2025年度のFD活動報告
2025年度FD活動報告
関西学院大学では各研究科、各学部・教育研究機関等が独自に工夫を凝らしたFD活動に取り組んでいます。以下に各研究科、各学部・教育研究機関等の取り組みを報告します。
神学研究科
2025年度春学期のFD研修会は6月11日(水)の4時限に吉岡記念館3階会議室1号において学部教員の出席のもとで開催された。春学期は次年度から開始される講義スケジュール・時間帯について、教務機構職員の方をお迎えして説明を受け、それに基づいて教員が質疑をするという仕方で進められた。とくに焦点があてられたのは、90分講義の3講義分にあたる270分の時間のフレキシブルな用い方についてだった。同時双方向型、オンデマンド型、そして課題提示型をどのように準備して運営するかに関する疑問や不安が共有され、何が求められて何が許容されるかが明らかにされた。講義によっては、対面での講義と同等の教育効果が期待できない点が指摘され、この問題をどのように克服すべきかに関して意見が交わされた。オンデマンド型の場合、動画をアップロードする環境構築についても質問があり、可能なかぎり平易な環境において教員にストレスのかからない仕方で講義の準備ができるようにとの要請が行われた。来年度以降に新たな講義スケジュールを行う中で、トライ&エラーを繰り返しつつ、学生へ質の高い教育を提供する努力がなされるだろうと思われる。
2025年度秋学期のFD研修会は10月1日(水)の4時限に吉岡記念館3階会議室1号において学部教員の出席のもとで開催された。秋学期は「生成AIと大学の教育・研究」と題して、高等教育推進センターの教育技術主任である武田俊之氏を迎えて講演を行っていただき、それに続いて質疑応答を行った。まず生成AIにどのようなことが可能か——現在の段階において得意な分野、不得意な分野、そしてリスクが何か——が紹介され、研究においていかに用いられるかが提案された。そのなかで生成AIを〈研究助手〉として位置づけて積極的に用いる可能性が示された。教育の面では、生成AIが教育・学びを毀損する危険性について紹介され、講義等におけるガイドラインの策定の必要性が論じられた。質疑応答においては、講義におけるレポート等の課題作成において学生が生成AIを用いることの弊害に話題が集中した。今後のFD研修会において、学生の課題作成における生成AIの使用に関する学部としてのガイドラインの作成について討議する必要が認識されるとともに、現時点でいかなる課題の設定や評価が可能であるか個別の事例を具体的に挙げて討議する必要が確認された。
文学研究科
文学研究科構成員が参加する研究科委員会において、年4回の研究倫理・コンプライアンス研修会を実施し、研究科委員長補佐による説明のもと、研究推進社会連携機構発行の「Newsletter」および「研究活動上の不正行為防止への取り組み・研究費の不正使用防止への取り組み」パンフレットの内容を構成員全員で共有した。
また、2025年10月15日には、高等教育推進センター作成の動画『教員対象ハラスメント防止研修』(知識編、事例編)を視聴するとともに、2026年1月21日にはキャンパス・ハラスメント等相談センターから講師を招聘し、「学生の多様性―ハラスメントの視点から考える」と題する講演を実施した(欠席者に対しては資料を共有)。あわせて意見交換の機会を設けた。
さらに、2025年12月19日から2026年1月21日にかけて、e-APRINを活用した「研究不正防止計画に基づくコンプライアンス教育」を実施し、期間内に任意の単元を受講のうえ、受講履歴又は修了証の提出を求めた。その結果、構成員76人中61名の受講が確認された。
以上の取り組みを通じて、ハラスメント防止ならびに研究倫理・コンプライアンスに関する意識向上を図った。
社会学研究科
社会学研究科では2025年度は以下のようなFD活動を実施した。
- FD研修会の開催: 9/17(水)の15:20-16:50、社会学部会議室において対面で実施した(学部と共催)。講師として総合支援センターキャンパス自立支援室の西岡崇弘氏をお招きし、「多様な学生への対応に関して―関西学院大学における障がい学生支援―」という演題でお話しいただいた。多様な学生への配慮のあり方について具体例をもとに情報共有し,意見交換を行った。
- (2)授業に関するアンケートの実施:春学期(6月20日~7月15日)、秋学期(12月5日~1月9日)にMicrosoft Formsによる授業に関するアンケートを実施し、春学期は3名(在籍院生の9.1%)、秋学期は12名(同36.4%)からの回答を得た。カリキュラムについては肯定的回答が春学期100%,秋学期83.3%、学習環境や設備についても肯定的回答が春学期100%,秋学期91.6%という結果であり、概ね満足感が得られていることを確認できた。記述式の回答でも、指導教員と副指導教員が二人で指導する制度や、院生が分野を越えて参加する「修士論文・博士論文作成合同演習」に対する肯定的な意見が見られた。
法学研究科
法学研究科では、例年、春学期と秋学期の授業が終了する頃に院生にアンケートを実施し、授業科目、カリキュラムの構成、学習環境などについて、良かった点と改善すべき点について尋ねるとともに、院生からの要望等を自由記述で聞いている。合わせて、広報活動等の基礎資料とするべく、大学院進学の動機や進学の判断に際して参考にした情報なども尋ねている。授業やカリキュラムには総じて満足しているが、学習環境等に関し幾つかの改善を要望する意見が示されるというのが、回答の傾向である。アンケート結果を基に、例年、大学院FD活動として、春学期の授業期間終了後に、院生代表者数名と、教員(大学院問題検討委員会委員全員)・事務職員との間で会合を実施し、院生の要望等を直接聞き取り、改善に向けて何ができるかをともに考え話し合う機会を設けている。単なる不満のはけ口で終わらないよう、遣り取りは記録に残し、院生とも共有している。事務的に対応可能なことはできるだけ速やかに実施し、ルールの見直しや熟議を要する事項は、学部長室や研究科委員会で情報共有しつつ、必要に応じ、適宜対応している。
経済学研究科
2025年度の経済学部、経済学研究科のFD活動としては、例年通り、春と秋の学期末に「学生による授業評価アンケート」を実施した。またFD委員会を開催し、アンケート結果についての情報の共有・意見交換を行った。昨年度同様、すべての授業で評価点平均が5点満点中4点以上となっている。しかし、依然として回収率が低いため、周知方法の徹底などの改善を今後の課題としたい。
