2011年度

[ 編集者:先端社会研究所   2014年9月5日 更新 ]

2011年度先端研第12回定期研究会(「セキュリティ/排除」研究会第10回)

日時:2012年3月14日(水)15:10-17:10
場所:関西学院大学上ヶ原キャンパス E号館201号室
報告者:林怡蓉(リンイヨウ)氏(関西学院大学社会学部准教授)

報告タイトル:現われの回路と承認――台湾社会における原住民族電視台の実践を通して考える

概要:
台湾社会では14族からなる人口比わずか2%の原住民族がいる。お互い言語が異なる原住民族は長期に亘り、度重なる「外的」支配によって社会的抑圧を受け続けてきた/いる。本報告ではまず、1980年代から原住民族が生のリアリティを回復するためのアイデンティティの確立と生存を求める社会運動を通じて台湾社会において他者へ現われてきた経緯を概観する。
それを踏まえたうえ、自らの現われの回路となる「原住民族電視台」の設置と実践によって、さらなる承認の契機を掴み取った実践と実態を分析する。最終的にはこの「原住民族電視台」の実践を通して、従来のマスメディアの規範理論ではカバーしきれないもの――マイノリティを含む人々が放送に主体的に現われ、表現することの意義がどこにあるかについて考察し、新たなマスメディアの規範枠組みの再構築の一端を探究する。

報告者紹介:
関心はメディア社会論、社会規範理論、メディア・コミュニケーション研究。現在では特にメディアを媒介にした社会的コミュニケーションの様態と放送制度のあり方を中心に研究を行っている。

主要論文:
林怡蓉、2011年、「多文化実践とメディアアクセス――台湾」『ネット時代のパブリック・アクセス』津田正夫、金山勉編、世界思想社、pp.188-201.
林怡蓉、2010年、「台湾の原住民族電視台――『主体の現われ』としてのコミュニティメディア――」『コミュニティメディアの未来――新しい声を伝える経路――』、松浦さと子、川島隆編、晃洋書房、pp.54-66.
林怡蓉、2007年、「台湾社会における放送制度の歴史的展開とマスメディアの規範理論の新たな展開」博士学位論文
林怡蓉、2004年、「台湾の『コールイン討論番組』について――双方向討論番組の社会的意義」『マス・コミュニケーション研究』No.65、pp.133-149.

2011年度先端研定期研究会第11回(『セキュリティ/排除』研究会第9回)

日時:1月20日(金)15:10-17:10
場所:先端研セミナールーム(社会学部棟3階)
報告者:山森宙史氏(関西学院大学大学院社会学研究科博士後期課程)

報告タイトル:自主規制の過程における「成年コミック」への社会的眼差しの変容
       ―出版メディアにおける「セキュリティ/排除」の歴史的形成過程から―

報告概要:
2010年の東京都青少年健全育成条例改正案における「非実在青少年」問題が記憶にもまだ新しいように、近年ますます性描写を対象とする媒体への法的規制が強化されている。とりわけ、成年向けのマンガ出版物は90年の「有害」コミック騒動を皮切りに、常に青少年条例における批判の矛先として規制対象にあげられてきた。これら出版メディアに対する条例規制は、90年代以降、主に取次や書店などの流通・販売セクションを見据えたものへと拡大し、間接的に出版産業全体における「自主規制」の一層の強化を促すかたちで現在も展開されている。それゆえ、そうした出版取次・書店における「成年コミック」をめぐる「自主規制」の在り方の変容過程は、「青少年への有害性」や「性差別的表現の是非」、そして「猥褻」といった出版メディアへの「セキュリティ/排除」の社会的眼差しが現実空間においてどのように顕在化しているのかを考える上でも重要である。
そこで本研究では、主に70年代の「三流劇画ブーム」から2010年の「非実在青少年」問題までの期間における成年向けコミックをめぐる自主規制の歴史的な変容過程をそのメディア形式の変化と即しながら概観する。その上で、成年向け出版メディアに対する「セキュリティ/排除」の社会的眼差しが現在どのように醸成・強化されたのかを明らかにし、現在の自主規制の在り方について再考したい。

