§4 確率
 
1.確率の意味
 
 今まで,学習してきました順列や組合せという考え方を,確率へ応用してみることにしましょう。その前に,いつものように,新しい言葉がいくつかでてきますので,その紹介をしていくことにしましょう。日頃,使い慣れていない単語なので,なかなか馴染めないかもしれませんが,そんなに多くもないので,少しがまんして下さい。
 


 具体的な例で,言葉の説明をしていくことにしましょう。壷の中に「1」,「2」,「3」と書かれたカードが1枚ずつ入っています。このとき,壷の中から,一枚のカードを取り,元に戻す作業を行なうことにします。このように,

といいます。例えば,さいころを投げるとか,コインを投げるとかが挙げられます。
 
 また,

を用いて表します。上の例でいうと,「カード1が出る事象をA」,「カード2が出る事象をB」というような呼び方をします。事象において,

ワンポイント
和集合を表す「U」とア
ルファベットの「」を
混同しないように,書
きましょう。


といいます。
 

ワンポイント
 P は probability
確率)の頭文字にな
っています。


 1つの試行において,

で表します。そして,さいころを振ったとき,さいころの目の数が同じ割合で1の目がでる,コインを投げたとき,同じ割合で表が出るなど,

といいます。2の目が余りにもよく出るさいころや,表が出にくいコインなどは,全く考えないということです。
 
 ここで,もう少し細かいことを言うことにします。上の例において,1と2のカードがでる事象を A としますと,事象 A は「カード1がでる事象」と「カード2がでる事象」に分かれます。このように

と言います。確率において,この根元事象が,同様に確からしいことを根底において考えていきます。少し難しくなりましたが,これから考えることはすべて,根元事象が平等に起こる と考えればよいということです。
 
 さあ,最後に,確率の定義です。がんばって乗り切りましょう。
 
 一般に,各根元事象が同様に確からしいとき,事象 A の起こる確率 P(A) は,

となります。
 
 これらの言葉を,例を用いて,確かめてみることにしましょう。
 
例 1個のさいころを投げる試行において,出る目について考えると,
 
(1) 全体集合 ={1,2,3,4,5,6}
 
(2) 3の目が出る事象を A ,偶数の目が出る事象を B とすると

(3) P(A),P(B) は, 
となります。
 
 最初のカードを抜き取る例において,カード1がでる事象を A としますと,P(A)は理論的には となります。一方,実際にさいころを振る試行を繰り返しますと,1の目の出る割合は,次第に3回に1回は1のカードが現れ, に近づいていくことが分かります。詳しいことは,3年の統計で学習することにしょう。
 少々疲れましたね。今回はこれくらいにして,次の単元へ行くことにしましょう。