§1 数 と 式

2 因数分解とは

 a×a×a のように,同じ文字を繰り返し掛けてできる式を a3 と書き,「a の3乗」と言います。また,

のようにいくつかの文字や数を掛け合わせてできる式を -3ab2c3 と書き 単項式 と呼びます。単項式において,数の部分を 係数 と呼び,掛け合わせる全ての文字の個数を 次数 と呼びます。-4x2+6x-7のように,いくつかの単項式の和として表される式を,多項式 と呼びます。多項式の項のうち,x2+2x2y-5a2xy3+6by3 のように,文字の部分が同じであるものを 同類項 と言って,次のように1つにまとめることができる。

例1 x2+2x2y-5a2xy3+6by3=(1+2y)x2-(5ax-6b)y3

また,多項式の同類項をまとめたとき,各項の次数の中で最大のものをその 多項式の次数 と言います。したがって,上の例の多項式の次数は6次となります。単項式と多項式をあわせて 整式 と呼び,次数が n の整式を n次式 と呼びます。

私は叫びたい



 数学では,整式を書くとき,その式の次数が一目で分かるようにするため,整式のある文字に着目し,項の次数を低くなる順に整理するか,または,高くなる順に整理します。低くなる順に整理するときを 降べきの順 と呼び,高くなる順に整理するときを 昇べきの順 と呼びます。これは,お作法のようなもので,このように並べておくと整式が見やすく,また,見通しがつきやすくなります。多くの場合,降べきの順が採用されます。必ず,このように並べるように訓練しておきましょう。

例2 次の整式を x について,降べきの順に整理せよ。

 1つの整式がいくつかの整式の積に分けることができるとき,その分けた整式を 因数 と呼び,因数に分けることを 因数分解する と言います。因数分解をする方法はいろいろとありますが,次の章では,代表的なものを取り上げ分類していきます。



 くだけた言い方をすると,

ということに対し,

ことを因数分解と言います。展開と因数分解を間違える ことが多いので,その意味をよく理解しておきましょう。このようにしてみますと,因数の積で書かれている式を展開した式は,必ず,因数に分解されるはずです。それを見通す洞察力が,因数分解には必要となります。「できない」って言わないで,展開してできた式は,「絶対に因数分解ができるのだ」という確信を持って望みましょう。

 さて,その因数分解を行なう前に,上で述べた次数と係数に関する例題と練習問題で,簡単に復習しておきましょう。

例題1 次の単項式について,その係数と次数を求めよ。また,[ ]内の文字に着目したときの係数と次数を求めよ。

[解答] 次数は,掛け合わせる全ての文字の個数なので -5ax の次数は2次となります。

 (3) において,x,y に着目したときの次数も,掛け合わせる x,y の個数なので 6次 となります。

練習問題1 次の単項式について,その係数と次数を求めよ。また,[ ]内の文字に着目したときの係数と次数を求めよ。


練習問題2 次の整式は何次式か。また,[ ]内の文字に着目するとどうか。


練習問題3 次の整式を[ ]内の文字について,降べきの順に整理せよ。

 多くの新しい言葉が登場してきましたが,「降べきの順に整理する」という作業は,今後良く登場しますので,覚えておくと便利でしょう。それ以外の言葉は,必要に応じてこのページにもどって復習することにしましょう。