報告者紹介:
関心:メディア論、メディア史、出版文化論、戦後マンガ史

主要論文:
<書評論文>
山森宙史
2011年「『読む人』から『買う人』へ―『技術』から考える読者分析の地平―」(和田敦彦)
2002年『メディアの中の読者―読書論の現在』(ひつじ書房)
   『KG/GP社会学批評』関西学院大学社会学研究科大学院GP 第4号 pp.15-23
<研究発表論文>
山森宙史
2011年「『コミックス』としてのマンガの誕生―1960‐70年代における劇画を取り巻く出版状況の変容から」日本マス・コミュニケーション学会・2011年度秋季研究発表会・研究発表論文

統計セミナー「Mplus によるSEM とマルチレベル分析」

日時: 1 月27 日( 金) 13:30~16:40
場所:関西学院大学上ヶ原キャンパス 関西学院会館 「輝の間」
講師:赤枝尚樹氏(大阪大学大学院特任研究員)
題目:「Mplus によるSEM とマルチレベル分析」
定員:30名(定員になり次第締切)

受講要件:
※Mplus デモ版(下記リンクよりダウンロード可)をインストールしたノートPC を持参すること。

『Mplus』へのリンク外部のサイトへリンク

※重回帰分析と因子分析について基礎的な知識を習得していること。
※学内者は、自身の持ち込みPC の学内無線LAN への接続設定が済んでいること。
 学外者の場合は、ゲストID の申請が必要。(詳細は申込時に確認のこと。)

セミナー趣旨:
Mplus はその発表以来、構造方程式モデル(SEM)の市販プログラムの中でもっとも柔軟性と拡張性の高い新世代モデルとして常に注目されてきました。日本でも、豊田秀樹が2000 年に著書の中でMplus を紹介しており(《引用》参照)、「どうやら何でもできてスゴイらしい」という評価は広まっています。ところが、より機能や操作性の劣った他のプログラムと比べて、実際の使用例はあまり増えてはこなかった、といわざるをえないでしょう。おそらく、Mplus の入手経路が安定していないこと(現在はウェブからの直販のみ)、日本語のマニュアルが存在しないこと、などの非学術的な要因によるものかと思われます。
しかしながら、Mplus は今も精力的に機能拡張を続けており、最新の統計学的知見を自分のデータに応用したいというとき、現状ではもっとも有力なツールの一つであることは間違いありません。流通やマニュアルの不備といった瑣末な理由から、それが利用されずにいるのは、いささか《モッタイナイ》のではないでしょうか。
関西学院大学先端社会研究所では、そうした問題意識にもとづき、上記の要領でMplus を用いた統計セミナーを開催いたします。重回帰分析と因子分析の基本をご理解いただいている方であれば、どなたでもご参加いただけます。ぜひこの機会に、最先端のSEM とマルチレベル分析をご習得ください。

《引用》
第2世代の共分散構造分析とは,主に90 年代以降に発展させられたモデルであり,非線形モデル・交互作用モデル,潜在曲線モデル,2段抽出モデルなどがある.……第2世代の共分散構造分析に大きく寄与したのが Bengt Muthen のM-Plus というプログラムである.
狩野裕「書評(豊田秀樹著『共分散構造分析 [ 応用編] -- 構造方程式モデリング --』朝倉書店(2000))」『行動計量学』27(2)

申込方法:
件名を「Mplus セミナー受講申込」、宛先をasr@kwansei.ac.jp としてメールにてお申し込み下さい。
2012 年1月10日(火)必着(ただし定員になり次第締切)

2011年度定期研究会第10回(共同研究「セキュリティ/排除」研究会第8回)

日時:12月16日(金)15:10-17:10
場所:先端社会研究所セミナールーム(関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟3階)
報告者:Carola Hommerich氏(ドイツ日本研究所) 備考:報告は日本語で行われます。

