GLPセミナー(国語科・読書科・数学科)

[ 2017年7月21日 更新 ]

GLPセミナーを開催しました

   日時:2017年7月6日(木)13:00~14:30 

   目的:グローバル人材として必要な資質である「自国文化への理解」「異文化理解力」「自己決定能力」を育成する

   対象:GLP1~3年生 【1年(国語科)、2年(読書科)、3年(数学科)】

 7月6日(木)13:00より、GLP生を対象としたGLPセミナーを行いました。生徒たちが実際に海外で活動する際に、日本人としてのアイデンティティーを堅持し日本文化を発信するとともに、国際協力にも寄与することを目標に、学年ごとに教科を設定し実施しました。

 各学年のセミナー概要は、以下の通りです。

 【1年生】「能とはなにか」 国語科教諭 方波見彰先生・能楽師(観世流シテ方) 上田顕崇氏

 1年生のセミナーでは「能とはなにか」をテーマに、能楽師の上田顕崇氏にご講演いただきました。

 はじめに国語科の方波見先生より、日本文化を学ぶ意義についてお話しいただくとともに、講演者の上田氏の紹介をしていただきました。上田氏による講演は、①能とは(古典芸能と伝統文化について)、②「能」と「能楽」の違い、③能面体験、④能の種別について(「五番立」の説明など)、⑤演目『敦盛』について、⑥謡(うたい)体験、⑦摺り足体験、⑧クセ独吟・キリ仕舞(『敦盛』より)実演、と盛りだくさんの内容でした。特に、生徒の一人が代表して能面を実際に装着してみたり、舞台上での「摺り足」の難易度を数名の生徒が体感したり、シテやワキが謡う「次第」を生徒全員で謡ってみたり、普段なかなかできないような能体験を味わうことができました。

 講演の後半に実演された仕舞は、舞台さながらの気迫に満ちた上田氏の演技に、生徒たちも静かにじっくりと鑑賞していました。

<生徒の感想>

・一番初めに先生が、日本について知らなかったら、海外に出た時に海外の人に日本の説明ができない、と言ったのが印象に残りました。全く日本の伝統芸能のことを知らないので、こうしてGLPでも能についての授業があるし、これからは自分でもっと日本のことを学んでいかなければならないと思いました。

・私は今までに能を2回見たことがある。あまり意識せずに見ていたが、今回の授業で能の奥深さや難しさを改めて知ることができた。今はまだ、紙を見ないとストーリーが分からないが、機会があればまた能の舞台を見に行って、何もなしでストーリーが分かるようになりたいと思う。謡い方など様々な貴重な体験ができて、本当に良かったと思う。

・すべての人の動きをすべての人が覚えていることがすごいと思った。また、独特の声の出し方で、様々な設定や見えにくいお面の中で、一体感を持ちながら舞台をやっていることが、600~700年にわたって続けられているということで、素晴らしい文化だと改めて実感した。今回教えていただいた謡や足の使い方、周りの仕組みなど沢山学んだので、実際に能を見に行ってみたいと思った。また、海外に行って日本の文化を聞かれた時に、能について話したい。

                                          

【2年生】「論文の書き方」について 読書科教諭 種谷克彦先生

 2年生のセミナーでは「論文の書き方」について、読書科の種谷先生に講義していただきました。まず反対語という概念から、「内容」‐「形式」、「主観」‐「客観」といったいくつかの例を挙げてお話いただきました。そして、「内容」の中には「目標」「方法」「書く人がどのような気持ちでどのようなロマンをもっているか」、それらを論文に包含することが大切である、と述べられました。世の中には主観的な情報と客観的な情報があふれていますが、普段から慣れ親しんでいる教科書や新聞には、実は主観的な情報が多いのです。卒業論文を執筆するうえで主観的な考えは必要不可欠ですが、自分の考えを裏付けるためにも様々な資料を読み込む力が必要である、と生徒たちに伝えてくださいました。

 2年生は卒業論文の作成に向けて段階的に準備を開始しています。どのような題材で論文を執筆するにしても、「内容」「形式」「目標」「方法」を決めることが重要です。教科書・辞書・新聞など身の回りにある情報は主観的であることが多いことを認識したうえで、「何を」「どのように」、また「何のために」書きたいのかを考える必要があることを、この講義で挙げられた実例を通して改めて理解することができました。

<生徒の感想>

・新聞の見出し、内容、写真は新聞社によって印象が全く異なり、そこから新聞社側が記事の内容の人と会社をどう思っているのかを感じ取れるのは面白いと感じました。また、論文を書いていて一番つらいのは批判されることだと思っていましたが、そうではなく読んでもらえないことだと知り、批判されても、それはその論文に人々が興味を示した証拠なのだと知りました。

・客観的な意見ばかり気にしていたら、自分が本当に伝えたいことを見失う論文になると思いました。読んでもらうためには、読み手の立場も考える必要がありますが、その中でも主観をしっかりと盛り込んだ内容を書くべきだと感じました。全員が客観的・相対的な考えをする世の中では何も生まれず、主観が溢れているからこそ、様々な意見が交流し、新しいものが生まれていくのだと改めて感じました。

・「形式」よりも「内容」、多くの人が思うことよりも自分が感じる主観の方が大切であり、形式や客観的な情報に惑わされず流されず、事の内容や主観と向き合うことが必要だということを学び、この学びを卒業論文の執筆に活かしたいと思いました。

                                            

【3年生】「世界で活躍するために必要なこと」 数学科教諭 宮寺良平先生

 3年生のセミナーでは「世界で活躍するために必要なこと」をテーマに、数学科の宮寺先生にお話しいただきました。宮寺先生は、世界で活躍するための必要な要素として「独自のコンテンツ」「発信するための英語力」「認めてくれる舞台」の3つを挙げられました。また世界を舞台と考えるとき、「書く英語力は発信するうえで重要だが、それよりもコンテンツや特技とするもの、他者と違う部分の方がより不可欠である」と述べられました。さらに世界大会に参加した高等部生と、高等部卒業生の現役大学生から体験談を聞くことができました。卒業生からは「3年生の3学期を有効に活用してほしい」と、生徒たちへメッセージをいただきました。

 「ここにいる全員に世界へ挑戦するチャンスがある。それを掴み取ってほしい。」と、宮寺先生が講義中に何度も繰り返し伝えてくださったのが非常に印象的で、きっと多くの生徒の心に響いただとうと感じます。「世界を舞台に活躍すること」は難しいイメージを抱きがちですが、独自なコンテンツはちょっとした意外な思い付きから生まれること、一歩を踏み出すことであらゆることが変わってくること、そして誰にでも可能性があることなど多くの助言をいただき、自分を認めてくれる舞台は何かということを、生徒が自ら考える良いきっかけになりました。

<生徒の感想>

・新しい何かを作る時には身近にある物から発想を得ることができると学んだ。今ある物を少し工夫するだけで全く違う面白さを獲得することができるかもしれないと感じた。

・1人でするのではなく、何人かグループですることで「補い合う」ということも印象に残っている。仲間探しも大事なのだと思った

・可能性は限られていない、今からスタートしても遅くない、と強く感じました。残された1日1日を大切にして何か新しいことに挑戦したいと思います。