2018.06.01
「学校長からみなさまへ」を更新し、「言葉の力」を掲載しました。
2018年6月「言葉の力」

“Mastery for Service”
“幼子はたくましく育ち、
知恵に満ち、
神の恵みに包まれていた
<縦割り班での春の遠足>
〝言 葉 の 力 〟
言葉はその人の物の見方や考え方を深め、心と感性を育んでいきます。
私たちは、言葉で喜び、言葉で怒り、言葉で哀しみ、言葉で楽しみながら生活しています。30年以上前ですが、つかまり立ちから1歩、2歩と少しずつ歩き始めた娘に、「すごい、すごい」と手をたたき、笑いながら、思わずうれしい気持ちを伝えていた頃がありました。まだ言葉がよく理解できなかったはずの娘が、自分の歩きを周囲の大人が喜んでいることを感じ取って、しりもちからまたニコニコと立ち上がり、ヨチヨチ歩き始めていたことを思い出します。どの子にもそんな時期があったことと思います。こんな詩があります。
『ひとつのことば』
ひとつのことばで けんかして ひとつのことばで なかなおり
ひとつのことばで 頭が下がり ひとつのことばで 心が痛む
ひとつのことばで 楽しく笑い ひとつのことばで 泣かされる
ひとつのことばは それぞれに ひとつの心を持っている
きれいなことばは きれいな心 やさしいことばは やさしい心
ひとつのことばを 大切に ひとつのことばを 美しく
「ひとつのことばは それぞれに ひとつの心を持っている」・・・コミュニケーションで気持ちや思いを伝える場合、メラビアンというアメリカの心理学者の実験では、言葉そのもので伝わるのは7%、残りの93%は表情や態度、話すスピードなどによるのだそうです。思いや気持ちを伝えるのに、言葉を選ぶことはとても大切です。そして、それ以上に相手を思いやる心のこもった言葉のかけ方、伝え方の大切さをこの詩は表していると思います。
心を伝えるには心のこもった言葉が必要です。特に、うれしい時、感謝している時、謝る時などは、その時に相手の目を見て、きちんと気持ちを言葉で伝えることが大切です。
「ありがとう」「おかげさまで」「喜んで」「おいしい」そして「ごめんなさい」などです。 照れくささもあるのでしょう。これがなかなか言えない子どもが増えているという指摘
もあります。子どもたちには、互いの心を伝え合う言葉の大切さを、そして心のこもった伝え方を理解し、それらを身に着けながら成長していってほしいと思っています。