生命環境科学研究センター

[ 編集者:研究推進社会連携機構       2015年7月10日   更新  ]

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業:2010年度~2014年度

当該研究センターにおいては、脳の発達に影響を及ぼすような環境因子の検出法の開発及びそれらが生体に及ぼす影響の分子メカニズムを解明することを目指す。これまで、環境化学物質が生物の繁殖などに影響を及ぼすことが明らかにされ、それらは内分泌かく乱化学物質とよばれている。本研究においては、これらのいわゆる化学物質ストレスが発生過程に於いて、脳の形成に影響を与えている可能性を検討するものである。

母体となる組織

生命環境科学研究センター

研究プロジェクト名

脳神経系発達に影響を及ぼす環境化学物質及びガス因子の作用機序解明とそのセンシング技術の開発

代表者

今岡 進(理工学研究科 教授)

研究者

関  由行(理工学研究科 専任講師)
工藤 卓 (理工学研究科 准教授)
勝村 成雄(理工学研究科 教授)
藤原 伸介(理工学研究科 教授)
松田 祐介(理工学研究科 教授)
佐藤 英俊(理工学研究科 准教授)
田中 克典(理工学研究科 教授)
西脇 清二(理工学研究科 教授)
岡田 孝 (理工学研究科 教授)
榎本 秀樹(独)理化学研究所 チームリーダー)
深瀬 浩一(大阪大学大学院理学研究科 教授)
太田 茂 (広島大学大学院医歯薬学総合研究科 教授)
Toyoko Hiroi(米国 ジョンズ・ホプキンス大学 研究員)
Douglas Borchman(米国 ルイビル大学 教授)

研究目的・特色

 

胎児期及び幼児期は、環境からの化学物質の影響に対して極めて脆弱な時期である。特に、脳神経系への影響は重大で、明白な精神発達遅延などの症状が現れなくても、脳の機能のほんのわずかな変化で、社会活動や経済活動に影響を及ぼすかもしれない。例えば、最近の子供や若者の異常行動による殺人や反社会的行動が増えているが、これは必ずしも社会のシステムの問題ばかりではないと考えられる。実際に動物実験において、妊娠マウスに環境化学物質を暴露すると生まれてきた仔に多動などの行動異常が現れることが報告されている。しかし、これまでの研究においては、この事実を証明できるだけの成果の蓄積がなく、またこれらの異常を検出するための評価系も十分に確立していない。当該研究において、脳神経系に対して化学物質の影響を検出できる新しい評価系を開発し、化学物質の影響についてそのリスクを予測する系を作ることを目的とする。

期待される効果

日本においてここ数年来、自閉症、学習障害、多動症などの障害児の増加が著しく、社会問題となりつつあるがその原因は明らかでない。一方、社会が高齢化して、痴呆症など脳機能障害を持つ老人も増えている。現在、この原因を究明すべく調査が開始されたが、可能性の一つとして環境化学物質による汚染が考えられている。当該研究は、この社会問題を解決する糸口になると考えている。医学部等において同様の検討はなされつつあるが、本研究においては、理工学部の特徴を生かして、生物学的な取り組みと工学的手法を用いてそれを検出する方法論の開発を行うという特徴を有している。これらの問題が、環境化学物質によってどのような機構で引き起こされているのかを解明することは、これらの社会問題を解決する上で極めて有効なアプローチとなる。将来を担う子供を心身ともに健全に育てることは、教育、医療、福祉すべてに渡って大きく貢献できると考えている。