また、学部、研究科FD委員会と共同でFD研修を4回実施した。第1回FD研修会は主に学部生を対象とした研修であったが、研究不正防止計画に基づく研究倫理研修・コンプライアンス研修(11/12)、第2回FD研修会(11/26人権啓発・ハラスメント防止講演会)、および第3回FD研修会(1/19進路情報共有会)は、大学院生にも関連する重要な内容である。
本研究科では在籍する学生の数が少ないことから、課題である入学者を増やすための入試制度改革などは継続して実施してきている。加えて、大学院進学者の満足度をより高めるために、修士課程修了者、博士課程修了者の進路の幅を広げていく重要性が明らかとなり、このための施策を検討していきたいと考えている。
商学研究科
商学研究科は、2025年度のFD活動として学部(商学部)と合同で計4回のFD教授研究会を開催した。
第1回2025年7月9日(水)開催では、「研究活動上の不正行為の防止の取組について」をテーマとして藤沢武史教授(ファカルティ・ディベロップメント委員)の講演により、本学における研究活動上の不正行為防止への取り組み、研究費の不正使用防止への取り組みなどを紹介いただいた。。
第2回2025年10月15日(水)開催では、「教員対象ハラスメント防止研修動画(知識編)」をテーマとして藤沢武史教授より、高等教育推進センターが提供する教員対象のハラスメント防止研修の動画を用いて開催された。。
第3回2025年10月29日(水)開催では、「教員対象ハラスメント防止研修動画(事例編)」をテーマとして藤沢武史教授より、高等教育推進センターが提供する教員対象のハラスメント防止研修の動画を用いて開催された。。
第4回2025年12月17日(水)開催では、「配慮学生の対応と総合支援センターのサポートについて」をテーマとして、学生活動支援機構事務部 総合支援センター キャンパス自立支援室 主任 支援コーディネーターの西岡崇弘様から、資料を提供いただき開催された。
理工学研究科
理工学研究科FD委員会は、これまで理学部FD委員会、工学部FD委員会、生命環境学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGとも連携して種々の取り組みを行ってきた。
2025年度、理工学研究科は、新設された建築学専攻、ならびに名称変更を実施した6専攻(物理・宇宙物理学専攻、環境応用化学専攻、生物科学専攻、生命医科学専攻、情報工学専攻、知能・機械工学専攻)を含む10専攻からなる新体制に移行し、FD委員会では、教育・研究・学習環境および研究室運営体制のさらなる改善、向上を目指した取り組みを実施した。
2025年7月15日~31日にかけて、研究科構成教員全員に、研究室の学生数、学生の指導・研究室運営体制、研究室スペース・予算等の充足具合等、8項目からなる「研究室運営に関するアンケート」(WEB調査)を実施した。
理工学研究科としては、上記、研究室の学習環境の整備、(学生の学習環境、教員の教育研究環境、研究室運用の検討:内部質保証、中期計画目標)が課題として上がっており、WEB調査は、その検証のための作業として行った。
その後アンケート結果を質問項目、研究室区分等の観点から整理し、11月の研究科委員会で全構成員に共有し、教育・研究・学習環境および研究室運営体制の改善、向上にむけた方策について検討を行った。
総合政策研究科
総合政策研究科では、FD・カリキュラム検討委員会においてFD活動などに関する議論を適宜行っている。2025年度における研究科の主な活動は以下の通りである。
- FD研修会を計3回開催した(学部と共催)。本年度は、研究倫理教育・コンプライアンス教育に関する研修、ハラスメント防止研修、シラバスの作成に関する理解の促進とシラバスの教員間での相互評価・相互チェックの実施などであった。
- 2026年度以降授業スケジュールの変更にともなう授業実施方針に関して、検討を行った。
- 初年度となる国連システム政策専攻のカリキュラムの見直し(内規改正・開講学期の見直しなど)を行った。
人間福祉研究科
- 大学院生による授業評価の実施
春・秋学期ともに実施。いずれともに回答数は4分の1程度と少数であり、その改善が課題である。授業評価は概ね良好であり、各授業への個別コメントも高く、授業担当者との間では良好な関係を築き、有意義な学びが展開されていることが推測された。 - 前期課程中間報告会、後期課程成果報告会の開催
前期課程中間報告会は 2025 年 5 月17 日に対面で、後期課程成果報告会は 2026 年 2月21 日にオンラインでそれぞれ行った。また後期課程については、中間審査を6月で個別に、また年度末審査を成果報告会と同じ日に開催した。いずれとも、大学院生が研究の進捗状況を発表し、研究経過やその成果を教員や他の大学院生等と共有するとともに、質疑を通して今後の研究に資することを目的にしている。 - 研究業績の調査
人間福祉研究科博士課程後期課程在籍の大学院生・研究員全員を対象に調査を実施し、研究業績を纏めるとともに、掲載希望者については本研究科ホームページに業績を掲載した。 - 学部と大学院の合同 FD 委員会を1回行い、シラバスチェックの手順・ポイントを確認した。また、学部・大学院合同FD研修を3回実施した。実施日時とテーマ・講師は、第1回「生成AI技術を導入した授業の取り組み」(2025年9月10日、第2回「研究費の不正使用」(2025年11月12日)、第3回「教員を対象とするハラスメント防止研修会」(2026年3月4日)であり、各回、活発な質疑応答が行われた。
- シラバスチェックの昨年度実施に引き続き、次年度の開講科目のシラバスにつき、 授業目的及び到達目標、さらに成績評価と授業外学習を重点的にチェックした。
教育学研究科
本年度、教育学研究科では7月と12月に2回のFD研修会が開催された。
第1回研修会では、研究倫理教育・コンプライアンス教育に関する研修を行った。
研修会では、「関西学院大学における研究活動上の不正行為の防止等に関する規程」に基づき、学内関連規定や文部科学省ガイドライン、責任体制について確認し、研究活動を行う上での研究者の責務について、学内配布資料と文部科学省の公開資料を参考に説明がされた。研究費については「預け金」「カラ出張」「カラ謝金」などの不正使用例を具体的に確認し、不正が起きないように改めて注意喚起した。研究成果の発表については、公正な研究と説明責任について具体例をあげて周知を図った。とりわけ、若手研究者のデータ処理の未熟さ、過去に発表した論文の引用方法については、「改めて確認できてよかった」等の感想があり、研究倫理について再認識できた。
