読書科
読書科の2本柱は、『読書』(Reading)と『研究』(Research)です。

個性に応じた読書生活を形成し、これを深めることによって、自らの心を耕します。(読書生活の形成と深化)
また、読書を通して、出会ったさまざまな問い(テーマ)を常に発展的に持ち続け、これに答えてゆく技量を身につけます。
つまり、自主的自立的学習態度を養い、探究者、研究者としての資質を磨きます。(研究態度・技術の体得)
読書科は、新しい学力感を開拓します。
これまでの学校教育で生徒に課せられたのは、教師が提示した問題にいかに速く、正確に答えるか、ということでした。
読書科では、答える力偏重の学力観を克服し、問う力(問題発見能力、問題設定能力)と答える力(問題解決能力)をともに育てようとしています。
それでこそ、学びが主体的なものになり、本当の意味で学びの喜びを味わうことができます。
読書科の授業は、演習形式で進められます。
2本柱に沿って、カリキュラム(各学年1単位、必修)が組み立てられています。「読書」の演習として、1年生の「テーマ読書」があり、「研究」の演習として、2、3年生の「論文作成」があります。
「テーマ読書」は、自分でテーマを決めて、それに関係のある本を数冊見つけて読み、そのブックガイドを作って、級友の前で発表します(ブックトーク)。
2年生から、論文作成演習が始まります。課題(テーマ)設定から、論文の仕上げ・発表まで、2年間かけてじっくりと研究を続けます。
論文作成は、直線的ではなく、「問う過程」「答える過程」「成果をまとめ、発表する過程」を何度も往き来することで、問題意識が深まります。
研究のすべての局面で、テーマを見直し、集めた情報が本当に意味あるものかどうかを点検し、フィードバックする必要があります。「洞察」が研究の決めてになると同時に、新たな問いへの扉を開くのです。
![]() ▲論文作成演習の教科書 |
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読書科の授業は、すべて図書館で行われます。
読書科の授業はすべて図書館で行われます。図書館には、図書、新聞、雑誌などの活字メディアばかりでなく、映像メディア、電子メディアなど多彩なメディアが整備され、また10台のデスクトップ型コンピュータと、50台のノートパソコンが備えられ、すべての教科の調べ学習・課題学習を支援します。
また、司書教諭をはじめ図書館スタッフが、ていねいにレファレンスサービスを行います。
◆高等部読書科カリキュラム◆
Research 研究態度・技術の体得 |
Reading 読書生活の形成と深化 |
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高1 | 【1】「今日から使える関西学院高等部図書館」(図書館入門) 【2】図書館利用の基礎知識 1:図書館メディアの分類 2:分類と配架のきまり 3:情報検索法(館内、館外) 4:図書館利用のモラル 【3】図書館メディア活用ミニ演習 1:検索コンピュータを使わず書架を巡って本を探す。(分類・配架のきまりを確かめる演習) 2:誕生日ゆかりの人物、事項を調べる。(参考図書を使う演習) 3:一つトピックを選んで関連情報・資料リストを作る。(さまざまなメディア・メディア検索手段を活用する演習) 4:その他(年度により多様なミニ演習) |
【1】「図書館で見つけた、この一冊」 級友の前で口頭で紹介→紹介された本の立ち読みコーナーを図書館内に設ける 【2】校内文芸コンクールへの参加 読書感想文の部、創作の部、研究エッセイの部他※全員参加 【3】教師による読書案内文集『図書春秋』(夏休み前配布)、『読んでみませんか』(読書週間に配布)を読む 【4】テーマ読書 テーマを決める ↓ 関連図書リストを作る ↓ 1冊づつ読み、記録を書く ↓ ブックガイド(読書案内文)を書く ↓ 級友の前で口頭で発表 (ブックトーク) 【5】その他 年度により童話創作など多様な演習 |
高2 | 以下 論文作成プログラムに入る 【1】研究論文のテーマの設定 【2】情報検索・収集 【3】情報の記録 B6カードへの記入 【4】中間報告書 結論と論拠を簡単に記述 |
【1】校内文芸コンクールへの参加 ※自由参加 【2】『図書春秋』、『読んでみませんか』を読む |
高3 | 【1】アウトライン(論文の骨子)の作成 ※自由参加 【2】下書き、推敲 【3】論文の仕上げ(清書) 【4】「論文の要約」作成 研究結果を級友の前で口頭で発表する クラス内発表 ↓ クラス代表が 学年発表会で発表 |
【1】校内文芸コンクールへの参加 ※自由参加 【2】『図書春秋』、『読んでみませんか』を読む |
◆論文作成過程◆