タイトル:ステータス不安、排除意識と幸福度のメカニズム-日独比較調査の結果から-

概要:
1990年代、日本には社会における格差の広がりに対して新たな意識が生まれた。「格差社会」という言葉は、メディアで話題となり、格差に関する学術的な議論も盛んに行われるようになっている。このような格差社会への関心は、社会的な落ちこぼれになることに対する個人の不安と分かち難く結びついている。内閣府の生活世論調査(2007年)によると、多くの日本人は今後の生活の見通しについて否定的だ。「悪くなっていく」と答えた者の割合は29%で、1992年から19%増加している。また、「日常生活の中で悩みや不安を感じている」と答えた者の割合も90年代始めから増え続け、2007年には70%となっている。満足度(subjective well-being)という意味での幸福感は今日の日本では大幅に不足していると言える。
格差社会については、日本と同様にドイツでも、メディアや研究者の間で活発な議論が進められている。数年前から「中間階層の消滅」が学術的な議論として取り上げられ、メディアで「中間階層のステータス不安」というテーマとして話題になっている。そこでは客観的なリスクの増加と共に、直接その新しいリスクに脅かされていない人々にまで主観的なリスク意識や不安定性が増加したように見られている。
この議論を行う際の判断基準となるのは、客観的に判断される社会的な立場と、それに対する個人の主観的な感覚とがどの程度一致しているかということだろう。近年の格差に関する社会学的な研究では、個人の行為には、不安定な生活状況に基づいた客観的な不安定性(objective precarity)だけではなく、それを主観的にどのように評価するかが大きな影響を与えることが認められている。主観的な評価の結果により、ある人はステータス不安や排除意識(subjective exclusion)を感じることになるだろう。どのような人が自分を社会の一員として認識しており、またどのような人が自分は社会から排除されていると感じているのだろうか。経済的・社会的な資源、個人的な能力や、様々な信頼リソースは、この認識とどのように関連しているのだろうか。また、主観的な評価の結果はどのように個人の幸福度とつながっているのだろうか。
上記のメカニズムを分析するために、ドイツのカッセル大学の研究者により、客観的な不安定性と主観的な排除意識の関連性を明らかにする理論的なモデルが考案された。このモデルは、ドイツ日本研究所とカッセル大学との共同研究として2009年9月に実施した、ドイツと日本の両国における全国調査において実際に適用された。本報告では、この比較調査の結果について考察したいと思う。

報告者紹介:
ケルン大学社会学研究所にて「フリーターとジェネレーション・プラクティクム(実習生世代)-日独比較における労働価値観の変化」のテーマで博士号を取得。2008年4月よりドイツ日本研究所主任研究員。ここで社会的不平等、社会的排除と排除意識、量的な世論調査、国際比較というテーマを中心にして研究に取り組んでいる。現在、客観的な不安定性と主観的な排除の関連を、日独比較の視点から調査中である。

2011年度定期研究会第9回(共同研究「景観/空間」研究会第3回)

日時:12月9日(金)15:10-17:10
場所:先端社会研究所セミナールーム(関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟3階)
報告者:長尾隼氏(島根県古代文化センター 特任研究員)

タイトル: 国立公園風景の生成と変容

概要:
近代期には,さまざまな実践や言説によって、「自然」が創造-想像されていった。国民国家の成立期には、国土空間内の自然をオーソライズしてゆく動きを見出すことができる。国立公園制度はそうした事例のひとつである。
今回の報告では、日本の国立公園制度を事例として、ある特定の風景がうみだされ、維持されてゆく場の諸相について確認する。具体的には、①戦前期の国立公園候補地の選定、②戦中期の国立公園計画の2点を取り扱う。自然の風景なるものが、特定の社会的コンテクストのもとで、どのように解釈されてゆくのかを検討してみたい。

報告者紹介:
研究関心は、文化地理学、歴史地理学。主要論文は、「ナショナルな風景をめぐって-国立公園選定過程における風景観の交錯-」『関西学院大学先端社会研究所紀要』第6号(2011年)。

2011年度定期研究会第8回

日時:11月26日(土)13:30-17:00
場所:先端社会研究所セミナールーム(関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟3階)
報告者:溝尻真也氏(愛知淑徳大学専任講師)

タイトル:「技術からの排除とメディア文化の変容─オーディオ趣味の変遷を軸に」

概要:
メディアがメッセージであるとは、具体的にはいかなる事態なのだろうか。本報告ではオーディオ趣味の歴史的変遷を軸に、音楽というメッセージを媒介するメディア技術自体が内包していたメッセージと、それを能動的に読み解き、書き換えてきたユーザーたち=オーディオマニアの営みについて検討する。その上で、技術のブラックボックス化、すなわちユーザーによる技術的介入の機会の排除が進む現代から、技術が見えていた時代の人びとと技術との戯れを逆照射することの意味について、議論することができればと思う。

報告者紹介:
専攻はメディア論、メディア史、ポピュラー音楽研究。特に音楽を媒介するメディア技術の歴史を中心に研究している。

備考:
本研究会は、関西学院大学大学院社会学研究科大学院生が自主的に企画しているメディア・文化のインターセクション研究会・第2回研究会との共催となります。研究会の概要・報告要旨等詳細は、本メールマガジンの他、院生によるブログ『KG社会学時評』でも公開しています。