第2回の研修会は、学部との合同開催という形式で教育現場における「合理的配慮」についての研修を実施した。研修内容と成果については、学部のFD活動報告を参照されたい。2回とも日常の研究活動や授業に関わる具体的な内容であったため,大変有意義な学びとなった。
国際学研究科
大学院生向けアンケートおよび学部と連携したFD 研修会を実施した。アンケートでは、少人数講義による議論の充実や教員の手厚い指導、研究分野の自由度の高さが評価された。一方、履修科目については、必修以外の授業科目数増加の要望があり、その対応を検討した。学部との共同研修では、第 1 回 「生成 AI と大学教育」(2025 年 7 月9日開催)において、高等教育推進センターから講師を招き、生成AIの基礎、教育活用の可能性とリスクについて理解を深め、大学教育における生成AIの適切な活用と課題解決に向けた包括的な情報提供を頂く機会となった。 第 2 回 「ライフデザインについて」(進路情報意見交換会) (2025 年 10 月 15 日開催)では、キャリア支援課から情報提供があり、高い就職率(2024年度は99.8%)で、その満足度も「大変満足」と「だいたい満足」を合わせた満足度は98%となっていた(国際学部は97.9%)。25年度も売手市場であることに鑑みると、引き続き高就職率が予想される、とのことであった。 第 3 回「授業スケジュールの対応」(2025 年 11 月 19 日開催)では、26 年度から実施される新授業スケジュール下での基礎演習Aについて議論し、オンデマンド教材の選定および視聴のタイミングについて確認した。
言語コミュニケーション文化研究科
言語コミュニケーション文化研究科では、毎年、秋学期にFD活動の一環として、研究科執行部と大学院学生代表によるFD 研修会を開催している。今年度は2026年1月16日に対面で開催した。執行部教員4名、学生5名の出席を得て約90分意見を交換した。
学生側は、事前に本研究科に在籍する学生にアンケートを実施しており、それに基づいて、様々な要望が述べられた。その中には、奨学金などの各種の研究支援制度を整理してわかりやすく伝えてほしいという意見や、博士前期課程の学生に対しても学会参加費などの補助がほしいなどの要望があった。教員側からも、実現が難しい要望もあるが、可能なものについては対応していく旨の返答があった。
院生からの要望は研究科委員会でも報告しており、今後の教育・研究環境の改善に生かされる予定である。
司法研究科
司法研究科長を含む5名の教員からなる「自己評価・FD委員会」を原則 2 か月に1回開催。
以下のFD活動を実施した。
- 授業評価:学生による授業評価アンケート及び教員による自己評価を各学期終了間際に実施した。その結果を報告書にまとめ、全体概要を研究科HP上にて公開、科目ごとの詳細データを教職員・学生に公開した。
- 授業参観:春学期に授業「民事裁判実務」クラス2において教員相互の授業参観を実施し、授業終了後に参観した教員と授業担当教員との間で意見交換を行った。
- 中間アンケート:学生アンケートを授業第5週目にオンラインで実施した。これは授業評価とは違い、後半の授業運営に向けて即時的な改善を狙った取組であり、アンケート結果を即座に担当教員に提示し、対応を検討いただいた。
- FD研修会:研究科の教育力向上を目的として、全専任教員を対象に計5回のFD研修会を実施した。
①[春学期]授業参観と統合して実施することで、授業参観を通じた事前の分析・検討を踏まえたより活発な意見交換をはかり、さらなる授業改善に向けた議論を行った。
②[秋学期]ハラスメント研修会(第1回目)を実施した。
③[秋学期]神戸大学と連携して「学内試験のCBT化について」をテーマにFD研修会を実施した。
④[秋学期]ハラスメント研修会(第2回目)を実施した。
⑤[秋学期]総合支援センターより講師を派遣いただき、配慮が必要な学生に対する対応についてのFD研修会を実施した - 分野別FD:例年、公法系・民事法系・刑事法系の分野毎に、少なくとも年に1回以上、分野別FD活動を実施している。また2025年度については、上記以外にも1年生担当者 会・法曹養成連携プログラム担当者会を開催した。いずれも情報共有と意見交換を行い、授業の進め方や指導方法について問題点や課題を確認し、調整を行った。
- 法科大学院認証評価:2023年度の(公財)日弁連法務研究財団による認証評価を受審後、指摘を受けた内容を中心に改善を行い、その内容について年次報告書としてまとめて財団に提出した。
- 『FDニュース』発行:1年間のFD活動に関する『FDニュース』を作成し、教員及び 学生に配布した。
経営戦略研究科
専門職学位課程と博士課程後期課程を擁する本研究科は、設立当初より、研究者教員及び実務家教員に共通するFDのあり方を模索しつつ、所属教員の高い参画意識をもってFD活動を実施してきている。2025年度は合計2回のFD研修会を実施した。
第1回は他大学の事例をもとにした、適切な入学者選抜の実施に関する研修を開催した。「公平・公正な手続に基づく入学者選抜の実施(入学試験の実施)」をテーマに、兵庫医科大学副学長(学部教育・入試(西宮)担当)八木秀司氏(同大学医学部 解剖学(細胞生物部門)、精神神経免疫学教授)講師に招き、公正かつ妥当な選抜方法によって公平性・公正性の確保を図りつつ、入学者選抜を実施するための取組みの実例についてご講演いただいた。
第2回は本学高等教育推進センターが主催する教員を対象にしたハラスメント防止研修会を、本研究科FD研修会に振り替えるかたちで開催した。「教育研究上のハラスメント防止」をテーマに、ハラスメントに関する問題意識や事例に関する動画を視聴した。
国連・外交統括センター
国連・外交統括センターは、2025年度は以下のFD活動を実施した。
- シラバス検討ミーティングの実施
大学MS「国連・外交プログラム」の2026年度開講科目について、2026年1月にシラバスを検討するためのコアミーティングを実施した。全授業の代表教員が出席し、前学期の学生アンケートの回答やヒアリング結果を参考にし、全科目に関して、授業内容を充実させるためのアイデアや改善点を共有し、シラバスに反映した。 - 研究不正防止計画に基づくコンプライアンス教育に関する研修会の実施
