2012年度シンポジウム

[ 編集者:先端社会研究所   2014年9月18日 更新 ]

関西学院大学先端社会研究所 2012年度シンポジウム「二世 ―戦後において引揚者、復員者、在日朝鮮人の子供達はなにを聞き、なにを引き継いだのか」

テーマ:「二世 ―戦後において引揚者、復員者、在日朝鮮人の子供達はなにを聞き、なにを引き継いだのか―」

日時:2013年3月19日(火) 13:30~18:30
場所:先端社会研究所セミナールーム

備考:本シンポジウムは一般の方々に公開いたします。事前申し込みは不要です。
参加費:無料
お問い合わせ先:先端社会研究所事務室(Tel:0798-54-6085 E-mail:asr@kwansei.ac.jp)

プログラム

第1部

13:30~13:35 挨拶 

13:35~14:50 河原ノリエ氏 講演「いのちのかなしみ」
【概要】
 ひとは誰でも、過去から逃れることはできず、生きてきた地縁・血縁の繋がりのなかで、生き延びていくしかない。ひとのカラダの情報は、過去から未来への伝言であり、「記憶」であり「記録」である。歴史とは無数のひとびとのいのちの集積である。過去の歴史的負債ともいうべき歳月の中でも連綿と紡がれてきたいのち。歴史認識には様々な解釈が存在しても、ひとのカラダの情報は嘘をつかない。

14:50~16:05 金 益見氏 講演「えんぴつポスター」
【概要】
 大阪市生野区に大阪市立東生野中学校夜間学級(以下、夜間中学校)がある。ここに通う生徒は、90%以上が在日コリアン一世二世、平均年齢67歳の女性の生徒が大部分を占め、おもに識字教育を受けている。これは、不登校などの事情で中学校へ行かなかった若者が多く通う全国の夜間中学校と比べると、非常に珍しいケースである。なぜ現在、多くの在日の一世二世の女性たちが夜間中学校に通い、母国語ではなく日本語を学んでいるのか。その実態と思いを明らかにしたい。

16:05~17:20 李 建志氏 講演「日本のなかのパラオ―帰還者たちの開拓村」
【概要】
 日本はかつて太平洋の島々を国連委任統治領として支配していた。そこにはさまざまな経緯から沖縄県や福島県出身者が多く移民し、開拓を行った。そして敗戦後、彼らは再び日本に帰ってくるものの、頼るものはなく、自力で開拓村を築くことを選択していった。
今回の発表では、鹿児島県熊毛郡(種子島)原尾地区、宮城県蔵王町北原尾、宮崎県小林市環野という三つのパラオ帰還者による開拓村へのフィールドワークを基礎に、彼ら帰還者の二世の世代が、一世からいったいなにを継承し、どのような話を聞いていたのか。どのような葛藤があったのかということに焦点を当てて考察することとする。

第2部

総合討論 17:30~18:30

講師プロフィール

★河原 ノリエ(かわはら のりえ)
1961年、富山県生まれ。2000年のヒトゲノム研究を考える市民コンセンサス会議への参加をきっかけに「からだの個人情報」への関心を深め、文筆活動を開始。医療・研究・産業が密接に関わる生命科学の未来をテーマとした論考を発表、先端医療のあり方に提言を重ねている。2004年からの「アジアがん情報ネットワーク」を経て2008年より「アジアがんフォーラム」主宰。
現在、東京大学先端科学技術研究センター「総合癌研究国際戦略推進」寄付研究部門特任助教。
著者に『人体の個人情報』(日本評論社、2004年、共著)、『「ややこしい子」とともに生きる――特別支援教育を問う』(岩波ブックレット、2007年)『恋するように子育てしよう!』(中央法規出版、2005年)(いのちのかなしみ 春秋社、2012年)などがある。

★金 益見(きむ いっきょん)
1979年大阪府生まれ。在日コリアン3世。神戸学院大学大学院人間文化学研究科地域文化論専攻博士後期課程修了。第18回橋本峰雄賞受賞。人間文化学博士。
著書に,『ラブホテル進化論』(文藝春秋)、『サブカルで読むセクシュアリティ―欲望を加速させる装置と流通』『恋愛のアーキテクチャ』(以上、青弓社),ほか。

★李 建志(り けんじ)
1969年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(比較文学研究室)博士課程満期退学。延世大学校大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士満期退学。京都ノートルダム女子大学専任講師、県立広島女子大学助教授、県立広島大学准教授(県立三大学統合による)を経て、現在関西学院大学社会学部教授。先端研副所長。
主な著書として、『朝鮮近代文学とナショナリズム―「抵抗のナショナリズム」批判』(作品社、2007年)、『日韓ナショナリズムの解体―「複数のアイデンティティ」を生きる思想』(筑摩書房、2008年)、『松田優作と七人の作家たち―「探偵物語」のミステリ』(弦書房、2011年)などがある。