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本研究会に関するお問い合わせは、kgu.socgpあっとgmail.com(あっとを@に変換してください)までお願いします。

2011年度定期研究会第7回(共同研究「セキュリティ/排除」研究会第7回)

日時:11月18日(金)15:10-17:10
場所:先端社会研究所セミナールーム
報告者:稲津秀樹氏
      (関西学院大学大学院社会学研究科大学院研究員/日本学術振興会特別研究員)

タイトル:「『移住』と『定住』の境界をめぐって
        ―NHKアーカイブス・『日系南米人』移民関連ドキュメンタリーを事例に―」

概要:
セキュリティ/排除の問題を考えるうえで避けて通れないのが、人を選別する境界線が構築されるその在り様である。これまで報告者は、フィールドワークを通じた日常的体験の位相から、ラテンアメリカ、とりわけペルー出身の人びとにとって、排除と包摂の境界が重層的に経験される権力の在り様を「空間の管理者」(G.Hage)という関係性をめぐる理解をヒントに批判的に考えてきている。
今回は、そうした権力の在り様をメディア表象―NHKアーカイブス保管分のドキュメンタリーにおける彼ら/彼女たちの「群像」をめぐる分析経過を報告することで考えたい。ポイントとなるのは、日本―南米間を移動する人びとをめぐる物語を、ナショナルな「自己」をめぐる延長線上に位置づけるか、それともナショナルな「他者」をめぐる物語として位置づけるかという、「移住」と「定住」をめぐる物語り方の境界に他ならない。
彼ら/彼女たちにとっての「移動」をめぐるこれらの語り方を検討することで、いわゆる「日系南米人」という奇妙な呼称に象徴される、メディア表象上のセキュリティの動態について考えてみたい。

報告者紹介:
グローバリゼーションという現象をかけがえない他者との「出会い」の場に参与する(当事)者として考え直していくこと/過程に現在の研究上の関心がある。移動する人びとがナショナルな他者となる/される契機に潜む権力の動態を批判的に、かつ、体験的に考えていきつつ、移動現象の中で人が共に在ることの可能性は、人びとのどういった作法に求められるのかを探究したい。
主要論文に「日系ペルー人の『監視の経験』のリアリティ―〈転移〉する空間の管理者に着目して」『社会学評論』61(1)(2010年)、共著に『カルチュラル・スタディーズで読み解くアジア』せりか書房(2011年)、共編書に『KG/GP社会学批評―別冊共同研究成果論集』(2011年)他。

2011年度定期研究会第6回

日時:10月29日(土)16:00-18:00
場所:関西学院大学大阪梅田キャンパス1002号室
備考:本研究会は、関西学院大学大学院社会学研究科大学院生が自主的に企画している「エッジの社会学」研究会との共催となります。詳細は、同研究科院生ブログ『KG社会学時評』をご覧ください。

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本研究会に関するお問い合わせは、kgu.socgp@gmail.com までお願いします。
報告者:木村敏明氏(東北大学文学部准教授)

概要:
「エッジの社会学」研究会は、7月に神戸市長田区で行われた第1回研究会に引き続き、災害をテーマとした研究会を行う。第2回研究会の報告者、木村敏明氏はこれまで、宗教学・宗教人類学の立場から、インドネシアをフィールドとして、儀礼や語りを通した経験の意味づけにかんする調査を行ってきた。 本報告では、2004年のスマトラ沖地震によって多数の死者が出たインドネシアのムスリム村落の調査報告を行う。その村では、地震の土砂災害によって多数の村民が生き埋めとなった。生存者たちは、イスラム慣習に則り遺体を清め埋葬することを希望したが、その災害規模の大きさ故に、住民の手による掘り出しはもちろんのこと、行政による掘り出しも断念された。こうした状況に対し、イスラム指導者は、生き埋めされた土砂の上から水を注ぐという、これまでの慣習と異なる儀礼で、埋葬の儀としては足りるとの声明を出すが、この方針に対し住民側が反発、加えて一部のイスラムの学者もそれに同調し、新聞紙上などで死者儀礼をめぐる論争が始まった。本研究会は、9月の追加調査を踏まえた上で行われる本調査報告を通して、ポスト災害社会における非日常の死(エッジの状況)をめぐる社会論争のなかで、どのような悼みの公共性が立ち上がっていくのかという-「3.11」の追悼と関連するであろう-問題に迫ろうとするものである。

