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2018.3.15 第69回卒業式式辞『中学部を巣立つ一人一人へ向けて』

2018年3月15日 更新

2018年3月15日  中学部長 安田栄三

中学部長 安田栄三

 いよいよ 卒業の日を迎えることとなりました。保護者の皆様には、三年間、本当にお世話になり、ありがとうございました。心から感謝申し上げます。
 神様に守られたこの若者たちの未来を、これからも変わらずに支えていただきますよう心からお願いいたします。

【学級日誌から その1】
 「3年前、中学部の教室に入った自分は、とっても不安でした。そんな中で接してくれた先輩方は、本当に立派でかっこ良かったです」
 まだ見ぬ下級生のために力を尽くしてくれた千刈キャンプ、リーダーの思いが、キャンプの夜に語られた。
 「感謝の気持ちを忘れるな、必ずたくさんの人が支えていてくれる。限られた時間を思いっきり楽しめ。つらいことは成長できるチャンスひっくり返せば自分のため、みんなのためになる。3年間全力で走り抜けてほしい。」
 「一人じゃない」、リーダーのメッセージは、初対面の下級生にとって、どれだけ安心感を与えてくれただろうか。そんな下級生を全力で歓迎してくれた体育大会は上級生のおかげで素晴らしい大会となった。
 「祭色兼美~関学から文化を届けます」 秋には、趣向を凝らした文化祭が開かれた。今でも心に響いている各クラスの歌声、そして学年合唱の迫力は下級生への熱いエールとなった。
 毎朝ゴミ拾いをしながら登校してくれた。食堂の後片付けをさりげなく続けてくれた。真っ先に走り出す毎日の駆け足、部活を引退した生徒は、「自分たちが全力で練習したり応援したりすることで、後輩たちは学び成長し良い部活へと変化してゆくことを感じました」こうした三年生の誠実な思いが、中学部を救ってくれた。
 「右か左か判断に迷うことがあれば、困難な道を選べ」 若い時、僕はそう信じて生きてきたが、みんなは様々な場面で苦労を買って出てくれた。
 部活動でもすべてのクラブがしっかりとした足跡を残してくれた。ミーティングで教室を使った後、廊下の端まで綺麗に掃除していたクラブもあった。
 「自ら困難な道を選択して歩んできた姿、誰一人かけても、今年のチームは成り立たなかった」そう言い切れる言葉に感銘を受けた。挨拶と歌声の響き渡る学校、みんなは、明るい笑顔の挨拶という素晴らしい贈り物を中学部にプレゼントしてくれた。
 「祈り、願い、道行くこと」、この春、それぞれの夢に向かって 船出をする中学生たち。修学旅行で訪れた長崎にも、多くの離島があり、親元を離れて進学する中学生たちがいる。そんな 長崎の修学旅行では、何度も入退院を繰り返しながら、病気の身体に鞭打って初対面のみんなを心から信じ、原爆の悲しさを話して下さった下平作江さんとの出会いがあった。
 「平和の原点は、人の痛みがわかる心をもつこと。もっと生きたい、そう願って亡くなったナガサキに眠る人々の想いに寄り添い、皆さんは何があっても生きる勇気を選んでほしい」「生きて、生き抜いて。どうか皆さんが生きていて良かったと思える人生にしてほしい・・・」
 何度も何度も、そう下平さんがおっしゃったことが、今年は特に印象的であった。
卒業生

【学級日誌から その2】
 「私はこの夏、東北へ行ったのですが、仙台空港周辺から海岸沿いは本当に何もありませんでした。テレビでは何度も目にしていましたが、生で見た衝撃はとても大きかったです。無造作に並べられた人工物が、ずっと心に刺さり続けていました」
 「阪神淡路大震災から23年が経ちました。亡くなられた方たちは、夢を見ることも目標を見つけてそれに向かって進むこともできません。そんな方たちの分まで誠実に生きていかなければならないと思いました」
 被爆者の方の想い、そして家族を失いながら、今なお復興に立ち向かっている同世代の仲間のこと。忘れてはいけないこと、心に留めておかなければならないことを、これからも語り伝えられる人であってほしい。
 中学生としての三年間、多くの苦難があったはず。小学生や中学生の時の悲しい別れ、保護者の皆様の中にも、ご自身が重い病と闘ってこられた方がおられる。
 人の痛みがわかる心、それは多くの苦難や悲しみを乗り越えてこそ、初めて自分のものになるような気がする。
 辛かったこと、苦しかったこと、しかしみんなの人生の中であの時があったからこそ、今の自分があると思える日が必ず来る。
 一人一人が15歳で選んだそれぞれの道を、僕は心から応援したい。

【学級日誌から その3】
 「卒業、進学など 環境が大きく変化するときに、自分の道が変わるのだと思います。みんなはどの道に進むのですか。どの道に進んでも、自信をもって堂々と自分の道を歩んで行きたいし、みんなにも歩んでほしいです」
 「感謝、祈り、練達」という言葉をしっかり心に刻んでいれば、どこへ行っても大丈夫。感謝の心こそが、人間らしく生きる原動力となる。
 3年間のかけがえのない経験を生かし、誰かの役に立てる、誰か一人でも幸せに近づける ことができたら、どんなに素晴らしい人生だろうか。
 「真理は汝らを自由にする」「神様はどんな試練にも耐えられる道を備えてくださる」
 君にしかできないことが必ずあるはず。
 中学部生活で得た、本気で自ら学ぶ姿勢を、生涯大事にしてほしい。
 人間力の最高峰は誠実さと優しさ、それはすでにみんなの胸の中にある「美しい心」から生まれる。
 誠実さという松明を手に足元を照らしながら、神様から示された道を勇気をもって一歩ずつ歩んでください。
 みんなの夢が叶う場所に出会える日が必ず来る。
 今日の日を誇りとして、困難に負けず、輝く未来を生きてほしい。 
 三年間、本当にありがとう。そして卒業、本当におめでとうございます。