2019.3.20 3学期終業式講話『今を誠実に輝いて生きよう』

2019年3月20日 更新

2019年3月20日  中学部長 安田栄三

 三年生が立派に卒業し、新たな歴史の一ページがまた始まる。卒業式のみんなの態度は本当に立派だった。後ろから響いてきた賛美歌の声にも心が震えた。卒業式の手伝いをお願いした二年生の誠実な姿にも感銘を受けた。

 三学期に行われた生徒会の立会演説会でのみんなの演説も立派だった。生徒全員の前で演説をしてくれたすべてのみんなに感謝したい。食堂の後片付けを毎日やってくれている生徒たちもいる。本当に毎日頭が下がる思いだ。そんなみんなだから、これからも無条件でみんなを信頼していたい。最上級生の姿で学校の雰囲気は決まる。自信を持って、上級生は下級生を引っ張ってあげてほしい。

 一年生はこの一年間、大きく成長した。明るい元気な挨拶をしてくれる子が沢山いる。二年生になっても、この調子で学校生活、そしてすべての授業でしっかり勉強してほしい。後輩も入ってくる。自信をもって「先輩」と呼んでもらえるよう、頑張ってほしい。

 先日、高等部を卒業した生徒が訪ねてきてくれた。その子は中学部を卒業した後、自分の夢に向かってしっかり勉強し、非常に狭き門である大阪大学の外国語学部に進んだ。吹奏楽部の先輩で、同級生や下級生からも慕われ、いつも明るい心のこもった挨拶ができる生徒であった。  また、剣道を一生懸命に頑張ってきた生徒で、大学は東京の方に進む生徒もいる。その子も誠実さあふれる立派な生徒であった。二人とも、高校時代にしっかりと勉強に取り組んだ様子が、自信と謙虚さに満ち溢れた表情からわかる。素晴らしい挨拶ができる、それは相手を大事に思うからこそできること、そんな誠実な生徒だからこそ、受験でも結果を出せるのだと思う。

 また、今年の中学部卒業生の中には、医学の道を選んであえて公立高校へ進学し、世の中の人のためになろうと巣立っていった子もいる。みんなもやがてそれぞれの道を決断する時が来る。ぜひ信じた道を進んでほしい。必ず応援してくれる人がいるはずだ。

 ある卒業生がこんな日誌を書いていた。

 「1月17日、阪神淡路大震災の日が今年もやってきました。以前僕はクラス礼拝で、目標について話したことがありました。その時、目標がないと言いましたが、それはひどい甘えだなと感じました。亡くなられた方たちは、夢を見ることも、目標を見つけてそれに向かって進むこともできません。そんな方たちの分まで、誠実に生きていかなければならないと思いました」

 君の力を必要としている人が必ずいる。誰かのために力になれるほど幸せなことはない。もっと生きたい、そう願って亡くなった人の分まで、しっかり目標を定めて、おおらかに自分を伸ばしてほしいと願う。

 すでに新入生歓迎の体育大会の準備が始まっているが、入学を許された小学校の六年生たちは、中学部での生活が始まることを心待ちにしてくれている。今回も、多くのみんなが体育大会の実行委員に立候補してくれたことを感謝したい。ぜひ下級生のためにも、そして自分たちのためにも、楽しい、良い体育大会にしてほしい。

 同じく新入生の千刈キャンプのリーダーも、上級生にはお願いしていると思う。まだ見ぬ下級生のために、本当に大変だけど、どうか力を尽くしてほしい。自分が下級生の時にしてもらった以上の事をしてもらえればありがたい。それが関学の伝統となる。

 ここにいるみんなは、中学部に入ってから必ず誰かの世話になってきた者ばかりだ。自分の人生の中で、誰かに真剣に接してもらった経験があるのなら、どうかそのことを忘れず、自分がしてもらった以上のことを、次に出会う人のためにできる、そんな関学生であってほしい。

 大きなことができなくても構わない、笑顔で授業を受けているだけで、そのクラスは良いクラスになる。そっと落ちているごみを拾うだけで、良い学校になる。「感謝・祈り・練達」そして「挨拶・祈り・歌声・笑顔・思いやり」を大事にして、今という瞬間を誠実に、正直に生きてほしい。そして時間がある限り、たくさん本を読んでほしい。本を読むということは、著者に対し、自分に対し誠実になれることである。学ぶとは誠実を胸に刻むことである。

 さて、私事で申し訳ないが、自分は関学に来て三十年が過ぎる。そのうち、この十三年間、みんなが生まれるころから中学部長を仰せつかってきた。二年生には自分の心臓の病気のことを話したことがあったが、中学部長が途中で倒れることは許されないし、そのことで二度とみんなに迷惑はかけられない。ちょうど今年が任期の区切りでもあり、部長を退任させていただけることとなった。

 但し、みんなは自分が部長として迎え入れた学年なので、みんなが卒業するまで今まで通り接したいと思う。各部主将は試合の日程やコンサートなどの日時を、また個人で頑張っていることがあれば教えてほしい。新3年生の前ではもう一度教壇に立たせてもらい、一緒に歴史を勉強したい。

(合唱曲♪)

 3学期の合唱交流会での素晴らしい歌声だ。みんなはこれだけの歌が歌える。ここにいるみんなの力を合わせれば、ますます素晴らしい学校にできる。このみんなの歌声を聞いてそう確信している。中学部に響きわたる歌声を、みんなで守り育てていってほしい。

 僕も四月からまた、みんなと一緒に勉強し、昼はみんなと同じものを食べ、7時間目は体が許せばみんなと一緒に走りたいと思う。たとえ寿命が縮まっても、みんなと一緒にやりたいことを我慢するつもりはない。ますます歌声と笑顔の挨拶が飛び交う、さりげない思いやりのあふれる学校をみんなで作ってゆこう。

「明日に夢を持とう 今を誠実に、輝いて生きよう」

<追伸>

 保護者の皆様、卒業生の皆様、13年間の長い間、本当にお世話になり、支えてくださりありがとうございました。これからは、授業や部活動と共に、心が少しだけ疲れてしまった生徒たちとも一緒に、身体が許される限り、一日一日を丁寧に過ごしたいと思います。今後とも、中学部の生徒たちのためにお祈りいただきますよう、よろしくお願いいたします。