関西学院大学先端社会研究所 2012年度シンポジウム「女性の社会参加のための情報通信技術(ICT)-香港と中国、日本をつなぐ-」

テーマ:「女性の社会参加のための情報通信技術(ICT)-香港と中国、日本をつなぐ-」

日時:2013年1月13日(日) 午後13:00-16:30
場所:関学上ヶ原キャンパス 大学院1号館201号室

概要:情報通信技術(ICT)は今日コミュニケーションのための重要なツールとして、社会運動や女性の社会的参加のためにも使われてきている。さらに近年の社会運動へのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)活用が進展している。本シンポジウムではICTとメディアおよびジェンダー・フェミニズムに焦点をあてる。IP lam Chong氏、Lam Oiwan氏、および谷口真由美氏を講演者としてお招きし、それぞれ中国におけるICTとフェミニズム、香港におけるバックラッシュ、日本においてミニメディアとマスメディアをつなぐものについて講演いただく。その後にパネルディスカッションを行い、香港および中国の事例が日本において持つ意味を議論する場とする。なお、記録の抄録は「先端社会研究」に掲載される。

プログラム

第1部

講演 13:00~
「ICTと市民活動・ジェンダー」  
吉野太郎(関西学院大学)

「現代中国のフェミニズムとICTの多様な道」
(Divergent Paths of Contemporary Chinese Feminism and ICTs) 
Ip lam Chong(Lingnan University, Hong Kong)

「香港におけるオンラインポピュリストからフェミニストへのチャレンジ」
(The Challenge of Online Populist Politics to Feminist in Hong Kong)  
Lam Oiwan(Hong Kong In-Media and globalvoicesonline.org)

「マスメディアとミニメディアをつなぐもの」 
谷口真由美(大阪国際大学)

第2部

パネルディスカッション15:30~
司会:清末愛砂(室蘭工業大学)

総合司会:ガブリエレ ハード(関西学院大学)
逐次通訳あり

主催:関西学院大学先端社会研究所/吉野太郎研究室

講師プロフィール

Ip, Iam Chong
Senior Teaching Fellow, Department of Cultural Studies, Lingnan University, Hong Kong; Editor of inmediahk.net. Research interests include social movement, new media and neoliberalism in East Asian region. He edited Info-Rhizome: Report on Independent Media in Chinese Speaking World (2009) and Social Media Uprising in Chinese Speaking World (2011).

LAM, Oi Wan - globalvoicesonline.org and Hong Kong In-Media
Editor of online citizen media, part-time teacher at the Chinese University of Hong Kong on New Media and Society, independent researcher on internet culture, new media and cultural industry. Editor of Info-Rhizome: Report on Independent Media in Chinese Speaking World (2009) and Writer of "Hong Kong: A New Page For Affective Mobilization" in Social Media Uprising in Chinese Speaking World (2011).

谷口真由美(大阪国際大学)
専門は国際人権法、ジェンダー法。大手マスコミでのニュース情報番組のレギュラーコメンテーター等の経験あり。また、Facebook等を活用し女性の政治参画を図る事業も立ち上げている。(公財)世界人権問題研究センター第4部(女性の人権部)部長。著書に、『リプロダクティブ・ライツとリプロダクティブ・ヘルス』、『レクチャージェンダー法(共著』、『新・資料で考える憲法(共著)』など。

吉野太郎(関西学院大学総合政策学)
専門は情報通信技術と社会、計算機物理学。
主要業績:
「震災後の神戸・長田に生まれた多文化センター」、小國和子・亀井伸孝・飯嶋秀治編『支援のフィールドワーク─開発と福祉の現場から』世界思想社、2011年「東日本大震災における災害時救援情報共有システムSahana(サハナ)の運用と評価」(fuga氏との共著)、情報処理学会、デジタルプラクティス誌 Vol3, No.3, July 2012「キャンパスにおけるハラスメント」([新通史]日本の科学技術 世紀転換期の社会史/1995年~2011年、編集代表=吉岡斉 第3巻、2011年

ガブリエレ ハード(関西学院大学社会学部)
専門はオルタナティブ・メディア研究、メディア政策、環境コミュニケーション研究。
主要業績:
"Alternative Media? Community Media? Unpacking Approaches to Media by, for and of the People"
Papers in International and Global Communication, CIC University of Leeds (2007)
http://ics-www.leeds.ac.uk/papers/cicr/exhibits/45/hadl.pdf
"'This is a human emergency'- Media and Ecology after Fukushima"
DesignAnthropology ed. Yana Milev (2013)

清末愛砂(室蘭工業大学大学院工学研究科)
専門はジェンダー法学。
主要業績:
「占領下のパレスチナとの出会い」、小國和子・亀井伸孝・飯嶋秀治編
『支援のフィールドワーク-開発と福祉の現場から』世界思想社、2011年4月、
「21世紀の『対テロ』戦争と女性に対する暴力」、ジェンダー法学会/編
(戒能民江・棚村政行・後藤弘子・角田由紀子 編集委員)『講座 ジェンダーと法 
第3巻 暴力からの解放』日本加除出版株式会社、2012年