研修会では研究不正防止をテーマとして、本学や他大学における不正行為の事例、研究活動上の不正行為防止への取り組み、研究費の不正使用防止への取り組みなどを共有した。
神学部
2025年度春学期のFD研修会は6月11日(水)の4時限に吉岡記念館3階会議室1号において学部教員の出席のもとで開催された。春学期は次年度から開始される講義スケジュール・時間帯について、教務機構職員の方をお迎えして説明を受け、それに基づいて教員が質疑をするという仕方で進められた。とくに焦点があてられたのは、90分講義の3講義分にあたる270分の時間のフレキシブルな用い方についてだった。同時双方向型、オンデマンド型、そして課題提示型をどのように準備して運営するかに関する疑問や不安が共有され、何が求められて何が許容されるかが明らかにされた。
講義によっては、対面での講義と同等の教育効果が期待できない点が指摘され、この問題をどのように克服すべきかに関して意見が交わされた。オンデマンド型の場合、動画をアップロードする環境構築についても質問があり、可能なかぎり平易な環境において教員にストレスのかからない仕方で講義の準備ができるようにとの要請が行われた。来年度以降に新たな講義スケジュールを行う中で、トライ&エラーを繰り返しつつ、学生へ質の高い教育を提供する努力がなされるだろうと思われる。
2025年度秋学期のFD研修会は10月1日(水)の4時限に吉岡記念館3階会議室1号において学部教員の出席のもとで開催された。秋学期は「生成AIと大学の教育・研究」と題して、高等教育推進センターの教育技術主任である武田俊之氏を迎えて講演を行っていただき、それに続いて質疑応答を行った。まず生成AIにどのようなことが可能か——現在の段階において得意な分野、不得意な分野、そしてリスクが何か——が紹介され、研究においていかに用いられるかが提案された。そのなかで生成AIを〈研究助手〉として位置づけて積極的に用いる可能性が示された。教育の面では、生成AIが教育・学びを毀損する危険性について紹介され、講義等におけるガイドラインの策定の必要性が論じられた。質疑応答においては、講義におけるレポート等の課題作成において学生が生成AIを用いることの弊害に話題が集中した。今後のFD研修会において、学生の課題作成における生成AIの使用に関する学部としてのガイドラインの作成について討議する必要が認識されるとともに、現時点でいかなる課題の設定や評価が可能であるか個別の事例を具体的に挙げて討議する必要が確認された。
文学部
文学部では、当該年度におけるFD活動として研修会を2回開催した。
第1回は2025年10月15日に文学部大会議室にてハラスメントに関する理解の促進と防止を目指したFD研修会を実施した。研修会では、冒頭に坂根隆広FD委員がハラスメント防止研修を行う趣旨を説明し、高等教育推進センター提供の教材を用いて動画を視聴する形で実施した。研修内容は、知識編と事例編の2部構成になっており、前半の知識編では学長メッセージとハラスメントに関する基礎知識を深め、後半の事例編では弁護士の先生からの講義と実際に教育機関で起こった事例から防止対策を学んだ。
第2回は2026年1月21日に文学部大会議室にて人権問題研修会を実施した。キャンパス・ハラスメント等相談センターから講師を招聘し、「学生の多様性―ハラスメントの視点から考える」と題する講演を実施した。学院のハラスメントの定義や対応および法的な観点からハラスメントに関する理解を深め、予防のための知識や教育指導を行う上で必要な対応策を学び、意見交換の機会を得た。
社会学部
社会学部では、カリキュラム検討委員会およびFD部会を中心にFD活動を行っている。
今年度はFD研修会および学部懇談会を開催し、学部が抱える教育課題について教員間で共有するとともに、課題解決に向けた検討を行った。9月17日のFD研修会では、「多様な学生への対応に関して―関西学院大学における障がい学生支援―」をテーマに、総合支援センターキャンパス自立支援室コーディネーターの西岡崇弘氏にご講演いただいた。支援を必要とする学生や、配慮依頼は届いていないものの“気になる”学生への関わり方について、講演および質疑応答を通して理解を深めた。また、研究活動上の不正行為防止への取り組みに関する研修や、教員対象のハラスメント防止研修も行った。さらに、2月25日には社会学部懇談会として、ゼミにおける研究(卒論)指導についての情報交換と話し合いを行う予定である。近年は新任教員の着任が比較的多く、教員間での情報共有が求められていること、生成AIの急速な普及にともないゼミでの指導のあり方が見直しを迫られている現状を踏まえ、教員間で実践例を共有し、授業内容の充実につなげることを目的としている。
法学部
当該年度のFD活動として、法学部では以下2回の研究会を開催した。
第1回(2025年9月10日)は、「2026年度授業スケジュール変更に伴う円滑な授業運営方法」をテーマに実施した。法学部専任教員5名が登壇。新授業スケジュールに対応するため、授業形態ごと(講義科目と演習科目)に、スタートアップウィークやフレックスアワーズでの授業運営方法について計画を報告した。 教員からは、動画作成へのサポート体制の有無や、非常勤講師への周知方法などについて質問が上がった。質疑応答には教務課の担当者にも参加してもらい、対応した。
第2回(2026年1月17日)は、「ハラスメント防止」をテーマに実施した。
教務機構高等教育推進センター制作の動画教材(「知識編」および「事例編」)を用いて、教育現場でのキャンパス・ハラスメント等の予防について理解を深めた。
動画を視聴した教員からは、教材内容の改善点などについて意見が上がった。
経済学部
2025年度の経済学部、経済学研究科のFD活動としては、例年通り、春と秋の学期末に「学生による授業評価アンケート」を実施した。またFD委員会を開催し、アンケート結果についての情報の共有・意見交換を行った。昨年度同様、すべての授業で評価点平均が5点満点中4点以上となっている。しかし、依然として回収率が低いため、周知方法の徹底などの改善を今後の課題としたい。