2011年度定期研究会第5回(共同研究「セキュリティ/排除」第6回)

日時:10月21日(金)15:10-17:10 場所:先端社会研究所セミナールーム(関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟3階)
報告者: 朝田佳尚氏(学術振興会特別研究員/京都大学高等教育研究開発推進センター)
タイトル: 「現代の閉じた卜占-監視カメラの臨床社会学」

概要:
本発表は民族社会における卜占の事例を補助線に使いながら、監視カメラがもつ独特の機制を明らかにする。E. E. エヴァンス=プリチャードが紹介したザンデの毒卜占には、卜占がどのような結果を出そうと人びとの意図を正当化するという意味づけの機制が備わる。この機制は地域の住民が運用する現代の監視カメラにも存在する。監視カメラにも人びとの意味づけを正当化し、それを通して監視カメラの信憑性を高める機制があるのだ。しかし、卜占と監視カメラの間には相違点もある。卜占は人びとが正当化しきれない結果を示すことがあり、それが人びとに意図と文脈の変更を促すが、監視カメラにはそうした機制がない。こうした点から、本発表は監視カメラが卜占以上に現在の社会編成の再生産に寄与してしまうと指摘する。また、コミュニティにおける監視カメラの増加は統治性の浸透を表しており、今後の監視社会研究はこうした点を考慮に入れるべきだと主張する。 報告者紹介: 研究関心は、監視社会論、カルチュラル・スタディーズ、臨床社会学。主な論文に、「偽装されたセキュリティ 監視社会論の陥穽」『現代思想』35(14)(2007年)、「地域住民が監視カメラに寄せる多様な意味─関西地方X地区の事例から─」『ソシオロジ』164(2009年)など。

2011年度定期研究会第3回(共同研究「セキュリティ/排除」第5回)

日時:7月15日(金)15:10~17:10
場所:先端社会研究所セミナールーム(社会学部棟3階)
報告者:打越正行

所属:○天使(暴走族)、社会理論・動態研究所、首都大学東京大学院

タイトル:「沖縄の暴走族の生きる地元――シゴキを通じた暗黙の定員制にみる排除と包摂の論理」

概要:
いま、沖縄の暴走族がアツい。それは国際通りの成人式だけでなく、毎晩にわたるゴーパチ(国道58号線)における暴走と、それを見物する若者の盛り上がりに確認できる。本報告は、このような暴走族を支える地元のアジトで、誰が一人前としてシゴかれ、誰が弾かれたのか、そのメカニズムをパシリとしての参与観察をもとに詳細に記述し考察を試みる。

報告者紹介:
研究関心は、暴走族・ヤンキー、沖縄。主要業績は、「仕事ないし、沖縄嫌い、人も嫌い――沖縄のヤンキーの共同性とネオリベラリズム」『理論と動態』1:21-38(2008)、「型枠解体屋の民族誌――建築現場における機械的連帯の意義」『社会学批評』別冊:21-44(2011)。

2011年度定期研究会第2回(共同研究「セキュリティ/排除」第4回)

日時:5月27日(金)15:10-17:10
場所:先端社会研究所セミナールーム(社会学部棟3階)
報告者:難波功士氏(関西学院大学社会学部教授)

タイトル:関西私鉄の歴史社会学:「セキュリティ/排除」の視点から

概要:
かつては私鉄王国と言われ、大手私鉄が競いあってきた関西エリア。だが、私鉄各社に対して人々の抱く企業イメージも異なれば、沿線ごとに「イメージのよしあし」が語られたりもする。では、その○○沿線らしさは、いかにして構築され、その過程にはどのような包摂/排除の力学がはたらいてきたのだろうか。関西私鉄の100年を回顧・概観する。

報告者紹介:
専攻は広告論、メディア史、ユース・サブカルチャーズ史。著書に『広告のクロノロジー―マスメディアの世紀を超えて―』(世界思想社、2010年)、『ヤンキー進化論―不良文化はなぜ強い―』(講談社新書、2009年)、『創刊の社会史』(ちくま新書、2009年)、『族の系譜学:ユース・サブカルチャーズの戦後史』(青弓社、2007年)、『「広告」への社会学』(世界思想社、2000年)、『「撃ちてし止まむ」──太平洋戦争と広告の技術者たち』(講談社、1998年)など。