2019年度

[ 編集者:先端社会研究所   2019年12月9日 更新 ]

第4回先端研セミナー

先端社会研究所では、2019年度第4回先端研セミナーを開催します。

【題目】:伝承の消長―「来訪神」の文化遺産化をめぐって―
【報告者】:島村恭則氏(関西学院大学社会学部教授)
【日時】:2020年1月27日(月)15:00~17:00
【場所】:先端社会研究所セミナールーム(西宮上ケ原キャンパス 社会学部棟3階)

※入場無料。参加申し込みは不要です。当日直接会場にお越しください。

【概要】
 2018年にユネスコの無形文化遺産(ICH)代表一覧表に記載された日本の無形文化遺産は、「来訪神:仮面・仮装の神々(Raiho-shin, ritual visits of deities in masks and costumes)」であった。来訪神とは、日本民俗学の一般的な理解では、特定の期日に異界からやって来る神のことで、仮面や仮装によって神の姿が可視化されているものと、観念の中にのみ神が立ち現れる非可視的なものの二つに分けられる。
  このうち、ICH候補として申請され、代表一覧に記載されたのは、「仮面・仮装の神々」という副題からもわかるように、仮面や装束というモノを用いて可視化がなされたタイプのものであった。
 ここには、「非物質(intangible)」の名のもとにあっても、対象が持つ「物質(モノ)」的な要素とそれを用いたパフォーマンスに焦点が当たり、そうした要素・パフォーマンスを持つものが、「無形文化遺産」として文化遺産化されている実態がはっきり見て取れる。
 本報告では、「来訪神」の事例を通して、文化遺産化をめぐる<有形/無形>、〈物質/非物質〉、〈可視/不可視〉について考える。それはまた、伝承をめぐる〈公然/非公然〉、〈光/影〉という問題にもつながる議論となるであろう。

2019年度第4回先端研セミナー  [ 193.66KB ]PDFファイル

第3回先端研セミナー

先端社会研究所では、2019年度第3回先端研セミナーを開催します。

【題目】:オーバーツーリズムとジェントリフィケーション
【講師】:松村 嘉久 氏(阪南大学 国際観光学部 教授)
     中井 治郎 氏(龍谷大学 社会学部 非常勤講師)
【日時】:2019年12月5日(木)16:50~18:30
【場所】:E号館102教室(西宮上ケ原キャンパス E号館1階)

※入場無料。参加申し込みは不要です。当日直接会場にお越しください。

【概要】
 観光推進を国是とする現代日本では、アウトバウンドの数をインバウンドの数が凌駕している。バルセロナやパラオといった世界の観光地と同様、伝統と格式を背負う都市・京都においては、訪日外国人観光客の増加による様々な事態に苦慮する「オーバーツーリズム」(観光公害)の問題が浮上している。同じく大阪でも、2025 年の万博に向け統合型リゾートなどへの議論も進む一方で、都心部では新たな外国人住民が増加し、従来日雇い労働者の街として知られていた場所でもジェントリフィケーションが進行しつつある。今回のセミナーでは、これらグローバル社会における都市と観光の問題を、京都でフィールドワークする社会学者、大阪でまちづくりを実践する観光地理学者、それぞれのゲスト講師の事例報告から考えていきたい。

2019年度第3回先端研セミナー  [ 8.51 MB ]PDFファイル

第2回先端研セミナー

先端社会研究所では、2019年度第2回先端研セミナーを開催します。

【題目】:親密圏における自由と平等―見田宗介からトッド、ブルデューを経由して―
【講師】:奥村 隆 氏(関西学院大学 社会学部 教授)
【日時】:2019年7月8日(月)16:50~18:20
【場所】:社202教室(西宮上ケ原キャンパス 社会学部棟2階)

※参加申し込みは不要です。当日直接会場にお越しください。

【概要】
見田宗介は2018年の『現代社会はどこに向かうか』で、脱高度成長期の若者の意識変容として「近代家父長制家族」の解体をあげている。この家族形態は近代の根本理念である「自由と平等」を「合理化」という現実原則で封印してきたが、合理化圧力の減圧によって「近代の矛盾の解凍」が一挙に進んだ、というのだ。だが果たしてそうなのだろうか。本報告では、見田の議論を出発点に、エマニュエル・トッド『新ヨーロッパ大全』、ピエール・ブルデュー『結婚戦略』などの家族論を経由しながら、現在の親密圏のあり方を、とくにそこでの「自由と平等」を軸として、再検討してみたい。

2019年度第2回先端研セミナー  [ 1013.97KB ]PDFファイル

第1回先端研セミナー

先端社会研究所では、2019年度第1回先端研セミナーを開催します。

【題目】:狩猟採集時代から現在へ―親密性のミッシングリンクを探る―
【講師】:清水 裕士 氏(関西学院大学 社会学部 教授)
【日時】:2019年7月8日(月)15:10~16:40
【場所】:社202教室(西宮上ケ原キャンパス 社会学部棟2階)

※参加申し込みは不要です。当日直接会場にお越しください。

【概要】
「親密な関係」には様々なタイプがあるが、それらに共通している性質に「利他性」がある。進化心理学では人間の利他的な行動を説明する理論を多く提案している一方、現在の親密性に内在する「利他的でなければならない信念」をうまく説明できているわけではない。そこで本講演では、進化学と社会学それぞれの「利他性」がどのように分断しているのか、そしてそれらをつなぐためのロジックとは何なのか。話者の研究成果も提供しつつ、参加者とともに議論したい。

2019年度第1回先端研セミナー  [ 746.23KB ]PDFリンク