また、学部、研究科FD委員会と共同でFD研修を4回実施した。第1回FD研修会は主に学部生を対象とした研修であったが、研究不正防止計画に基づく研究倫理研修・コンプライアンス研修(11/12)、第2回FD研修会(11/26人権啓発・ハラスメント防止講演会)、および第3回FD研修会(1/19進路情報共有会)は、大学院生にも関連する重要な内容である。
本研究科では在籍する学生の数が少ないことから、課題である入学者を増やすための入試制度改革などは継続して実施してきている。加えて、大学院進学者の満足度をより高めるために、修士課程修了者、博士課程修了者の進路の幅を広げていく重要性が明らかとなり、このための施策を検討していきたいと考えている。
商学部
商学部は、2025年度のFD活動として計4回のFD教授研究会を開催した。
第1回2025年7月9日(水)では、「研究活動上の不正行為防止への取り組みについて」をテーマに、藤沢武史教授(ファカルティ・ディベロップメント委員)より、高等教育推進センターが提供する教員対象のハラスメント防止研修の動画を用いて開催され、本学における研究活動上の不正行為防止への取り組み、研究費の不正使用防止への取り組みなどを紹介いただいた。
第2回2025年10月15日(水)では、「教員対象ハラスメント防止研修動画(知識編)」をテーマとして藤沢武史教授より、高等教育推進センターが提供する教員対象のハラスメント防止研修の動画を用いて開催され、ハラスメント研修の必要性や、ハラスメントの類型、及び、行為者になった場合の責任についてなどについて共有した。
第3回2025年10月29日(水)では、「教員対象ハラスメント防止研修動画(事例編)」をテーマとして藤沢武史教授より、高等教育推進センターが提供する教員対象のハラスメント防止研修の動画を用いて開催され、具体的な事例をあげて検討がなされた。
第4回2025年12月17日(水)では、「配慮学生の対応と総合支援センターのサポートについて」をテーマとして、学生活動支援機構事務部 総合支援センター キャンパス自立支援室 主任 支援コーディネーターの西岡崇弘氏より説明が行われ、教員間で共有した。
総合政策学部
総合政策学部では、FD活動とカリキュラムの検討を一体的に推進しており、共通の「FD・カリキュラム検討委員会」が担当している。2025年度は、計6回の委員会を開催した。主な論点は以下の通りである。
- 2026年度以降授業スケジュールの変更にともなう授業実施方針に関する件
- CAP 制の見直しに関する件
- 新設科目に関する件
- MS副専攻プログラム「SDGs(仮称)」の設置にともなう科目提供に関する件
- 2026年度以降学科選択オリエンテーションの実施方法に関する件
- 2026年度新入生オリエンテーションスケジュールに関する件
また、FD・カリキュラム検討委員会の下部機関にあたる初年次教育委員会において、入学前教育課題の課題内容の見直しを行い、より充実した初年次教育に向けた検討を行った。
なお、こうした学部再編に合わせた議論と並行して、FD研修を計3回実施した。
人間福祉学部
人間福祉学部では、初年次教育および卒業研究に関わるFD活動とFD研修会を実施した。2025年度の初年次教育科目「基礎演習」については、昨年度に引き続き学科横断クラスとし、共通カリキュラムおよび共通テキストを用いて実施した。「文献の探し方講習会」(大学図書館主催)に加え、「レポート・論文における剽窃行為」に関する注意喚起、教務事項および学生生活に関する情報の提供、ならびに生成AI利用時の留意点や取り扱いに関する説明を行った。
卒業研究については、学部専任教員を対象に、指導方法の共有および改善を目的として、研究演習Ⅱにて提出された卒業研究を自由に閲覧できる期間を設けた。2025年度は12月下旬に実施した。
2025年度のFD研修会は計3回実施した。第1回(2025年9月10日)は、高等教育推進センター武田俊之教育技術主事を講師として迎え、「生成AI技術を導入した授業の取り組み」と題する研修会を実施した。第2回(2025年11月12日)は、研究推進社会連携機構事務部の協力のもと、研究倫理教育・コンプライアンス教育として「研究費の適正な執行について」と題する研修会を実施した。第3回(2026年3月4日)は高等教育推進センター主催の「教員を対象とするハラスメント防止研修会」を開催した。
このほか、2026年度の学部・研究科提供科目のシラバスチェックの実施に向けて、2026年1月21日にFD委員会を開催し、確認事項およびチェックの要点について検討した。
教育学部
教育学部では9月と12月に2回の学部FD研究会を開催した。
第1回の研究会では、来年度から実施予定の新授業スケジュールに向けて課題を整理し、各教員が考えている方策について意見交流を行うとともに、授業課題と評価の工夫について検討した。グループワーク形式で意見交換を進めた結果、とりわけフレックスアワーズの取り扱いに多くの教員が戸惑いを覚えていることが明らかとなった。学部の性質上、免許資格に関わる演習科目や実習科目も多いため、グループ学習課題やディスカッションなどを積極的に取り入れることで、学生の主体性や学びの質を担保できないかという意見が出された。
第2回の研究会では、学生活動支援機構事務部総合支援センターキャンパス自立支援室よりコーディネーターをお招きし、教育現場における「合理的配慮」について研修を実施した。これは、昨年度(2024年度)から学校や企業等で「合理的配慮」が義務化されたことをふまえた研修で、全国的な動向や定義などの基本的な事項、本学の状況と各種障害の実態、授業での具体的な対応や修学支援の事例について学んだ。2回とも日常の授業に関わる具体的な内容であったため、大変有意義であった。
国際学部
国際学部のFD活動は、
- FD研修会(国際学研究科との合同を含む(以下、院合同))、
- 学部授業に対する学生インタビュー調査(院合同)、
- 上記の2つと関連する学生のための教育改善及びキャリア支援
の3つで構成されている。2025年FD研修会は、第1回「生成AIと大学教育」(7月9日、院合同)、第2回「ライフデザインについて(進路情報意見交換会)」(10月15日実施、院合同)、第3回「新授業スケジュールへの対応について」(11月19日実施、院合同)をテーマとした。
FD研修会第1回目では、大学教育における生成AIの活用について、外部講師を招聘し、生成AIの定義や進化、主要なサービスとその得意・不得意分野、リスクとその対策などの説明を受け、国際学部の教育における生成AIの活用を議論した。
