関西学院大学災害復興制度研究所　2026年復興・減災フォーラム「頻発する激甚災害からの人間の復興― 被災者・被災地の尊厳を守るために」

《総合司会》

羅　 貞一　（関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員 ・准教授）

韓国ソウル出身。専門は、コミュニティ・レジリエンス、被災者支援制度・災害復興、防災教育訓練。日本、韓国、インドネシアなどの地域コミュニティで被災と復興における住民参加型コミュニティ・レジリエンスの向上のために取り組んでいる。2005年来日し、京都大学防災研究所研究生（災害リスクマネジメント研究室）、京都大学大学院工学研究科博士前期・後期課程修了。2011年博士（工学）を取得。鳥取大学工学研究科社会基盤工学専攻助教、（韓）忠北大学国家危機管理研究所消防防災センター長、（韓）全国災害救護協会災難安全研究所副所長（本部長）を経て現職。（韓）行政安全部中央災難管理評価委員、外交部災難安全事業評価委員等。近著に、（韓国語）『災難の経済的、社会的影響および社会の変化』（共著、2024）、『災難の記憶と記録空間』（共著、2025）などがある。

加藤 泰史 （椙山女学園大学外国語学部国際教養学科教授／一橋大学名誉教授）

1956年名古屋生まれ。名古屋大学大学院文学研究科修了。研究領域は哲学・倫理学、ドイツ近現代哲学（特にカント哲学）・応用倫理学であり、近代日本哲学では和辻哲郎と左右田喜一郎などの研究を行っている。2023年から学術変革領域研究（A）「尊厳学の確立」の領域代表者を務め、「尊厳」概念研究とその社会実装に取り組んでいる。日本哲学会会長、日本哲学系諸学会連合委員長、日本学術会議連携会員などを歴任。著書に関しては、『問いとしての尊厳概念』（法政大学出版局、2024）、『スピノザと近代ドイツ』（岩波書店、2022）、Kant’s Concept of Dignity, De Gruyter, 2019などがある。

山　泰幸　 （関西学院大学災害復興制度研究所長・人間福祉学部長）

持続可能な地域づくり、地域防災、減災まちづくり、災害復興をテーマに、住民・行政・NPO等と連携しながら、長期密着型のフィールドワークに基づく実践的な研究を行う。災害や過疎からの地域復興まちづくり、自主防災組織とコミュニティづくり、高齢者の社会参加のための場づくり等、取り組みは多岐にわたる。フランス留学中に「哲学カフェ」に出会い、帰国後、長年にわたり各地で実践を重ねながら、まちづくりにおける語り合う場のデザイン手法の開発に取り組んでいる。災害復興制度研究所には設立準備段階から関わり、2016年4月から副所長を務め、2022年4月に所長に就任。東京大学地震研究所客員教授、京都大学防災研究所客員教授等を歴任している。近著に、『東アジア災害人文学への招待ー気候変動・災害多発時代に向き合う人文学』（共編、2025）などがある。

山　泰幸　 （関西学院大学災害復興制度研究所長・人間福祉学部長）

関谷　雄一 　（東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻教授）

東京大学大学院総合文化研究科教授（アフリカ地域研究・応用人類学）。青年海外協力隊としてニジェールで農村開発に携わった経験を基に、相互学習と組織学習論の視点から開発実践を研究し、2004年に博士号取得。著書『やわらかな開発と組織学習』（2010）では、その成果を体系化した。早稲田大学助手、青山学院女子短期大学教員などを経て現職。青年海外協力隊訓練所講師として異文化理解教育にも従事。2012年以降は福島原発事故後の生活復興を「人間の安全保障」の観点から調査し、その成果を『震災復興の公共人類学』（共編、2019）にまとめた。

矢野　淳　　（株式会社MARBLiNG代表取締役/図図倉庫総合プロデューサー）

東京都出身。2011年に認定NPO法人ふくしま再生の会を立ち上げた父の影響で、高校生の頃から福島県飯舘村に関わり続ける。2020年、東京藝術大学建築科卒業。現在は飯舘村と東京の二拠点で活動し、2021年に合同会社MARBLiNGを共同代表として設立、2024年には株式会社MARBLiNGを設立。飯舘村のホームセンター跡地に、村の人と共に飯館の資源を利用して作りあげた「図図倉庫（ズットソーコ）」を企画運営・空間プロデュースしている。
会社URL：https://www.zuttosoko.com/

南　正昭　 　（岩手大学大学院総合科学研究科地域創生専攻専攻長・教授）

専門は、土木計画学、都市・交通計画学。北海道大学大学院修了、山口大学工学部を経て、岩手大学に着任。現在、岩手大学理工学部教授・大学院地域創生専攻専攻長。東日本大震災後、応急仮設住宅団地内に支援拠点を開設し、復興支援に従事。災害復興や地域づくりにつながる実践的研究活動を継続している。学術論文に「壊滅的被災下における住民主体によるコミュニティ再生の支援に関する実践的研究」ほか多数。岩手県復興委員会委員、（一社）3.11伝承ロード推進機構理事、岩手県東日本大震災津波伝承館運営協議会会長ほかの公職を務める。

有馬　尚史　（『凪が灯るころ ～奥能登、珠洲の記憶～』映像作家）

千葉県出身。2011年に多摩美術大学に入学。同年より映像作品の制作を開始。23年5月に起きた地震からの珠洲の復興の様子を撮影するなか、元日の能登半島地震では自身も被災。計画を立て直したうえで撮影を重ね、『凪が灯るころ～奥能登、珠洲の記憶～』を作り上げた。映像作品をメインにしながら楽曲制作から絵画制作等、様々な手法と媒体で制作活動を行う。 
2018年2月映画『紙の上のロバ』2018恵比寿映像祭 地域連携プログラム上映。
2020年11月映画『wool』アナザ・アイ映像展上映。
2021年8月映画『さよならリゾート』きくはらゆり映画祭上映。
2024年6月『凪が灯るころ～奥能登、珠洲の記憶～』を制作全国各地で上映。
2024年6月映画『囁きの河』全国公開 (プロデューサーとして携わる)

《コーディネーター》

岡田　憲夫 　（京都大学名誉教授／関西学院大学災害復興制度研究所顧問）

京都大学名誉教授。関西学院大学災害復興制度研究所顧問。熊本大学客員教授。
鳥取大学教授、京都大学防災研究所長、熊本大学減災社会システム研究教育センター長、関西学院大学災害復興制度研究所長などを歴任。2017年 2月から2019年12月まで、持続的発展学・国際高等研究所(IASS, ドイツ・ポツダム市)シニアフェロー研究者。国際総合防災学会(IDRiM Society)元会長。鳥取県智頭町のまちづくりの支援に約40年以上関わり、持続的な地域復興と災害復興のまちづくりをライフワークにすることを目指している。