み出すことが期待される。