第2回目では、キャリアセンター担当者より2024年度(25年卒)の就職状況、2025年度の動向等の説明と、それを受けた情報交換が行われた。第3回目では、2026年度から新授業スケジュールが導入されることから、共通内容を含む基礎演習Aの授業内容について意見交換を行い、さらに新たな試みとなるフレックスアワーズへの対応を検討した。
理学部
理学部FD委員会は、生命環境学部FD委員会ならびに工学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGとも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。2025年度は、FD研修会ならびにシラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。
FD研修会は、工学部、生命環境学部と連携して、2025年7月23日と10月23日の二度実施した。一回目は、キャンパス・ハラスメント等相談センターの福田氏と白井氏による講演「ハラスメントの予防と対応」で、特にハラスメント予防のための具体的工夫をご紹介いただいた。二回目は、高等教育推進センターが作成した教員対象ハラスメント防止研修の動画を視聴した。客観的基準でハラスメントが認定される中、人によって境界線は異なることを意識しながらアサーティブコミュニケーションの重要性を確認した。
シラバスの質向上に向けた取り組みは、2026年度からはじまる新授業スケジュールにそった作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容をチェックし、さらなる質の向上と対面授業時間とフレックスアワーズの明示、その保証に向けた表記について検討を行った。
工学部
工学部FD委員会は、理学部FD委員会ならびに生命環境学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGとも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。
2025年度は(1)FD研修会ならびに(2)シラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。FD研修会は、理学部、生命環境学部と連携して、2025年7月23日にキャンパス・ハラスメント等相談センターによりハラスメント研修会「ハラスメントの予防と対応」を実施した。無自覚的ハラスメントの段階での対応が効果的であり、またセルフマネジメントが重要であることなど、ハラスメントを未然に防ぐためのポイントを教員で共有した。また2025年10月23日に教員対象ハラスメント防止研修会として高等教育推進センターが作成した動画を視聴した。シラバスの質向上については、2026年度の授業スケジュールの変更に向けた記述内容の更新が必要となったため、作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容のチェックを行うとともに、さらなる質の向上と対面授業時間およびフレックスアワーズの明示、その保証に向けた表記について検討を行った。
生命環境学部
生命環境学部FD委員会は、理学部FD委員会ならびに工学部FD委員会と協力し、さらに理・工・生命環境の3学部合同カリキュラムWGとも連携して、学生に対する教育学習環境の改善、教員に対する教育能力のさらなる向上を目的として、種々の取り組みを行っている。
2025年度はFD研修会ならびにシラバスの質向上に向けた取り組みを実施した。FD研修会は、理学部、工学部と連携して2025年7月23日にキャンパス・ハラスメント等相談センターによるハラスメント研修会を開催すると共に、2025年10月23日に高等教育推進センターが作成した教員対象ハラスメント防止研修の動画を視聴した。客観的基準でハラスメントが認定される中、人によって境界線は異なることを意識しながらアサーティブコミュニケーションの重要性を確認した。またシラバスの質向上に向けては、2026年度から新しく作られるカリキュラム構成にそった作成ガイドラインに基づいてシラバスの内容をチェックし、さらなる質の向上と対面授業時間とフレックスアワーズの明示、その保証に向けた表記について検討を行った。
建築学部
建築学部では、FD活動とカリキュラムの検討を一体的に推進しており、学部教務委員会とFD委員会が中心となって担当している。入学時オリエンテーション時のグループワークも継続し、大学教育へのスムーズな導入と教育環境向上を目指した取り組みを実施するとともに、2025年度は計11回の学部教務委員会を開催した。主な論点は以下の通りである。
- 卒業研究の提出方法に関する件
- 修士論文・修士設計の提出方法に関する件
- 建築学演習・卒業研究の配属方法に関する件
- 「建築設計演習」の授業実施方法に関する件
- 2025年度「建築設計演習II、IV」受講生への授業アンケート実施に関する件
また今年度はFD研修会として以下のとおり2回 実施した。
第1回目は、7月9日に、研究不正防止計画に基づくコンプライアンス教育について資料に基づいて建築学部研究推進委員から報告があり、意見交換を行った。
第2回目は、2月18日に、シラバスの作成に関する理解の促進とシラバスの教員間での相互評価・相互チェックの実施を行った。
言語教育研究センター
英語
2025年7月に全学英語教育FD部会を開催し、2024年度の「プレースメントテストおよびアチーブメントテストの実施結果に基づく教育成果の振り返り」等に関する分析結果を共有した。同月には、言語教育センターの英語ネイティブ教員によるFD部会も開催し、英語教育におけるAI活用をめぐる課題について意見交換を行った。そこでは、教員および学生が学習ツールとしてAIをどのように活用しているかを中心に、多くの興味深く有益な意見交換が行われた。また、英語教育におけるAI活用の肯定的側面と否定的側面についても検討した。
ドイツ語
人工知能ツールの採用方法に関する経験を共有し、また知識を深めながら、AIツールがドイツ語教育の実施に及ぼす影響について具体的に議論、検討した。2026年2月18日に研究会を開催し、主に学習支援、自立学習、教育・研究倫理について情報共有および議論を行った。
フランス語
会議およびメールで、教員間で授業方法、授業内容、改善すべき点、インテンシブ・クラスで使用している教科書の長所と短所などについて意見交換を行い、より効果的にフランス語を教える方策を探るとともに、教材や補助教材の検討も行なった。
スペイン語
2025年4月初旬にオンラインミーティングを行い、到達目標や成績評価などを確認した。また、前年度の授業実施に関する情報交換を行い、改善すべき点を検討した。2026年1月にはスペイン語教授法研究会を対面で開催し、来年度からの新授業スケジュールへの対応と、授業の進め方について検討し、指針を共有した。
中国語
2025年1月10日に全中国語担当講師によるZoomオンライン会議を実施した。新年度の授業スゲジュールの変更点について協議を行い、教育目標の再定義と指導内容の統一化について全講師間で合意を得た。また、2024年度から継続している学生への個別指導方法の最適化に加え、専任教員と非常勤講師の連携をさらに深め、全クラスにおいて教育の質と進度の対称性を確保する体制を整えた。
朝鮮語
懸案である教科書の刷新に向けて検討を進めた。特に、新しい授業スケジュールが固まったことを踏まえ、構成や進度について重点的に意見交換を行った。
また、2025年8月中旬には春学期に行った授業を振り返り課題のあぶり出しを、12月中旬には新しい授業スケジュールの朝鮮語における対応について協議し、共通シラバスの改善と共有に向けて議論を行った。
教職教育研究センター
本年度は2回のFD研修会を開催した。第1回については、7月8日(火)に「自己点検・評価を踏まえた教育改善に向けて」というテーマで、担当教員が記入した教職課程における課題に対する現状報告を共有するとともに、2024年度の「教職実践演習」履修者を対象に実施したアンケート調査の分析結果について報告と懇談を行った。この研修会を通じて、教職課程の現状と学生からの要望も踏まえて、教職課程における学びを改善するための今後の課題を共有することができた。
第2回については、12月19日(金)に教職課程等研究懇話会を開催した。この懇話会では、本学の専任教員と非常勤講師の方々とで本学教職課程の現状(履修者数、就職状況、教職課程アンケートの結果報告)について共有をし、意見・情報交換を行った。また、例年非常勤講師の方から研究発表をしていただいている。本年度は、杉山精一先生に「教職科目担当:40年目の反省と提案~実践してきたこと/今していること/私の提案~」と題して、40年間の授業の取り組みに加えて、今後の学生支援体制への提言に関する発表をしていただいた。
共通教育センター
当センターは2010年4月の設置以来、FDに関する主たる取り組みとして、全学科目体系の整備、初年次教育科目「スタディスキルセミナー」の提供、ラーニング・アシスタント(L.A.)制度の運用を推進している。
カリキュラム充実のための取り組みとして、AI活用人材育成プログラムおよび情報科学科目の運営等が挙げられる。これらの取り組みについては、それぞれ専門の部会を設置し、カリキュラム内容や開講形態について定期的に検討を行っている。AI活用人材育成プログラムでは次年度に向けて、より体系立った履修を可能とするために、カリキュラムツリーの変更を決定した。また、学生からの要望や高度な研究活動の推進を踏まえ、大学院共通科目への展開も進めることとした。情報科学科目についても、次年度に向けて体系的に学べる仕組みを明確化するため、スキルツリーの設定や科目名の変更を行った。
また、シラバスの高度化・実質化に関する取り組みを継続し、高等教育推進センターと共同で作成した『授業シラバス執筆の手引き』を基に、センター提供全科目のシラバスについて、センター長、センター副長、情報科学科目コーディネーター教員、関係教員でチェックを行った。
これらに加え、7月18日には、センター所属教員を対象として、研究倫理の啓蒙(研究活動上の不正行為および研究費の不正使用の防止)をテーマとしたコンプライアンス教育を実施した。
ハンズオン・ラーニングセンター
ハンズオン・ラーニングセンターでは、2025年度に以下のFD活動を実施した。
- 「安定的なハンズオン・ラーニング・プログラム運用検討WG」での科目運用の見直し
- シラバスの高度化・実質化の継続
- コンプライアンス研修の実施
主な取り組みは、以下の通りである。
- ハンズオン・ラーニングセンターの安定的な運用を目指し、6月に「安定的なハンズオン・ラーニング・プログラム運用検討WG」を設置し、センター長からの諮問のあった次の3項目について分析・調査の上、対応策について答申をおこなった。
①履修者数の減少に関する分析と対応策
➁安定的な実習の実施と体系的な学びについて
③その他(単位数と授業時間について)
その後、第4回ハンズオン・ラーニングセンター会議(2025年7月8日開催)にて答申を受けて、科目運営の見直しを決定、ハンズオン・ラーニング・プログラムの健全かつサスティナブルな提供体制の再構築を推進した。 - 『シラバス作成の手引き』を基に、センター教員には、2026年度のシラバス作成における前年からの変更点のまとめ及び作成時の留意事項を集約して周知した。また、シラバスの第三者チェックについては、実施要領を作成し、センターが提供する全科目に対して、センター長、副長が適切に実施した。
- センター所属の教員に対し、7月8日に、研究倫理の啓蒙(研究活動上の不正行為、研究費の不正使用の防止について)をテーマとしたコンプライアンスに関する研修を実施した。
スポーツ科学・健康科学教育プログラム室
スポーツ科学・健康科学教育プログラム室では、本学のスポーツ教育および健康科学教育の充実を目的として、全国大学体育連合主催の講演会等に積極的に参加している。
2025年度は、佐藤博信准教授(室長)が第13回スポーツ健康系学科長協議会に、河鰭一彦教授が近畿支部講演会に参加した。 スポーツ健康系学科長協議会では、「大学スポーツにおける地域振興」をテーマとしたスポーツ庁担当者による講演のほか、「大学スポーツにおける地域振興」および「スポーツ・健康系学科の現状と課題」について参加者による協議が行われた。
近畿支部講演会は2回開催され、7月は都竹茂樹氏(大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター 教授)により、学生に健康を自分事として捉えてもらい、行動変容に誘うためのアプローチについての講演が行われ、11月は難波秀行氏(大阪大学全学教育推進機構 准教授)により、高等教育において体育・スポーツを導入する意図や目的について紹介されたほか、大学体育における調査をもとに、スポーツや健康教育を通じて学生がどのように非認知的能力(社会情動的スキル)を学んでいるかの報告が行われた。
また、スノーボード研究会冬季研修会には甲斐知彦教授が、関西五私大体育研修会(関関同立龍)には佐藤博信准教授(室長)と溝畑潤教授(副室長)が参加した。
人権教育研究室
人権教育研究室は2025年度において以下の活動を行った。
第一に、新任教職員等を対象とした人権研修プログラムを4月にオンデマンド配信にて行った。第二に、人権問題講演会を合計4回企画し、5月にLGBTQ+と性の多様性について、6月にインクルーシブ社会の実現をテーマに、11月には福島原発事故の被災地支援を通じて築かれた「協働」の関係について、そして12月には障害・福祉と絵本の関わりを学ぶ公開講演会を開催した。第三に、性の多様性への理解を深める活動として、第13回関学レインボーウィークを5月に開催し、関連映画の上映会、各種展示やパネルディスカッション、学生企画などを行った。また、難民問題への取り組みの一環として6月と11月に神戸三田キャンパス生協食堂で行われた学生団体J-FUNユースK.G.主催のMeal for Refugees活動を後援し、11-12月にUNHCR協会の後援により難民映画フェスティバルを開催した。さらに、本室指定研究「SOGIEと人権」は6月と11月にセクシュアリティに基づく差別に関する公開研究会を行い、本室研究部会も公開研究会として11月に「ヒューマンライブラリー2025」(日本語教育センターとの共催による)を開催した。
最後に、人権教育研究室が提供する8つの人権教育科目では、様々な学部の教員が「運営委員」となって科目代表者と共に授業運営を担い、本学の人権教育について理解を深めた。2026年3月には、人権教育科目担当者連絡会を開催して2025年度の担当者の間で意見交換と情報共有を行い、次年度の人権教育に向けた改善点や今後の取り組みを確認した。
国際教育・日本語教育プログラム室
国際教育・日本語教育プログラム室としては、2025年度以下のFDを実施。
- 7月8日の国際教育・日本語教育プログラム室連絡会にて、交換受入プログラム現代日本プログラムの現状及び次年度の提供科目について、教職員間で意見交換を行い、より良いカリキュラムの提供に向けて懇談を行った。
- 1月16日の国際連携機構連絡会にて、教職員で出張した国際教育交流大会EAIEで得られた、世界の高等教育および協定校の動向について報告があり、種々懇談を行った。
- 2月10日の国際教育・日本語教育プログラム室連絡会にて、1月31日に東北大学で行われた「国際共修ワークショップ」の 出張報告が行われた。
また、3月10日の国際教育・日本語教育プログラム室連絡会にて、同ワークショップで学んだ国際共修の先進事例や本学での国際共修科目実施方針について、教職員間で意見交換を行う予定。
以上のFD成果を活かし、次年度は国内学生及び留学生により多様で魅力的な国際教育と正課内外国際共修の機会の提供に力を入れたい。
日本語教育センターでは、センター内にFD委員会を設け、センターでのFD活動を推進している。授業関連では、学部留学生および交換学生の日本語科目を対象に、センター独自に作成した授業に関する調査を年2回(春学期末、秋学期末)実施している。回答結果は各科目の授業担当者に返却し、次年度以降のシラバス作成や授業内容改善の資料として活用している。
教員研修に関して、毎年、センター主催の関学日本語教育研究会を実施しており、今年度も研究会を開催予定である。
2026年3 月4日に第35回関学日本語教育研究会として、ワークショップおよび研修参加報告を実施する予定となっている。
今後も継続的に研究会を実施することで、非常勤教員を含め、日本語教育センターの授業運営に関わる全ての教員に対して、相互の学びを深めたり共有したりする研修の場を提供していきたい。
また、日本語教育センター設立以来、毎年発行されている『関西学院大学日本語教育センター紀要』の今年度号(第15号)が2026年3月に発行予定であり、本紀要を通じて教員の研究や実践の成果報告を学内外に発信している。
来年度以降も、上述のような定例の活動を継続していく予定であり、ニーズや機会に応じて、随時FDに関連する活動の企画運営を積極的に行いたいと考えている。
キャリア教育プログラム室
キャリア教育プログラム室では、専門分野の学びと社会を結び付けることを目的とし4つの正課科目を配している。
カリキュラムは、入門科目の「KGキャリア入門」を通して「キャリア」を知り、その後、企業と共創する「ライフデザインと仕事」を通して「社会」を知り、最後に、ゼミ形式の「キャリアゼミ」を通して「自分」を知るという履修モデルとなっている。また、上記モデルと並行して、国家公務員志望の学生を対象に、「霞が関セミナー」も開講している。
2025年度のFD活動は、2025年9月にタスクフォースを設置し、新たなキャリア教育プログラムの在り方について検討している。なお、2026年度からは「KGキャリア入門」の成績評価方法を見直し、オンラインテストによる機械採点を導入する。これにより、教育の質保証とともに持続可能な授業運営を可能とする。また、2028年以降に開講予定の第3期「KGキャリア入門」の開発やその他の科目の再構築を視野に入れ、現行科目の検証やコンテンツ開発、新設科目の授業内容に関する検討を進めている。
大学宗教主事会
今年度の大学宗教主事会では10月31日(金)にFD研修会を実施した。
今回は特に、来年度から始まる新しい授業形態を踏まえ、[100分×14回]から[90分×15回]に変更されるキリスト教学の授業をどのように実施していくべきか、なかでも「スタートアップウィーク」及び「フレックスアワーズ」の授業内容をどのように構成していくべきかという点に焦点を当て、法学部宗教主事の大宮有博氏と総合政策学部宗教主事の村瀬義史氏のお二人より発題していただいた。大宮氏からは、様々な動画教材の活用方法やLUNAの機能を用いての課題設定の仕方など、様々な授業方法のアイデアが紹介され、村瀬氏からはLUNAの「テスト」機能の他、「建学の精神」や日本聖書協会ウェブサイト内の「聖書を知る」を活用した課題の設定等、大いに参考になる提案がなされた。発題後は出席者から様々な質問や意見が出され、多くの課題を共有することができた。今後もFD研修会等を通してキリスト教学の授業のあり方を検討する機会を継続して持ち続けていきたい。